素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

マンガについて(h25.1.25) 


「邦画は面白くない」とよく言われます。
それでも、80年代頃に比べると、段々と良くなってきて、映画の興行収入ランキングでは、上位を占めるようになっています。
ただ、話題性での人気であって、映画そのものの出来となると…なかなか素晴らしいものに出会うことは多くはありません。
特にエンターテイメント(娯楽)の作品にほとほと弱い印象ですね。
「娯楽映画」といえば、どうしてもハリウッドのイメージになります。
そして韓国映画の力強さは、羨ましいほどです。
もっと邦画に頑張ってほしいなあと思う今日この頃、ちょっと最近思うこと。

「逆に日本のマンガのレベルの高さって、おそらく世界一なんじゃないだろーか?」ということ。

この絵柄の独自性と内容の濃さと種類の豊富さは、世界でも類がないでしょう?
どうして、日本はテレビドラマなんか徹底して陳腐なのに、マンガだけは異様に高レベルなんだろー?
どうして日本だけに、このマンガ文化は栄えているんだろー?
いや、アメリカンコミックはあるでしょうけど、日本のマンガ文化ほどの広がりはないよ…ね?
そして、今、世界中で駆け巡るジャパニーズ・マンガ文化の人気は驚くほどのものだといいます。
「映画はアメリカ」ですが、「マンガはジャパン」という、一大産業と成長する可能性を秘めているのではないでしょうか。
そして、世界中に親日家を増やすチャンスでもあるのでは…?

以前自民党が、マンガの発展を目指したメディアセンターを作ろうとした際に、「国営漫画喫茶だ!」と批判の矢面になって頓挫しましたが、「マンガ」の発展は、今や日本にとって非常に重要なプロジェクトだと思います。
どうしてもお年寄り世代には、「漫画=低俗」のイメージしかなく、偏見にまみれており、マンガでの世界戦略など想像だにできないことでしょうから、そこが足かせとなっていて残念なことです。

と、いうことで、最近結構マンガを読むようになっていまして、ちょっとブレイクタイムとして、最近の個人的なお薦めマンガを連ねてみようかと。
いや、決して「映画を見る時間がなくて、更新しなきゃいけないし、これで時間を稼いどこー」的な発想ではないですので、あしからず。


・アイ・アム・ア・ヒーロー 花沢健吾

アイアムアヒーロー 10 (ビッグ コミックス)   

初めて読んだ時、一体何のジャンルなのか、全く予備知識なしだったんですけど、第1巻のラストでぶったまげてしまいました。
驚いたよー、まじで。
そして、怖かったよー、思わず本を閉じたくなっちゃったほどに。
簡単に言うと、「ゾンビ」ものです。
アメリカ、イギリス、イタリアと、最近では本当によく見かける「ゾンビ映画」ですが、残念ながら邦画には優れた「ゾンビ」映画は見当たりません。
ところが本作は、日本を舞台に、ゾンビが溢れかえった世界を描き、その極限のパニック状態と、現代日本のリアルな若者社会を絡めた、日本初(?)の「ゾンビもの」の秀作となっております。
かなり緻密な描写で、リアル重視で、絵はすごくうまいですが、正直、ゾンビの描写はグロテスクです。
その辺の耐性がないとキツいでしょうけど、容赦ないサバイバル描写は、ギリギリ感満載で迫力があるし、もし本当にこんな世界になってしまった時の、日本人のリアクションが、震えるほどリアルで、素晴らしいシュミレートになっていると思います。
以前にも書いたように、本作品内では、パソコンの掲示板サイトでの若者の書き込みが延々と流れる場面がありますが、そこにあった内容が、その後に起こった「東日本大震災」での福島第一原発危機の際の「掲示板の書き込み内容」と非常に酷似していたのです。
これには、驚いた。
「勝ち組み、負け組の逆転・平等化」を望んだ「他人事」のような書き込みの数々…でした。
あれを見た瞬間は、まさに「予言」だと思ったものです。

ただ、展開が遅いのがタマに傷。
時々、ゾンビ映画の定番が入るのは、ご愛敬ですけど。

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・進撃の巨人 諫山創

進撃の巨人(9) (講談社コミックス)


圧倒的な絶望感。これに尽きます。
少年マンガなのに、爽快感がない。
ひたすら巨人が強いです。
そして造型が大変気味が悪いです。
序盤の頃なんか、「闘う=死」であり、登場人物が次々に当たり前のように死んでいきます。
「生きよう」「希望を持とう」とする人間をあざ笑うような死の蔓延した雰囲気が、ハード過ぎてたまりません。
最近では、そこそこ巨人と闘えるようになりましたけど、それでもギリギリ。
さらに、引き込まれる「謎」の数々も魅力です。
果たして、巨人とは何者なのか。
巨人から人間の町を守るために作られた「壁」に秘められた真相とは。
どうも人間側の策略が隠されているようなキナ臭さ。

はっきりって人気マンガとは思えない「絵」の汚さですが、全く気にならないほど没入させます。

ただ、主人公が巨人化するという展開には、ちょっと引いたかな。
そういうのは望んでないんだよなあと。

「告白」の中島哲也監督による映画化が決まっているとか。
どう実写映画にするんだ、これ…。

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・闇金ウシジマ君 真鍋昌平

闇金ウシジマくん 26 (ビッグ コミックス)


実はひそかに、文科省の推薦図書にしてほしいと思っているくらいです。
「世の中なめてたら、大変なことになるよ」の見事なお手本マンガ。
現代日本の底辺部分を洗いざらいぶちまけた人間ドラマです。
当初は、ただ過激なだけの闇金マンガでしたけど、最近は人間の心情をたっぷりと描いていて、さながら「人間交差点」な雰囲気になっております。
主人公である闇金会社を経営している「牛嶋社長」が、たまにしか出てこないトリッキーさも魅力ですね。エピソードによって、もちろんメインの時も多いですが、牛嶋社長よりも、エピソードのテーマに沿った新しい登場人物の方に重点的に焦点が当てられています。
その時、牛嶋は、傍観者のような立場です。
その分、ストーリーがじっくりと深く描かれています。

「生保問題」「洗脳問題」など、社会的なテーマも多く、哀しいくらいにダメ路線に陥った人間を掘り下げていきます。
それにしても、よくここまで「人間」を「低俗」に描けるものだと感心します。
好きなのに、読んでいて嫌気がさすもの。
ちょっと気付いたんですけど、絵的に人をダメっぽく描くコツは、「ホウレイ線を描く」ことじゃないかなあ、とひそかに目を付けたんですけど、どうでしょう…?

あと、「コンビニ弁当をガツガツ食べる」のもダメ人間に見せるコツ。
気をつけとかんと!

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・リバーズ・エッジ 岡崎京子

リバーズ・エッジ 愛蔵版

沢尻えりかの主演作「ヘルタースケルター」の原作者・岡崎京子の最高傑作。
中・高生の何とも軽い生と性を、さらりと描き切った本作は、主人公の女の子にかろうじて備わっていたバランス感覚が、幼く身勝手で、残虐な人間関係で彩られたこの物語を救っているなあと思いました。
誰かが蹴っ飛ばして殺した子猫の死骸を見せられて、嗚咽を漏らす主人公と、男娼として生き、原っぱに捨てられた人間の亡骸に、生きる希望を見出そうとするゲイの男子。
二人の関係性が永遠となるのは、男女関係に決して至ることのない二人だから…などと考えてみたり。
いろいろと深く考えさせる物語です。

うーん…子供ってなー、信用ならん生き物だわなー。

岡崎今日子が交通事故に遭い、筆を置いてからかなりの月日が経ちました。
早くまた新作が読みたい、と思わせる稀代のマンガ家です。

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・ヒメアノ~ル 古谷実

ヒメアノ~ル(1) (ヤングマガジンコミックス)

「稲中卓球部」で壮絶な学園ギャクマンガ書いたかと思うと、古谷実は実はもっととんでもない闇を抱えたマンガ家だったんだなーと思わせるシリアスなマンガをいくつも描いていますが、本作もそのひとつ。
不思議な構成の本作は、いつもの非モテ系男子のみじめなギャグパートと、殺人を続ける男のシリアスパートが交互に入り乱れて展開します。
殺人犯の影が今か今かとギャグパートの主人公たちに忍び寄る怖さは秀逸。

さらに驚愕なのは、「殺人」を犯す男の言い分。
究極の「罪を憎んで人を憎まず」の哲学。
読後感はまるで高村薫の犯罪小説のように重たく哀しい。

いつの間にかギャグパートが尻すぼみに終わっているなど批判もありましょうが、傑作だと思います。
ちょっと韓国映画「チェイサー」の雰囲気も出ていたような。

願わくは、コミックの表装が、もうちっと何とかならんかったかなーと。
全く本編の面白味が伝わらない感じで残念。


・島耕作シリーズ 弘兼憲二

社長 島耕作(14) (モーニング KC)

ちょっと空気変わりますけど、「課長 島耕作」から始まり、「部長」「取締役」「常務」「専務」「社長」と出世を続ける長ロングランシリーズです。
サラリーマンの悲哀とか業とかをリアルに描き、「課長」時代は「サラリーマンのバイブル」と呼ばれていました。
とはいえ、主人公の島耕作は英語ぺらぺらのエリートな上、常軌を逸したモテ方で、大抵は女の力で問題を解決したりと、「全然ビジネスの参考にならんやん」と斜めに読んでいましたけど、電化製品業界の話や中国・インドへの日本企業の進出の話など、確かに勉強になる部分も多いし、意外に作中の出来事が後に現実に起きたり、なかなか優秀な予見的ビジネスマンガであることに間違いはありません。
困った上司に悩まされる島耕作を見ていると、「上司ってな、どこの世界もそんなものか」と勇気づけられたり。

ただ、相変わらず、モッテモテだけどね。

基本的に、どの「役職」から読んでも問題なく、面白いと思います。

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・Hunter×Hunter 富樫義博

HUNTER×HUNTER 32 (ジャンプコミックス)

現在、長期休載中のジャンプ系マンガ。
ま、少年誌らしい「闘う少年もの」ですけど、なんたって世界の広さが好ましい。
個人的に、主人公が一番強いわけじゃない、という設定が好きです。
次々に新しい登場人物が現れ、誰が一番強いのかハッキリしない所がいい。
かつて「カムイ外伝」にハマッたのもそこの理由でした。

最近では、「蟲の王」なるフリーザっぽいのが出てきて、最強設定のようだったので、ガッカリしたものですが、驚いたのは、「核爆弾」でその王がやられちゃったこと。
ドラゴンボールではありえないことでしょう。
結局「人間の兵器」が一番強いってそんなあんた。

と、いうわけで、やはり「絶対強者」のいない混沌としたバトルマンガは、緊張感があって楽しい。

さて、連載はいつ再開されることやら…。



というわけで、長々と書いてきました。
まだ他にもハマッたマンガはいくつかありますが、またの機会に。
日本のマンガ文化をぜひ応援していきたいものです。

…けど、マンガ原作の映画はまっぴらごめんだけど。
(ハリウッドでさえ、失敗するんだからさ!DBとか、DBとか…あと、DBとか)


   




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Posted on 2013/01/25 Fri. 23:59 [edit]

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