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ルパン三世vs名探偵コナン  心の中で、 コナンがこてんぱんにやられないかなーと思ったことは、内緒で。 


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  ルパン三世vs名探偵コナン
 (2013年 日本映画)79/100点


お祭り映画として見たら、意外に結構イケました。

「お祭り映画」ってのは、映画の質としてみたら演出も絵柄も物語も決して高い水準ではないけれど、にぎやかな感じが何か楽しいよね、という定義です。(例:踊る大捜査線とか)

実はテレビスペシャルでやっていた第1弾の「ルパンVSコナン」も、なかなか楽しく出来ていたんですよね。
・ルパンを始め、各キャラクターとコナンとの最初の出会いが面白く出来ていた。
・毛利小五郎に扮したルパンの推理場面がひねられていた。(声優・神谷明の名演)

なかなか見事な融合ぶりだったと思います。
加えて、最終ボスが途中まで誰か分からない展開も、手が込んでいて良かったし、なにより秀逸だったのがEDクレジットの出し方です。ラストでルパンの名前を尋ねるコナンに、「ルパーンシャンセーイ」といつもの調子で締めくくった直後、「ルパンのテーマ」とともにEDクレジットが流れ出すのはドンピシャのタイミング。「おー、かっこいーじゃーん」と素直に感激しました。

そんなこんなで、実はこっそりと期待していた本作。
子供に見に行きたいとせがまれ、「えー、アニメなんてなあ…」と言いつつも密かにわくわくしていた本作。
なかなかのアクション場面の盛り上げ方に、子供以上に目がキラキラしてしまった本作。
しかし映画が終わった後は、「子供に付き合わされたお父さん」の顔をして、澄まして館内を後にするのでした。

さて。

映画としては、ほんと、かるーいノリなんですけどね。いつものキャラクターたちが、いつものような物語で、いつものようにアクションして、いつものように解決するだけなんですけどね。そこには、作家性だとか斬新さだとか映画としての冒険だとか歴史に名を馳せようとする野心とか。そんなものは全くなくて、本当にただの「商業映画」なんですけどね。
ただ。
コナンは25年、ルパンは40年…この長き熟成の期間で培ったキャラクターの重みや思い入れの深さは並大抵ではありません。結構な総数のキャラクターそれぞれが、きちんと見せ場を披露していくあたり、まるで「紅白歌合戦」の百戦錬磨の歌い手たちの競演のようで実に感慨深かったですよ。
前述したように、危機を脱する場面の盛り上げ方も王道なんだけど鳥肌モノで、総じて、大きな声では言えないけれども、大変好感の持てる良作だったのでした。

ま、キャッチコピーのような「決着」なんか、微塵もつきませんけどね。つくと思って見てる人もいないでしょうけど。

内心では、いつも小生意気なコナンがルパンにコテンパンにされないかなーとか思ってました。だって、年期が違おーじゃないか。たまには大人の世界のシビアさを見せてやってくれと。
残念ながら、ルパンも次元も不二子も、同じ目線・同じレベルとしてコナンと五分五分の勝負を繰り広げるのでした。ただし、そこは大人の「余裕」と「優しさ」で、コナンに合わせてくれたのかもしれません。そんな中、見た目小学生相手に、真剣でスケボーをぶった切る五右衛門が素敵です。

無題


良かった所。     

・今回もオープニング・エンディングテーマは、「ルパンのテーマ」で盛り立てます。イメージの狂うようなイメージソングでなくて良かった。大変良かった。キャラもの映画の一番の抑え所は抑えてます。本当に良かった。

・女性刑事・佐藤美和子が、一瞬だけルパンを捕えるところは格好良かったですね。

・序盤、怪盗キッドに扮したルパンですが、声優・山口勝平のルパン風セリフ回しが、前作の神谷明並みにうまかった。

・無理やり見せ場として作った「ピンチ」ですが、蘭が東京スカイツリーから落下しそうになる場面で、コナンと次元との共闘が素晴らしく、音楽の盛上げもあって良かった。

・「灰原」のクールさと「不二子」の派手さも、うまい具合に絡まってました。ハーレーでの共闘が良かったです。

・ほんと、それぞれのキャラクターがうまいこと見せ場を作っていましたね。

・そんな中、銭型は相変わらずの道化っぷり。たまには活躍させてあげて。

・コナンが被弾するハードさも、カリオストロみたいで良かったです(ただし、ピンピンしてますが…)。

・終盤の航空機内でのルパンとコナンのピンチ。年甲斐もなくハラハラしました。

・いらんキャラですけど、ルパンが国際的な「殺し屋」と知り合いって設定は、原作のハードボイルド感が出て良かったです。オチがいらんギャグで冷めたけど。

悪かった点。     

・まー、コメディパートが子供向けと言いますか…つまらない。最近のルパンの悪い傾向でもあります。笑いのセンスがない癖に、無理にギャグを入れようとするのは末期症状の表れです。ハード過ぎるわけにはいかないのでしょうが、シリアスな銃撃の場面くらい、ずっと「締めた空気」でいてほしかったなあ(五右衛門がはじいた銃弾がルパンに当たろうとして、かえって危なーいってところ)。いつものことだけど、ギャグ部分のクリカンの声の張り方も弱くって。モノマネしにくいのでは?

・一番いらんギャグ場面は、序盤のルパンと警官たちの追いかけゴッコ。絵的にも陳腐でした。

・物語がやや複雑怪奇だったような…その割に、納得いくような展開でもなく。コンサートの喧騒に紛れて悪の組織同士が裏取引って…よく分からない。

・次元がコナンにいいように扱われ過ぎかなあ。蘭救出の場面くらいは次元主導であってほしかった。自分が次元ファンだからゆえでしょうけど。

・少年探偵団はいらないです…。さすがにルパン一味の相手をさせるには無理があります。

その他、ツッコミ点。     

・ルパンのアジトが、リアルに強盗一味が使っているような建物でビックリしました。このファンタジーの中であのアジトだけが生々しく犯罪者のアジトっぽいなんて。

・あのプロデューサーって秋元康ですか?

・佐藤美和子刑事の「ルパン初恋設定」が大して活かされず。

・その佐藤刑事が列車にひかれそうな所を助けるルパンですが、わざわざ別人に変装して助ける余裕って…。早化け何秒?

・すぐにへそを曲げる阿笠博士に、大人としての自覚を促したい。

・その阿笠博士の発明品はルパンも真っ青のクオリティのようです。

・その発明品を少年探偵団に持たせ、ルパンを捕まえさせようとする所もまた、大人としての(以下略)

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今回、対決物が非常に優れた企画なのだということに気づかされました。
いつものような物語とはいえ、最低限の「目新しさ」が生まれるからでしょうか。
やはり、映画では「いつもと違う展開」が観たいわけです。

それにしても、引き続きコナンの方は単独映画が公開間近です。
ルパンの新作映画の噂は聞こえてこないのですが、そんな中、実写版が製作中だとか。
キャラクターが出来上がっている「ルパン」は、どう転んでも最低限面白くなる(客が入る)という状況に胡坐をかかず、だからこそ磨きをかけて大傑作を作ってほしいと望む、今日この頃なのでした。

作り続けられる環境があれば、いずれ「傑作」が生まれるのではと期待しています。


  

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Posted on 2014/01/13 Mon. 23:18 [edit]

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