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殺人の追憶 犯人がわからない!(本当に) 


 殺人の追憶 [DVD]
 殺人の追憶
 (2003年 韓国映画)95/100点


いろいろと騒がれている日韓ですが、正直、私は韓流に興味はありません。
しかし、韓国映画には、目を見張るべき才能があることは確かです。

この映画は、実際に起きた「華城(ファソン)連続殺人事件」を基にしています。
この猟奇殺人事件は、今だ犯人がつかまっていません(2006年時効)。
ということは、この映画でも 犯人は最後までわからないままです。

そんなネタバレな!? と思われるかもしれませんが、この映画はそれを分かった上でも、十分に面白いパワーがあります。
 
この映画はソン・ガンホ演じる田舎の刑事と、ソウルから派遣されたキム・サンギョン演じるエリート刑事が、いがみ合いながらも、混迷を深める猟奇殺人事件に挑む物語です。

まあ、しかし…田舎刑事の捜査がむちゃくちゃ。知的障がいのある青年を犯人に仕立てあげようとしたり、陰毛の薄いやつが犯人だ! とわけのわからない推理を展開してみせたり…かなりお粗末です。
そこはコメディチックな描き方なので、いい加減な捜査に「怒り」が湧くという印象はなく、しっかり笑える場面になっています。
反対に、エリート刑事の方は堕落した捜査に横やりを入れ、まじめに捜査しようとするので、この二人の刑事は反目し合うというわけです。

コメディタッチとシリアスな場面の調合が巧くて、見ていて全然飽きません。
この人が犯人か!? …違う。 こいつか!? …違う。この堂々巡りに、次第に刑事たちも焦り、困惑していきます。
そうしているうちにも、新たな犠牲者が増えていくのです。
またも年端もない女学生が殺され、二人の刑事は怒りに震えます。
田舎刑事も、後半ではいよいよ本気モードになります。
見ている我々もハラハラヤキモキとしながら、今度こそ、今度こそと観賞に力が入っていくわけです。
 
田舎刑事は、当初は「目を見れば犯人が分かるもんだ」と豪語していました。しかし、終盤では、犯人と疑われた男の首根っこを掴み、目を見つめ、「俺には、もうわからない…」と力なく呟くのです。
人の悪意は、決して目に見えるものではなかったのです。

さて。

ラストカットでは、田舎刑事の目線が私たちに…つまり我々観客に向けられます。
最後の最後、「あいつが犯人だったのでは…!?」という表情をこちらに向けるのは、恐らくこの映画を見ているであろう、今だ捕まっていない犯人に向けられているのではないでしょうか。 

画面を通じて、田舎刑事と実際の犯人が対峙するという仕掛け。

全身鳥肌が立つようなその瞬間。
決して、見逃すことのできない傑作です。




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Posted on 2012/08/31 Fri. 16:27 [edit]

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