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グリーンブック【感想・レビュー】差別のない、理想の世界へ。 


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 グリーンブック
 (2019年 アメリカ映画)  
 90/100点



さ わ や か。

黒人差別をテーマにしていますが、暗く、沈んだ空気はなく、カラっと明るい映画です。登場人物も魅力的で、本当に楽しく胸のすく映画。大傑作だと思います。第91回アカデミー作品賞も納得の逸品です!

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<ややネタバレしています。>


一部では、「差別描写」が甘いとか批判されているようですけど、これはこれでアリですよ。確かに、ラストはさらりとしています。甘いっちゃ、甘いです。この世界には、まだまだ手ひどい差別が蔓延しています。

だけど、本作は一つの「理想」を表現したのだと思います。だってラストの爽やかさといったら!! 差別がない世界はこんなにも気持ちがいいのだと、見事に表現しているわけです。それに至るまでの差別描写は、この爽快感の伏線。まさに、スカッとアメリカ!!

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で。

確かに本作に出てくる差別描写は、特徴的です。出てくる白人はみな、「黒人差別」をしているとは思っていない。

黒人のピアニストに賛辞を送った次の瞬間、「黒人は別のところで用を足してね」と、屋外トイレを指さします。

来賓として招いておいて、「このレストランには入らないで」と、言ってのけます。

女性は土俵から降りてください! と同じで。

「差別じゃないんですよ。昔からのしきたりなんですよ。仕方ないでしょう。ね、差別だなんてとんでもないですよ」

本作は、無意識の差別を描写しているのでした。主人公:トニーもそうでした。黒人が口をつけたグラスをゴミ箱に捨てます。だからといって、黒人を完全拒否しているわけでもない。だって、黒人と一緒に遊んでいたりするんだもの。

でも、なんだか黒人がいる場所に財布を置いていけません。その黒人は、自分の雇い主だってのに。

この、恐ろしさ。

暴力的で、激しい差別描写はなくとも、心に、根強く、「差別感情」がこびりついているという描写もまた、恐ろしいものですよ。…そして、黒人からしてみれば、それはそれは哀しいものですよ。

そういう怖さを、描いているのでした。決して、差別描写が大人しいわけじゃない。

さて。

本作の主人公は、二人。

繊細で、ちょっとインテリな態度の黒人ピアニスト:シャーリー(マハーシャラ・アリ)。
シャーリーに用心棒兼ドライバーとして雇われるヤクザ風の白人の男:トニー(ヴィゴ・モーテンセン)

よくあるお話ですよ。ようは、黒人差別をしていた乱暴者のトニーが、黒人のシャーリーと仲良くなって、最後のあたりは差別する奴は許さねえぞ!! となる王道中の王道。ちょっとあらすじを書いただけでも、鳥肌が立つほど鉄板のお話です。

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特にひねりはありません。いや、それでいいんです。その代わり、巧いのはシャーリーの人物描写。

彼は差別に立ち向かう孤高のピアニストです。けれど、実は「問題点」を持っています。彼は、ちょっと素直じゃないんです。お高いんです。主人公と初めて会ったとき、彼は王座のような椅子に鎮座し、トニーを見下ろしていました。

差別に抗うための防衛機制として、彼は「品格を保つこと」にこだわります。けれど、その態度は逆に差別的・疎外的に見えるんです。彼は、黒人だけのモーテルで、他の黒人との交流を拒みます。彼は白人だけでなく、黒人の中にも入れない孤独に悩まされていました。

そもそも、彼が人を受け入れない。

トニーはそのことに気づき、彼にそれを教えるのでした。ひとまず肩ひじ張らずにさ、一緒にフライドチキン食おうぜっ、て言いながら。

そうして、お互いが影響を与え合い、成長していく見事なロードムービー。

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いや、何度も言うけれど、とにかくラストが素敵です。あの、トニーの奥さんのセリフたるや!! 正直、予想は出来たんだけど、それでも心の芯から気持ちいい!! あー、こうして書いてるだけでも、また鳥肌立っちゃった。


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Posted on 2019/03/12 Tue. 19:33 [edit]

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