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ベイビー・ドライバー /洋楽ロックを知らなくたって! 


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 ベイビー・ドライバー
 (2017年 アメリカ映画)  84/100点


前回『ラ・ラ・ランド』に引き続き、またもや音楽映画です。
今度は、洋楽ロックが鳴り響く中、ノリノリなカーチェイスが展開します。カーチェイスどころか、銃撃戦や主人公たちの動き一つ一つが、音楽とシンクロします。

本作の監督エドガー・ライトは、初監督作にして大出世作の『ショーン・オブ・ザ・デッド』でも、同じような場面を作っていたから、元来好きなんでしょうね。


『ショーン・オブ・ザ・デッド』のミュージカル風シーン。(1分19秒あたり)


本作『ベイビー・ドライバー』は、とても面白い映画です。
とはいえ、私、洋楽ロックをほとんど知りません。劇中で流れた曲がひとつも分かりませんでした(『テキーラ』くらい)。それでも面白く観られたのだから、洋楽に詳しい人が観れば、私の数倍楽しめる映画なんだと思います。
そういう人が、とても羨ましい。
ぜひ、日本でも、日本の歌謡曲を使って、本作のような映画を作ってくれませんかね。『紅い花』とかさ、『タイガー&ドラゴン』とかさ、そんな曲がかかるやつ! 
…渋いか。

ベイビードライバー


主人公・ベイビー( アンセル・エルゴート)は、強盗の逃がし屋ドライバーです。常にイヤホンで音楽を聴いています。これは、過去の交通事故の後遺症である耳鳴りを消すためです。
しかし、音楽を聴くことで、ドライビング能力が加速されるかのように、ベイビーは華麗に車を走らせるのでした。

余談ですが。
音楽の力はやはり凄いと思います。仕事で長距離運転をする機会が多いですが、退屈でつらい運転も、音楽を聴きながらだと苦になりません。もちろん、ベイビーのように華麗でハードな運転をするわけではないですよ。なんたって、『悲しくてやりきれない』とか、『ひこうき雲』とかだから。

一般社会では、移動中以外、仕事中に音楽を聴くことはできません。だからベイビーにとって、裏社会の仕事は、(不本意だったけれど)天職だったのではないでしょうか。(しぶしぶとはいえ)中盤以降、「遺体処理」までサラリとこなしているし。

オープニグから、彼の凄腕が披露されます。パトカーを煙に巻いていくのです。ただし、その矢先ですぐ別のパトカーと出くわしたり、結局大量のパトカーに追われたりする流れを見るに、運はかなり悪いんじゃ。
あと、ついでに言うと、サングラスが似合ってない。
タカとユージだったら黙っちゃいないでしょう。

サングラス
青いぜ、ベイビー…って。


さて。

本作の見どころは、音楽に限らず、しっかりと物語も優秀な点です。
ベイビーは、自身も巻き込まれた交通事故で、母親と父親をなくしていました。事故の瞬間が、記憶にこびりついているのです。事故の直前まで、母親と父親が言い争いをしていました。幼少時のベイビーが、後部座席でそれを涙ぐんで見ている描写が、たまらなく切ないのです。

そんな不遇を抱えたベイビーですが、訪れたカフェで、救いの女神・デボラ(リリー・ジェームズ)と出会います。彼女と音楽の趣味も合い、急速に近づいていく二人。
本作は、そうしたボーイ・ミーツ・ガールの要素があります。

ベイビードライバー3


それともう一つ、ボーイ・ミーツ・クリミナルという感じもします。
ベイビーは、とある事情で、悪の組織に加担することになったわけですけど、過激になっていく犯罪性に、彼は不安を感じ始めるのです。強盗の仲間が、殺人上等の危ない奴らだった上、挙句には、警察官までも襲ってしまいます。後戻りできない所まで入り込んでしまったベイビー。次第に物語は、ベイビーとデボラの逃避行の物語になっていくのです。
終盤、ある男から、「ボニー&クライドかよ!」と突っ込まれるのが面白い。

彼らに訪れるピンチには、素直にハラハラしました。
陰鬱とした男に寄り添ってくれる(稀有な)女性を、必死に守ろうとする男の姿は、ちょっと、『ボーン・アイデンティティー』を思い出します。(…の割に、ヤバい奴らをデボラのカフェに連れて行ってしまったり、デボラをオトリに使ったり…、やや雑です。)

そして。
特に、面白いのは、誰がラスボスになるのか分からない展開です。予測させない捻りがあります。個人的に、そういうの好きです。

ベイビードライバー2


カーチェイス版『ラ・ラ・ランド』と喧伝されている通り、すべての動きが音楽とシンクロして表現されます。
ただ、音楽と発砲音が重なる表現は、アクションの緊張感を削るような気もしました。その分、楽しさは増しますけどね。

楽しいと言えば、途中で出てきたベイビーの雇い主(ケビン・スペイシー)の甥っ子が、いい味わいです。彼の行く末が、とても気になるなあ。ケビン・スペイシーは童顔だから、甥っ子が、まさにリトル・ケビン・スペイシーに見えるもの。

ところで、チラと聞いたのですが、「(ネタバレなので以下反転で)ケビン・スペイシーの役名『ドク』は、同じく男女の逃避行の物語『ゲッタウェイ』の主人公と同じです。彼が急にベイビーとデボラの味方になり、『昔を思い出した…』と呟くのは、そういうことだとか」 こういうのって、スゲー面白い!

で。

またまた余談ですけど、本作を観ていて、ビデオゲームの『グランド・セフト・オート』シリーズを思い出しました。ベイビーはもともと車泥棒ですし、本作の強盗の打ち合わせ場面とか、逃がし屋・遺体処理ミッションとか。監督エドガー・ライトは、なかなかのオタクらしいので、影響あるんじゃないかなあ…?

ベイビードライバー4


ということで。

意外な展開や疾走感のあるアクション、青春のロマンスも充実し、とても面白く観ました。
とはいえ、前述のように、一切洋楽ロックが分からないのが悔しいところ。
何度も言いますが、是非、日本映画において、日本の歌謡曲版『ベイビー・ドライバー』を作ってほしい!
『旅愁』とかさ、『夢を信じて』とかさ。それから…

サングラス
『泣かないで』も頼むぜ、ベイビー。(無理です)

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Posted on 2017/08/25 Fri. 18:41 [edit]

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