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鍵泥棒のメソッド 主役を喰う男・香川照之。 


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 鍵泥棒のメソッド
 (2012年 日本映画)80/100点


「ゴールデンスランバー」や現在放送中の日曜ドラマ「半沢直樹」でも共演している、堺雅人と香川照之によるコメディ映画です。加えて本作は、前作「アフタースクール」の大どんでん返しで高い評価を得た内田けんじ監督作品。

早速あらすじですが、「売れない役者である桜井(堺雅人)は、風呂場で頭を強打し、記憶喪失になった殺し屋・コンドウ(香川照之)と、自分の人生を入れ替えてしまう。さらには、結婚願望の強い女(広末涼子)や、コンドウに殺しを依頼するヤクザ(荒川良々)が絡んできて…」というお話。


普通に面白かったです。
所々でくすくすと笑え、ラストは見事な伏線回収で爽やかに終わり、気持ちが良い映画でした。
決して大どんでん返しがあるわけでもないし、大爆笑できるほどの突き抜けた感じはないものの、丁寧な印象を受けました。お時間がある方にはおすすめできる良作です。
・・・ってヤフーレビューか!

唐突にベタな感想ですみませんでした。本作が、あまりにも折り目正しい雰囲気の映画だったもので、思わず感想も折り目を正しちゃいました。
それだけ「良い映画」ということなんですが、見る人によっては、前作「アフタースクール」に比べてオチが大人しいし、入れ替わりの設定も大爆笑につながるほどの大きな波はなかったので、物足りなさを感じるかもしれません。

私は、鑑賞当初、少しだけ三谷幸喜の「マジック・アワー」がよぎったんです。ヤクザが殺し屋と勘違いして堺雅人に殺しを依頼してきたりするところとか。香川照之が、自分を本物の役者だと思い込んで芝居を始めちゃったりするところとか。お互いの見当違いによるギクシャクが、「マジック・アワー」並みに大爆笑につながるのかなあと思ったりしていたものだから、それが本作に対し、やや落ち着いた印象を強めた原因かもしれません。

若干、音楽も気になりました。「爽やかでっせ!」といった…まー、ほんとに爽やか果汁100%な音楽が、ちょっとくどいかなーと感じたのでした。

さて。

OPのつかみは何気に良かった。
広末涼子演じる雑誌の編集長・水嶋香苗が、突如職場で結婚を宣言し、「お相手は」と聞かれ、「これから探します」と答えるくだり。油断していたものだから、「お!?」と一気に画面に引き込まれた瞬間でした。水嶋香苗はスーパー真面目人間です。お金持ちのお嬢様だから、世間知らずっぽい感じもあります。本人はいたって普通に、「これから探します」とのたまうのでした。それに対し、部下も馬鹿にすることなく、「みんなで協力しましょう!」と一致団結しているところが、この映画全体に流れている「爽やかさ」を象徴していたと思います。

そして、やはりと言いますか、堺雅人と香川照之のゴールデンコンビがすばらしい。

特に殺し屋・ゴンドウを演じる香川照之ってすごいなーの一言です。ほぼ「主役」といっても言いくらいです。殺し屋としての登場場面では鬼の表情を見せ、記憶喪失後には、なんともふがいない青年を演じます。ただ、二つのキャラクターに共通している「何事にもきちんとしている性格」は、どちらの時にも表現していて驚かされます。
売れない役者・桜井を演じる堺雅人も、演技の幅の広さが特徴的です。本作では「だらしないダメ人間」を演じています。前作「アフタースクール」では、表情に謎を匂わせたクールな美青年でしたから、この演じ分けは凄い。「半沢直樹」と同一人物とはねー! また、本作の桜井は「下手な役者」という設定ですが、わざとらしく見えない「へたさ」を見事に演じていてうまい! すごいねー! 演じている本人もきっと楽しいだろーなー。しかも奥さん菅野美穂だぜ、ちきしょー(関係ない)。


(↓二人の見事な演じ分け)
無題 無題1

無題2 無題4


二人の最も楽しい共演シーンは、殺し屋コンドウによる桜井への「演技指導」の場面。ワンカットの長回しで展開します。ここは楽しい!

さて、脚本も本当に練りこんでいます。前述のように大どんでん返しはないものの、丁寧な着地に向かって着々と進んでいきます。
元来「きちんとしている」ゴンドウが、「だらしない人間」である桜井と入れ替わったものだから、所々でつじつまの合わない点が出てきて笑えます。字の汚さとか、部屋の乱雑っぷりとかね…。
コンドウが記憶を取り戻すきっかけもうまかったし、窮地を脱するために桜井が仕掛けた一世一代の大芝居にわくわくしました。しかも(反転で)「あっさりバレてるし! こ、これは恥ずかしい!

そして、そして。

なにより、ラストの「キュンキュン!」がすごい。詳しくはネタバレになるので書きませんけど、見事に美しい締めでした。まーでも、ラストのラストに起こる桜井への「キュンキュン」は余計だったけどね! 人生そんなに甘くないよ! …あ、でも堺雅人ならありえるか! 奥さん、菅野美穂だしね!(関係ない)

一点だけ。(反転で)「殺し屋・ゴンドウが、実は殺し屋ではなくただの便利屋だったというバラしは、意外で驚いたものの、なぜかその後映画への高揚感が失速した気がします。殺し屋・ゴンドウが味方に回った! ということが頼もしくて楽しかったので。なんだ、ただのオッサンなのかと知った時点で、ちょっと気持ちが冷めたのでした。もう少し、バラしは遅くてもよかったんじゃないかと思ったものです。

   無題3


現在放映中の日曜ドラマ「半沢直樹」も楽しみに観ています。今後、堺雅人と香川照之がどのように絡んでくるのか、どのような芝居合戦を見せてくれるのかワクワクします。香川照之は、またしても主人公・堺雅人を喰っちゃう名芝居を見せるんじゃないかなー。大丈夫かなー。堺雅人を喰うのは、菅野美穂だけにしてほしいものですな!(全く関係ない)


 

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Posted on 2013/07/14 Sun. 02:18 [edit]

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コメント

間違い 

木嶋香苗は殺人犯ですよ。水嶋香苗の間違いでは?

URL | 猫好き #- | 2014/02/09 17:15 | edit

猫好き  様 

ご指摘ありがとうございました。
訂正しました。
すみません。助かります。

URL | タイチ #- | 2014/02/09 20:49 | edit

 

いえいえ、この前テレビで「鍵泥棒~」を見ました。とてもおもしろかったのですが結構カットされてるみたいなのでまたDVD借りて見てみたいです。

URL | 猫好き #- | 2014/02/11 09:06 | edit

猫好き様 

コメントありがとうございます。

テンポがゆったりし過ぎているような気もしますが、
痛快でしたね。

役者陣が半沢やリーガルハイの組合せなので、その点も楽しめるという。

前作「アフタースクール」もよかったですよ。

URL | タイチ #- | 2014/02/11 18:12 | edit

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