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ヘレディタリー 継承【感想・レビュー】最凶の演技。 


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 ヘレディタリー 継承
 (2018年 アメリカ映画)  
 84/100点



あらゆるホラー映画を超越するほど、恐ろしい映画でした。ホラー映画史にとって、本作は特別な映画になるでしょう。確かに凄い。

だけど。

なんとなく、嫌な予感はしていたのです。観てはいけないくらい、怖い映画だろなあ…と。

あまりの評判の高さに、まさに「怖いもの観たさ」に駆られたわけですが…

うわあ…、予感的中。すごい映画なのはわかるけど、観終わった後の心の重たさよおお…並大抵の禍々しさではありません。

『来る』もそうでしたけど、本作もまた「家族という地獄」を描きます。ただし、『来る』はどちらかというと普遍的な描き方(夫が家事しない、とか、育児ノイローゼとか)でしたけど、本作は、まさに想像を絶する「地獄」です。

本来「平和」であるはずの「家族」

「愛情」に溢れているべき「家族」


あるべき「家族の理想」を、完膚なきまでに蹂躙してくれるのでした。

本作の怖さは、グロテスクだったり、ワッと驚かせたりする類ではありません。(そういうのも、ふんだんにあるけど)心理的に追い込んでくる演出の凄さったら!

ヘレ



まず、オープニングからセンス抜群です。不気味なうえ、映像的にも興味をそそらせる見事な掴みでした。

で。

一番ツラかった場面は序盤に訪れました。ある途方もない失態をやらかした長男ピーター君が自宅に帰り、ベッドに横になり、朝、「それ」が両親に知られるまでの描写の巧さは、全ての映画史上でもトップレベルです。

何がすごいって、心理的に我々はピーター君に同化させられちゃうんです。彼の気持ちが何となくわかるんです。子供のころ、「やらかしてしまって、それがバレるまでの気持ち」 その感情がフラッシュバックしてくる! 「途方もない後悔」と「現実感が薄れるほどの恐怖」 とにかく、イヤになるくらい巧い。いや、ツラい…

※余談ですけど、先日オードリーのオールナイトニッポンで、小学生の時に妹が自転車で壮絶にこけて泣き叫んだ時、怖くなって家に帰り、誰にも言わず、じっと部屋で体操座りしていたという春日のエピソードを聞いて、まんま『ヘレディタリー』じゃん…! と震えた。

そして。

そこから始まる、母親であるトニ・コレットのすさまじい芝居。そして、顔おぉぉ…。恐怖の顔芸のすさまじさ。もはやホラー界の香川照之。

この顔芸が、余計に「恐怖」を爆上げさせるんです。ちなみに、彼女は『シックス・センス』のお母さん役でした。あの時も、芝居が上手いなあと思ったものです。

へれ2


で。

母親が壊れていくんですよね…というか最初から、何らかの心の疾患があった様子です。そもそも彼女の父・母・兄もまた、心の疾患を抱えていたと話されます。(それが、本作のタイトルの意味でもあります)

この母親の行動・言葉が、徐々に常軌を逸していくのです。あえて明るく、たけしメモみたいな感じで紹介してみましょうか。

~こんな母親はイヤだ~
「夢遊病で、気づいたら子供部屋にガソリンをまいている」 笑えんわ。

お母さんが精神的に壊れてる…って、もうそれだけで「恐怖」でしょう。その母親から、長男のピーター君は容赦のない「責め苦」を与えられます。直接的な「攻撃」だけでなく、「壊れた様子」をまざまざと見せつけられるわけ。

もうね…、追い詰められるピーター君が、気の毒で気の毒で。恐怖のあまりにピーター君が漏らす嗚咽がまた、リアルで巧くて…、ツラいわあ… 

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『来る』もそうだけど、化け物とか、悪魔とか、もはやそんなの関係ないんです。「家族」に蔓延する「不穏」が、怖い。

だけど。

驚いたんだけど。


<少しだけ、結末に触れます。>


本作の結末、…これってギャグじゃないですか? あまりに超常過ぎて、それまで積み重なっていた「恐怖」が、ガラガラ崩れたのでした。

「家族の地獄」がリアルで震えていたものだから、一気に目が覚めた感じがしたものです。でも、安心しましたよ。よかった、こんなファンタジーで! って。ある意味、有り難かったです。「恐怖描写が限界値を超えると笑えるの法則」が、見事に発動していた!

あ、ついでに言うと。

ヘレ3


長女チャーリーの不穏な顔つきもすごくて、なんというホラー顔。彼女に降りかかる災難も、とてつもなく恐ろしかった…

…んだけど。
演じたミリー・シャピロのインタビュー映像を見たら、予想外の大物女優っぷりに笑った。いや、確かに名女優です。

本作で心が苦しくなった方には、下記の映像出しておきますね。あまりに恐ろしい映画なので、そうして心のバランス取らないと、本当にヤバイって。

 

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Posted on 2018/12/31 Mon. 22:53 [edit]

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