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オールド・ボーイ 監禁「15年」の恐るべし意味に震えた。 


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 オールド・ボーイ
 (2003年 韓国映画)90/100点


「ストーカー」でハリウッド進出が決まったパク・チャヌク監督の渾身の一作です。
第57回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞(実質2番目の賞)を獲得し、韓国映画の底力を見せつけました。
審査員長だったタランティーノいわく、本当はこの作品をグランプリにしたかったとか。
それだけ、凄まじいエネルギーと繊細な演出が同時に紡がれていて、見どころがあり過ぎなくらいに凄い映画なのです。

本作の最大のポイントは、「15年の監禁」にあります。

主人公の中年、オ・デス(チェ・ミンシク)は、ある日突然何者かに拉致され、それから15年もの間、監禁されて過ごす羽目に陥ります。
15年後、突如解放され、気づくとマンションの屋上に放置されていました。
オ・デスが監禁されている間に妻は殺され、娘も行方知れず。
彼は復讐に立ち上がるというあらすじなのですが、大事なことは、「なぜ監禁されたのか」よりも「なぜ15年後に解放されたのか」が、はるかに物語上重要であるということ。

 無題
 (相当年数をかけた脱獄計画もむなしく、突如解放されるオ・デス)


(今回、ネタバレしません)

そりゃあ、公開当時は鑑賞前に結末の予想に考えを巡らせたものです。
しかし、どの予想をも遥かにしのぐ恐ろしさと、そして、「なるほどー!」と納得できる「15年の理由」に、相当唸ったものでした。
ちょっとこれは予想できない、というか…しにくいです。ここまで残酷で、これまで聞いたことのない展開は、はっきり言って予想できるわけありません。
韓国映画、恐るべし。
といっても、その結末が無茶に感じず、きっちりと話を収めていると思わせるところが、この監督の力量だと思います。

原作は日本の漫画です。
だからか、所々に漫画チックな面が見られます。
例えば、ただの中年だったオ・デスが、15年の監禁中に体を鍛え、脳内の戦闘シミュレーションだけで、現実にも相当な戦闘力を身に付けているところ。
例えば本作の名場面に、オ・デスによる大人数との立ち回りがあります。横スクロールワンカットという、斬新過ぎる撮り方で繰り広げられ、彼は完全勝利をおさめます。
めちゃくちゃ強くなってるのはどういうわけ? ま、面白ければ、いーんだけれど。

それにしても、ただのむさい中年オヤジだったオ・デスが、解放後やたらカッコイイオヤジに変身しているのも、なかなか見ものです。

  無題1
  (横スクロールアクションシーン。かなり長いワンカットに脱帽!)


物語は、ミドという女の子をパートナーに、オ・デスが自分を監禁した男を探し求める展開で進みます。
監禁した男とは、大金持ちの男、イ・ウジン。
いつでも停止することが出来るようにと、リモコン式にした心臓のペースメーカーを持った自殺願望のある男。
物憂いげで、影のある不敵な男です。
彼が、オ・デスをとことんまで追い詰めていきます。

  無題2
  (笑顔の裏にあるものは…)


本作は相当なバイオレンス映画です。描写はかなりキツいところがあります。
特に「歯」のくだりと終盤の「舌」のくだりは、ちょっと耐性のない方には厳しいかも。
しかし、作品全体に情感でどっぷりと浸たした濃い空気を流し、斬新というか、お遊び要素の詰まった映像表現が楽しくて、決してゲテモノ作品には感じさせません。

さて、終盤に入ると、その濃い空気はさらに妖しい香りを絡めてきます。
過去に起きた、とある秘密の情事。
これについて詳しく書くと、結末が予想できる可能性があるので控えます。
オ・デスとイ・ウジンの因縁が明るみになり、恐るべし「監禁」の謎が解き明かされた後、獣の咆哮をともなったオ・デスが、イ・ウジンとの最終対決に挑みます。

オ・デスを演じるチェ・ミンシクと、イ・ウジンを演じるユ・ジテの素晴らしい演技合戦。
特に見ものは、オ・デスがある秘密を守り抜くために、復讐心から一転してイ・ウジンにすがりつく、前人未到の「懇願」
「おれが悪かった! ウジンさん、おれはあんたの飼い犬になるから!」と捨て身過ぎるこのオ・デスの急変には戸惑いました。
笑ってしまえるほどのオ・デスのへりくだった熱演に、いかんいかん、笑ってはいかんシーンだと自分を諭していると、なんとイ・ウジンが笑っとる!

  無題3
  (君と俺は同窓生じゃないかあ! 「オールド・ボーイ」とは同窓生の意味)


復讐を果たしたのは、イ・ウジンでした。

全てを終えたイ・ウジンが、それでも消えぬ地獄のトラウマの情景を目にして、全てを終わらせる決意をする場面は、鳥肌ものの名場面。

あと、あざといかもしれませんけど、クラシックのヴィヴァルディ等が効果的で、個人的に好きです。

えーと…ネタバレしないと何とも書きにくい感想になってしまいますね。
公開から、もう数年が経っていますが、この結末の衝撃は何も知らずに受けとめるべきだと思いますので、我慢して今日はこれまで。
まだ未見の方は是非。
韓国映画、最高峰の映画だと思います。

  無題4
  (この一時の幸福が、地獄へつながっていくとは…)


  

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Posted on 2013/04/07 Sun. 23:19 [edit]

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