素人目線の映画感想ブログ

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マネーボール 「データ」 VS 「勘ピューター」 


 マネーボール [DVD]
 マネーボール
 (2011年 アメリカ映画) 85/100点 


第84回アカデミー賞作品賞にノミネートされた一品です。傑作でした。(最優秀賞は、『アーティスト』でした。) 
貧乏球団のGM(ゼネラルマネージャー)であるブラッドピットが主人公です。
GMとは、チーム内の人事権を握るかなりの権力者です。
最近有名な巨人の清武氏のことですね。W氏と裁判やら密告やらで揉めていますが、こちらはさすがのブラットピット。真っ向勝負の喧嘩っ早さは、実にかっこいい。
試合に負けたのにロッカールームでおちゃらけている選手たちにぶち切れたり、古い考えを捨てきれない古株のスカウトマンや監督とやりあったり、反骨精神満載で見ていてとても愉快でした。
ほんと、いい感じで歳を重ねているなあ、という印象です。なんとなく、風格にロバート・レッドフォードさえ想像させます。

物語は、「育てた選手を金持ち球団に取られ、貧乏がゆえに人気選手を獲得できず、来シーズンのための選手獲得をどうしようと悩む主人公に、ある青年が『マネーボール理論』を提案する」というもの。
 

「本当にチームを勝利に導くのは、ホームランバッターではなく、フォアボールでもいいから、とにかく出塁率が高い選手だ。」といった、野球を詳細にデータ化した上で導き出された新しい勝利への法則が、マネーボール理論です。

主人公は、この理論を取り入れてチームを作っていきます。
「出塁率が高い」だけの選手は、勝利を導く割にスター性に乏しいため、安く雇えるというわけです。
球団の年配スタッフ達や監督はそれを完全否定してきますが、ブラピは強行します。
が。
当初は、この理論ではまるで勝てません。『マネーボール』理論は机上の空論に過ぎないのか…と思わせますが、実は反目するチームの監督が、選手をブラピの思惑どおりに使っていなかったりと、いろいろな障害があったのです。
そういった問題を解決させていき、徐々に結果が出始めます。

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(フォアボールで出塁して何が悪い!)


面白い事に、この主人公は試合を見ません。恐怖なのでしょうか。「自分が見たら負ける」という強迫観念を抱えています。(武骨キャラなのに、そのギャップたるや)
しかし、大事な大事なある試合で、主人公はついに球場に舞い戻り観戦します。
その試合のなんと長く感じることか。ブラット・ピットの気苦労に、背中をポンポンと叩いて、「大丈夫だよ」と言ってあげたくなるほどです。

この映画は実話です。だから、より説得力があります。
野球をあまり知らなくても、わくわくして楽しめる傑作です。

「データ」対「勘ピューター」
これ、日本映画だったら、「勘ピューター」の方が主人公側でしょうね。以下のようなストーリーに仕立てそうで…

何でもかんでもデータに頼り、机上の空論でチーム内人事をめちゃくちゃに動かすチームの悪しき権力者GM。
容赦なくバッサバッサと要らない選手を切り落とし、ほしい選手の獲得には、電話一本で、「あいつをやるから」「こいつも付けるぜ」とコマ扱い。
人をなんだと思っているんだ! 怒りに震えるのは、長年チームの人事を支えてきたベテランのスカウトマン。長年に渡り、有望な選手を獲得してきた彼には、どの選手が本当のスターに育つかを見抜く嗅覚が備わっている。
怪しい「データ」にばかり気を取られ、青二才のハーバード野郎と仲良くパソコンばかり眺めているGMを、めっためったのぎったんぎったんに―じゃなくて、その青臭いプライドを見事にへし折ってやるために、ベテランのスカウトマンは立ち上がる。
「年寄りを、なめんじゃない」 彼の武器は、長年の勘だけだ。
しかし、誰にも負けない経験値と団塊精神で、エリートな若造どもをノックアウト!
 

上記の設定、善悪逆なのが「マネーボール」です。
ほんとに選手をコマ扱い。でも、球団の勝利ためなら、それも許されるのが「アメリカ」です。
アメリカ映画は「若い人の新しい考え」を優遇する。
日本映画は「長年の勘(お年寄りの経験)」を優遇する。

という傾向があると聞いたことがあります。
これも文化の違いなのでしょう。

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(でこぼこコンビ。ブラピはいぶし銀になりましたなあ…)


ラスト。
ブラット・ピットに、とんでもない高額のヘッドハンティング話が持ち込まれます。
金持ち球団でGMになれるチャンスが到来するのです。
引き受けるかどうかに悩むブラット・ピットに、一緒にマネーボール理論を実践してきた盟友の青年(太っちょキャラ)が言います。
(ネタバレになるので、反転で)

足が遅いことにコンプレックスを抱えた選手が、ある試合でヒットを打ったあと、とにかく懸命に走って1塁にしがみつくんだけど、周りはみんな笑ってるんです。なぜなら、彼はホームランを打っていたから

成功したんだから、先へ進めという意味だと思います。
そのあと、ブラットピットの男泣きに、またもやつられて涙が出ました。


 

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Posted on 2012/08/28 Tue. 22:29 [edit]

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