素人目線の映画感想ブログ

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ダイハード4.0 結局一番「ダイハード」してたのは… 


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 ダイハード4.0
 (2007年 アメリカ映画)75/100点


「ダイハード ラストデイ」の公開が間近に迫る中、「ダイハードシリーズ」のおさらいを何とか間に合わせることができました。

*ダイハードの感想はこちら。
*ダイハード2の感想はこちら。
*ダイハード3の感想はこちら。
*ダイハード/ラストデイの感想はこちら。


前作「ダイハード3」の感想では、「ダイハードとはかくあるべきでは?」という思いを込め、「ダイハード2」までの定番であったワンシチュエーションの設定とか、奥さんやうざいマスコミなどのお約束キャラとか、クリスマスとか…その全てを放棄しちゃった「3」に文句を言ったりしたものですが、本作「4」を改めて鑑賞して思いました。

そっかー、アクションが度肝ぬいてりゃ、そりゃダイハードなんだなーって。

えー、そりゃあもう、丸くなったおじいちゃんのように思いましたとも。
すまんかったー、いろいろゆーて、すまんかったなーって。

こだわりなんて、もーいいじゃない。
ブルース・ウィリスが出ていて、「ダイハード」のブランド名で潤沢な製作費がかけられて、それによって展開される筋金入りのアクションシーンがてんこもりであれば、それでいいじゃない!

そう思わせるほど、何とも濃密なアクションの連発に、気づいてみれば印象的なシーンはすべてアクションシーンであり、キャラクターとか、物語とか、造作のかっこよさとか、セリフなんかは一切記憶に残らず、ひたすらドゴーン、バゴーン、ドドドドド! といった赤い炎の閃光が、頭の中をリフレインするばかりでした。
「ダイハードらしさだと! ふざけんなー! 文句あっかー!」という力づくの勢いに、わかったよわかったから、となだめすかすような思いだったわけです。そして心に決めたのです。

そう…、もう、何も言うまいと。

あらすじは、「テロリストのハッキングにより、交通網やら年金システムやら衛星通信やら、社会機能の全てが乗っ取られたニュージャージーの街で、おなじみジョン・マクレーンが、同じくハッキングの才を持つファレルの助けを借りながらテロリストを追い詰めていく」というお話。


ちなみに、今回は奥さんのホリーの代わりに、娘のルーシーが登場。
マクレーンばりの気の強さで敵を翻弄します。

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(マクレーンの妻・ホリー。ついに写真のみのご出演)


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(娘のルーシー)

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(ちなみに「1」の頃のルーシー…とはいえ、役者は違います。)


何も言うまいとは言うものの、気になった点をいくつか挙げてみると…。

冒頭は、主人公ジョン・マクレーンと娘ルーシーの関係性を説明するためのシーンとなっているのですが、それが何ともありきたりで残念。
つまるところ、娘の男性交友関係が気になって、マクレーンがルーシーをストーカー並みに尾行しているというもの。
案の定、父親の姓を名乗らないほど父親を嫌っているルーシーは、ブチギレます。マクレーンは、ルーシーのボーイフレンドとともに置き去りにされてしまうのでした。
この瞬間、ある程度本作への接し方が分かります。
うん、まー…。
物語に期待すんなよと。

それから、個人的に嫌だなあって思うことがあるんですが、この頃からアクション映画って、やたらコンピューター関係を物語に組み込んでくるんですよね。
本作でも、「ハッキング」がテーマなんですけど、その「仕組み」が全く分からないものだから、敵が何をやっているのか、味方側もどう攻防しているのかさっぱり意味が分からず、マクレーン同様に置いてけぼりでした。
そもそもコンピューターがよく分からず、時代に置いてけぼりのマクレーンを笑いましょうってのが今回の筋だと思うんですけど、マクレーン並みに理解できないので、その筋にノレないノレない。
おまけに本作のタイトル「4.0」の意味さえ、当時は「なんのこと?」とキョトンとしていました。
コンピューター関係って、アクション映画と食い合わせが悪いと思うなー。
やはり…もうちょっと人間の熱の伝わってくる物語がいいと思うのですが。

ゆえに、今回のボスキャラはIT会社の社長って感じで、印象の薄いこと薄いこと。
ラストの倒し方もシリーズ最高レベルの地味っぷり。それよくあるーという方法で。

とまあ、やはりいろいろと不満点を言いたくなる本作なのですが…

本シリーズの「1」は、アクション映画として初めて「対テロ組織」を大々的に扱った映画でした。
映画史にとって、いわば金字塔であり、先駆者であり、貴重なシリーズだと思います。
しかし、当然本作のヒットにより、次々に同じようなアクション映画が製作され、時には「沈黙の戦艦」のような本シリーズを凌ぐほどの傑作も生まれました。
時代が流れれば、当然「金字塔」も色あせ、いつの間にか他の作品が追い越すこともあるわけです。
本作には、おなじみであるマクレーンの愚痴シーンがあります。その愚痴の中で、「16ブロック」というブルース・ウィリスが主演した他のアクション映画の内容をなぞったり、「アルマゲドン」なんて言葉を入れ込んで便乗したりしているのがなんとも…本シリーズの誇りをかなぐり捨てちゃった感さえあります。

が。

マネできるものならしてみろよという、挑戦的なアクションシーンだけは確かに凄いものを見せたものです。
制作陣は、まさにこの一点にすべてを賭けたのではないでしょうか。
前述したように、このアクションが見れるなら、残念な部分も…まあ目をつぶろうかという気持ちになります。
冒頭の銃撃シーンこそいたってフツーですが、マクレーンが敵の殺害対象であるファレルを連れて逃げまくるカーチェイスから、トンネルでの交通事故シーン、パトカーミサイルによるヘリ撃墜までの流れはなかなかのもの!


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 (見せ方も良し!)


そこからは、まさにクライマックスシーンの連続。
エレベーター宙づり、工場大爆発、あげくに生身での戦闘機との闘いに、高速道路なぎ倒し!
戦闘機との闘いは、どうやって勝ったんだっけ? と忘れていたのですが、完全に偶然の勝利だったのですね。低空飛行のし過ぎで敵が自滅するのは、「3」のボスと一緒です。

その他の印象的な点…。

敵のアジア系美女・マイとの格闘は、フェミニストなんか大嫌いという団塊の主張かと思うくらい容赦なく、髪の毛を引きちぎるほどにぶん回しております。

敵の犯行声明が、歴代大統領の演説部分を細かく刻んで作り上げた手の込んだもの。「もっと『ニクソン』使いたかったな」という敵側のつぶやきがオツです。

終盤で、忍者のように動いてマクレーンを襲う敵の一人。それまでそんな動きを見せてなかったので、あっけにとられた。伏線プリーズ。

恐ろしいほどにコンピューターを使って、ほとんどの都市機能を掌握して見せた敵のボス。その最大の目当てが「金」ってことはないでしょ。「金」なら、そのハッキングでいくらでも手に入るのでは?

パソコンオタクのファレルが減らず口の好青年なのですが、(凄腕だが)本当にただのオタク青年なので、相棒役としてどうなの? という思いはあります。けど、最後の最後にはきっちりと見せ場がありで、発砲シーンが随分とサマになってる気がして良かったです。
ただ、無理を言うなら、その発砲には「1」の黒人警官の時のような伏線がほしかったなー。そんな人間ドラマはもう望めない…かな?

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 (いつもの決め台詞「イピカイエー!」とともに、よくある方法でやっつけます。)


ところで…
DVDの吹き替え版に「野沢那智バージョン」ってのがあります。つい先日それに気付いたので観てみたら…
それはそれは、腰が抜けたよ! 
「ジョォォン、マァクゥレェェーンだぁぁ、コォォンチキショョョー!」って具合で、これこそ我らがジョン・マクレーンだった!
テロリスト側へのおちょくり方が天下一品。愚痴り方だって荒々しさだって惨めっぽい感じだって、もう!
ブルース・ウィリスさえ忘れかけていたかもしれないジョン・マクレーンの魂を、見事に復活させていて感動しました!
結局のところ、一番「ダイハード」らしかったのは、野沢那智じゃないですか!
制作陣が大してシリーズを意識していない中、野沢那智だけが渾身の思いでジョン・マクレーンを演じているわけですよ。これにはもう、ほんとまいったね!
結局、何も言うまいと思っていたけど、見事に思い直しました。
やっぱりシリーズに脈々と通っている血ってものを、しっかりと出してくれないと困りますぜ。
ただのアクション映画でいいわけないじゃん!

というわけで、2月14日公開「ダイハード ラストデイ」を楽しみにしているのでした。
(期待はしないのだけれども)


  

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Posted on 2013/01/31 Thu. 20:20 [edit]

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