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※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

世界にひとつのプレイブック /キャラクターが濃いぃぃ。 


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 世界にひとつのプレイブック 
 (2012年 アメリカ映画)
 75/100点



<結末以外、少しネタバレしています。>


精神疾患を抱えた主人公とヒロインのラブコメ…。ちょっと日本では考えにくい話。

仮にこういった設定の日本映画があっても、ひたすら「優しい視点」で描かれそうです。
しかし、本作はれっきとしたコメディーなので、その病気の症状を「笑い」に結びつけているので、大いにカルチャーギャップを感じました。

果たして、これを「不謹慎」と感じるか否かは、人それぞれだと思います。

特にこだわりを持たずに見れば、爽やかでスカッとするラブコメの佳作だと思います。
本作は、2012年の「アメリカ・アカデミー作品賞」にノミネート。

「心に傷を負った」という柔らかな表現のあらすじがよく見受けられますが、主人公が患っているのは、完全に躁うつ病です。
実際、主人公が精神科の病棟から退院してくるところから物語は始まります。

主人公・パットは心をコントロールすることが出来ず、すぐに感情をぶちまけてしまいます。
そのために、周りの人への迷惑を顧みずに暴れだしたり、ヘミングウェイの『武器よさらば』のラストが気に入らないという理由で、深夜に両親を起こして文句を垂れたり、言ってはいけない事も平然と口に出してしまったり…

要するにパットは、「人の気持ちを考える事ができない」という症状を持っています。

明らかに引導を渡されている元・嫁に関して、「まだ愛し合っているはずだ」と勝手に思い込むという、笑えない側面も抱えています。

一方、ヒロインのティファニーも心を患っています。
ここでの設定が突拍子もない気がするのだけれど、一言でいえば「セックス依存症」。
男女限らず、職場の全員と関係を持ったことから解雇された、という破天荒さです。

どうしたってアメリカの家族モノって、それはそれは濃いぃぃ性格設定をしてくるものです。
ただ、演じたジェニファー・ローレンスはアカデミー主演女優賞獲得も納得の素晴らしさ。複雑な(厄介な)、ひねくれきった女性を見事に演じています。

終盤、パットの家に殴り込み、自分を蔑むパットの親父に啖呵をきってみせるカッコ良さは、まさに半沢直樹ばりの絶品さ。
倍返しだ! (言ってみたかっただけ)

無題1

さて、二人に精神疾患が生じたのは、それぞれにきっかけがあります。
パットは「奥さんの浮気」
ティファニーは「旦那の事故死」

二人とも、「パートナーの喪失」が発端でした。

二人とも純粋かつ、か弱い性格です。
お互いの似通った境遇に同調したのか、引き付けられる二人。

しかし、パットは逃げ出した嫁とヨリを戻すことにこだわり続けます。
ティファニーの気持ちも知らずに、「オレの嫁はお前なんかとは違う」などと言い出す始末。

嫁とティファニーが知り合いだと知るや、「手紙を渡してくんない?」と乙女心を踏みにじる始末。

猛然と怒りだすティファニーですが…、まー、現実ならそれで「おしまい」なんですけど、その後、なぜか二人はダンス大会に出る事になります。

それで、ダンスの猛練習の中、次第に心が通っていくという…、ストーリーラインはやや安易さを感じさせるものの、どっしり構えたデニーロ含む豪華な脇役が、物語に一味も二味も絶妙なスパイスを効かせています。
パットの友人が『ラッシュアワー』のクリス・タッカーってのもなかなかオツです。

無題4


賭け事が大好きなパットの父親(ロバート・デニーロ)は、一世一代の大博打として、「ダンス大会でパットとティファニーが平均5点を取る」と賭けます。低っ! 
賭けの相手がなぜそんな低い得点で納得したのか…ってのも謎ですが、まーいいや。

ティファニーのパットへの想いに気づいたデニーロが、パットの背中を押す場面がカッコイイ。さすがのいぶし銀です。鳥肌立ちました。

無題3

所々突っ込みどころもあるんですが、軽快なテンポの演出なもので、「ま、いっか」となるところが、良い意味での力押しです。
ラストはとても爽やかに締めくくり、感動的でした。

が。

個人的には、家族モノならば是枝裕和監督の『歩いても歩いても』とか、黒沢清監督の『トウキョウソナタ』とか、どちらかというとリアル路線の方が好みなもので、ちょっとキャラクター設定を無理やりなくらい濃くしてるアメリカの家族モノは、ここのところ食傷気味かなと思っています。お国柄ですかね。

ということで。

感想は淡白ですが、これくらいで。


  

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Posted on 2013/09/15 Sun. 23:40 [edit]

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