素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

リーガルハイ2 7話・8話 


 無題1
 リーガルハイ2  第7話
 (2013年 日本ドラマ)
 80/100点



古美門VS黛 再び!


いよいよ新生『リーガル・ハイ』が始まりました。
これまで、同じ弁護士事務所内で張り合いつつも共闘していた古美角と黛(まゆずみ)が、完全に袂を分かち、本格的に敵対関係として法廷内で闘います。

その軍配やいかに。

今回、やり玉にあげられる裁判は、何と3つ。
1.インコ訴訟
2.全裸訴訟
3.アニメ監督訴訟

いきなり3つの裁判で古美角と黛(&羽生の弁護士事務所ネクサス)は闘うのです。

さあ、果たして。
成長し孵化した黛は、古美角から一つでも勝ち星を取ることができるのか。

結論。
3戦全敗。
素晴らしい!

リーガル・ハイならではの展開で素敵です。
3戦目の直前、安藤貴和から「勝っちゃいなさい」と後押しを受け、空気としては黛の勝利で締める流れでした。
この「おお、もしや」と思わせといてからの敗北たるや!

打ちのめされ、自信喪失に陥った黛先生には申し訳ないですが、リーガル・ハイらしくてニヤニヤしましたよ、はい。
無論、一矢は報いている部分もあり、古美角はあやうい勝利ではありましたので、多少の成長はあったわけです。黛先生本人は気付いていないようでしたが。

こうして力をつけていく黛先生は、おそらく最終回での安藤貴和の最高裁において、古美角の強力なパートナーとして共闘することになるのでしょう。今回は、その訓練というわけでした。

ところで。

実は今回、これまでで最も衝撃的なシーンがありました。
それは、「服部さん」です。
黛が古美門の元を去ったことで欠員が出た古美門弁護士事務所では、冒頭から新人発掘に余念がありません。古美門は、ここぞとばかりにセクハラまがいの新人オーディション面接を、この世のものとは思えない破廉恥さ加減で実施していくのです。

これには、側近・服部さんが「けっ」と苦虫を噛み潰します。
その瞬間、私は凍りつきました。

これまで、常に優しい面持ちで古美門を安心させていた服部さんが、ひそかに「毒づく」という姿は、「古美門ー! はよ気づけ、古美門ー!」と叫びたくなるほどショックだったのです。怖かった。これは、今後の展開に何かしらの影響を与えるのではと思えるほどの衝撃。

さて。

今回の裁判では、1番目と2番目は小ネタでしたけど、3番目の「アニメ監督訴訟」にも戦慄が走りました。
完璧「宮崎駿」でしたね。

被告である宇都宮仁平が宮崎駿だとする根拠は、
・世界的アニメーターである。
・スタジオ小春日和である。
・一切の妥協を許さず、スタッフに厳しい。
・彼の元を去ったアニメーター二人は、今や名監督になっている。(庵野と細田守と思われる)
・後継者を育てられない。


そこまで似させるか!? とこちらがビビるほど宮崎駿でした。
その「宮崎駿」が訴えられていることは、「スタッフへのパワハラ」…って本当にいいの、これ!?
ありえすぎて怖いなー怖いなー。いやだなー。

ただ。

終盤、「宮崎駿」こと伊東四朗演じる宇都宮仁平が「才能論」を熱弁しますが、これがなかなか感動的です。

当初、黛に諭された宇都宮仁平は、素直に原告側に謝罪するかと思われましたが、さらりと「君に才能があると思ったことはない」と断言。

「そもそも才能なんてものはな、自分で掘り出すものだ」「俺より若い奴が何で俺より怠けるんだ。だったら俺にその若さをくれ」「怠けてた奴らがふもとでオレに言う。あいつは天才だからと。…冗談じゃない!」と矢継ぎ早に名言を語りかけます。

これに対し、元スタッフの反応も良かった。
「あんたのアニメは古いんだよ! ゆとりをなめんな!」と一心不乱に筆を動かし、絵を描き始めます。
この反論に宇都宮は、怒るどころか嬉しそうな眼をするのです。それがまた一瞬に表情を変える感じ。伊東四朗の名演技です。
ここ、思い出しただけでも鳥肌立ちます。

そう。

宇都宮は、元スタッフに骨のある若者でいてほしいと思っているのでしょう。
「オレに認められたいとか、そんな甘い考えは持つな。俺に敵対してこい! 向かってこい!」と心の内で思っているのでしょう。

さらに、古美角が言います。「天才だからって、人間性にも優れているわけではない」

ここも、まさに「宮崎駿」そのものの人物像だからドキっとしますけど、まさにその通り。
以前は「宮崎駿」といえば、「天才でいて、環境問題に熱心で、子供にやさしい素敵な映画監督」のイメージがありました。

しかし最近では、あえて「天才とはいえ、人に優しくなく、自己顕示欲に溢れ、偏屈で、軍事兵器大好きで、後継者に対してはほぼ老害」というマイナスイメージを喧伝しています(ドキュメンタリーやプロデューサー・鈴木敏夫の著作などで)。

「天才に人間性を期待する」のが間違っている。

それはまさに、古美門自身のことでもあります。
そして、それが「リーガル・ハイ」の魅力でもあるのです。

ただ。

一つ言うなら、「アニメ裁判」は原告棄却で古美門勝訴で終わりましたけど、労働基準法的には、違反バリバリだったように思いますよ。裏ドラマの『ダンダリン』に、ぜひ調べ上げてほしいところであります。

それから、今期のリーガル・ハイ2では「ゆとり世代」というキーワードがよく出てきます。
羽生は「ゆとりの国の王子様」だし、今回でも「ゆとり世代は頑張らない」という表現があったように思います。

しかし。

「ゆとり批判」は、ちょっと単純で無責任です。
元スタッフの叫びであった「ゆとり教育をしたのは、あんたら大人だろーが!」ってのは、まさにごもっともだと思います。

大人の世代だって、反省せねばならない点は多いはずです。

「ゆとり批判」は、「今時の若者は…」的な「無理解」の産物であり、上の世代が「優越感」を得たいがためのものなので、私はあまり好みません。

私は「ロスジェネ世代」ですけどね。


 無題
 リーガルハイ2  第8話
 (2013年 日本ドラマ)
 70/100点



羽生、ダークサイド堕ち!


今回は、鑑賞前に不安がありました。
『北の国から』のパロディをやるってんで、今期どうにも「笑い」が滑り気味なもんでどうかなあと思って。

…案の定でした。

どうにもパッとしない中途半端なパロディが続きます。
純クンのようなナレーション、純と蛍のジャンパー、ルールルルルル…失笑レベルの寒さでした。画面がまた寒そうなんで余計に寒いよ! 

家族と観てると恥ずかしくて凍りつきそうだよ!

そんな中でも、唯一好きだった「笑い」は…
別府裁判官「みんな笑ったので壁の前に立ってなさい」
ヒゲの弁護士「あの…私は笑ってませんが…」
別府裁判官「心の中で笑っていました」

…って決めつけ! なんたる被害妄想。

ヒゲの弁護士さんは今回は不遇です。

広末涼子の上手でないお芝居のため、批判されがちな別府裁判官ですが、実はちゃっかり「笑い」を提供している面も多いです。
古美門とのボケ・ツッコミ関係も秀逸で、私の中では好キャラに昇格しております。

さて。

今回の裁判は、「世界遺産保護」裁判です。
「世界遺産」への登録を目指して自然保護にまい進する村人と、「文明的な生活」を望む村人との闘いが巻き起こります。
「自然保護派」の弁護の為、古美門を連れて羽生と黛は山奥の村に到達します。
敵側である「文明派」が出てきた途端、古美門が敵側の弁護士だと判明。

この点はリーガル・ハイっぽくていいんですけど、どことなくインパクトが弱い。
「あ、そーだろーなー」って感じ。慣れてきたせいかな。

そんな中、黛先生だけは相変わらず「慣れてない」様子でご立腹。新人・羽生さえ「想定してたよ」と言っているのに。

あの…、「黛、覚醒」の展開って、なかったことになってます…?

そもそも、OPから古美門事務所に訪れている羽生と黛を見て、古美門と決別したんじゃなかったのか…、これじゃ前と変わらんじゃんと思ったものです。
ま、ファンとしては和気あいあいの方が楽しいけど、物語としての「筋」「軸」ってもんはどうなるんだろと心配にもなるのです。
あれ? いい加減になってないかと。

とにもかくにも。
今回の黛が言うことなすことが、全て昔のまんま。なんら成長が見られないのでした…。黛先生、ダメな子かも。

反対に。

思った通り、展開してきましたね。
羽生のダークサイド堕ち。
こちらも予想してました。してましたけど、ちょっと唐突すぎ感は否めません。
いきなし悪魔のような笑みを浮かべ、いきなし強引に証人に証言させ、いきなし拷問まがいに村人を説得するなんて…。
少し予兆はありましたけど、いきなりのフルスロットルに正直戸惑いましたよ。

突然現れた別府裁判官に、古美門が「双子ですか?」と尋ねていましたが、羽生にも尋ねてほしいくらいです。

おまけに言えば。

いくらなんでも羽生がとった行動は突飛です。
「自然保護」=「善」
「自然破壊」=「悪」

という、よくある構図を叩きつぶすのが今回の裁判ネタですが…

話しの流れ的に、羽生の方向性は明らかにおかしいです。世界遺産登録の為に一切の文明を否定したら、村人から反発が出るのは当たり前です。それを、winwinを目指している羽生が、ほぼ強制的な手口で「文明派」を追い詰めていくのです。

そんなキャラじゃなかったでしょう。

今期リーガル・ハイは、すでに脚本家(古沢良太)が吐露しているように、「相当な苦労」をしているそうです。

よーく分かります。今期には、「物語をこねくり回した挙句のひずみ」が随所に見られるのですから。
どうしたって、「羽生の存在意義の難しさ」でしょう。

前回の三木のような「単純悪」ではなく、「winwin」という素敵な理想を掲げ、時にその理想で古美門に一矢報いさえするという設定。これを辻褄合わせていくのは…、しかも娯楽作として描くには至難なのです。

だから言ったのに! 
小難しいことは3期くらいにして、今期も仮面ライダーの怪人のように、毎回変わる敵の弁護士をダークヒーロー・古美門マンがぶっ倒すってことで良かったんです!

ところで。

今回の裁判のオチは、もはやありがちな発想ではあるけれど好きです。
「自然破壊」をあくまで否定する羽生に、古美門は「村人が望むように(文明化)させるべきだ」と主張します。羽生は「それでは愚かだ」と返しますが、「人間はそういうものだ」と断言します。かっこいいじゃん。

そんな「自然破壊肯定物語」を、『北の国から』のパロディでやっちゃうところがいいですね。

私も、古美門と同じく貧弱なもので、「田舎、自然」をあまり好みません。
しかし、「自然を大事に」「自然を大切に」と言われる「自然」とは、あくまで「人間に都合の良い自然」に過ぎません。
本来の自然とは、凶悪な動物が生息し、有害な細菌が蔓延し、思いがけない災害をもたらします。
つまり、「人間」と「自然」はもともと相容れないものなのです。
それは『もののけ姫』のテーマでもありました。

また。
「自然の生活」が素晴らしく、「都会の生活」は不幸という発想も大間違い。

以前、ダウンタウンのまっちゃんが面白いことを言ってました。
「『北の国から』に憧れて自然の中で生活している家族がいて、その中の一人が、『都会で働いている人たちは、あくせくしていて可哀想だ、不幸だなあ』と見下していた。とんでもない勘違いだ。その家族は自然の中で暮らしてはいるが、山小屋を作るための機材も、病気になった時に診てもらう病院も、すべて『都会の人たち』による産物じゃないか。都会の人たちがあくせくしてくれたおかげじゃないか。そのおかげで、『自然の中での生活』が成立しているということに感謝しないといけない」と。

その通りだと思います。

というわけで、以前から「自然、胡散臭い」ということをよく知っていたので、今回のリーガル・ハイには、あまり新鮮さは感じませんでした。

ただ、最後のオチ。自然の叫びが古美門に聞こえた…と思いきや、それがヒゲの弁護士さんの悲鳴だったのは結構お見事でした。

次回、いよいよ安藤貴和の最高裁が始まります。
若干、盛り下がってきたリーガル・ハイですが…

ラスト2話! まだまだ期待してますよ!


リーガルハイ2 1話感想

リーガルハイ2 2話感想

リーガルハイ2 3話・4話感想

リーガルハイ2 5話・6話感想

リーガルハイ2 9話・10話感想

リーガル・ハイ スペシャル 2014感想


  

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Posted on 2013/11/30 Sat. 10:39 [edit]

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