素人目線の映画感想ブログ

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コズモポリス 金持ちは苦悩する。 


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 コズモポリス
 (2012年 アメリカ映画)70/100点


難解です。
付いていくのが大変でした。で、やっぱり途中で3回くらい振り落とされましたよ。
シチュエーションはすごく好きなんですけどね。

1.舞台はほぼリムジン車内。
ワンシチュエーションの物語がすごく好きで。
2.1日の物語。
こじんまりとした設定の物語がすごく好きで。
3.未来っぽさのない近未来。
ほぼ現代の風景に近いSFってすごく好きで。(リムジン車内がやや未来チックですが。)
4.成功者の堕落。
金持ちが葛藤し、堕ちていく話がすごく好きで。(ディカプリオっぽい役柄ですな)
5.ジュリエット・ビノシュ嬢
好きで。

という、我が嗜好にぴったりの映画のはずだったんですけど…ところがどっこい、やたらとセリフが難解で。
全体的にSF寓話のような感じで、なにかしらの皮肉・教訓が散らばっているように感じるのですが、意味があるようなないような…謎を明らかにするようなしないような…最後まではっきりさせないセリフや展開に、頭がくらくらして何度も鑑賞を断念。
3回目にして、ようやく最後まで観終わったという情けない鑑賞となったのです。

映像はとても美しいし、リムジンの設備は興味深いし、じわりと不穏な空気が流れだす感じも、ミステリアスなヒロインにも惹かれるのですけど…。

あらすじは、「近い未来のお話。ニューヨークの投資家であり、富豪のエリック・パッカー(ロバート・パティンソン)は、リムジンに乗って『床屋』へ行こうと目論んでいる。しかし、激しい渋滞やデモ行進などに阻まれて遅々として目的地にたどり着けない。さらに彼には、心を開かない妻、投資の失敗の危機、自分を狙う暗殺者の存在と、多数の問題を抱えていた…」というお話。


前述した通り、本作の最大の特徴は、やたらと難しく意味不明なセリフです。
そうしたセリフの意味や物語自体の意味を深く考え込んでしまうと、大変な労力を要します。
「裸のランチ」あたりのデヴィッド・クローネンバーグ監督の作品を好んでいる人以外には、正直お薦めできません。近作の傑作である「ヒストリー・オブ・バイオレンス」や「イースタン・プロミス」とは全く異なる空気感の映画です。

いや、ほんと、シチュエーションや映像・演出表現はかっこいいのです。
だからこそ、期待していただけにグッタリ感は増しました。
前半部分は、ほぼリムジン内での会話です。
主人公の仕事(投資)のサポーターが、代わるがわるリムジンに乗り込み、主人公と深刻に話し込みます。どうやら、人民元の大暴落で、主人公はスッカラカンになる危機に直面しているようです。

おまけに「心を開かない妻」が彼をさらに追い詰めています。妻の姿を幾度も街中で見つけては、声をかけてセックスを要求する主人公。ミステリアスな妻は、やんわりとスルー。機械的で、心情をまるで見せない妻は、ただ一言「あんた別の人と寝てたでしょ」とグサリと追及します。ただ…「嫉妬してる」という雰囲気もなく…主人公を悩ませます…っていうか、確かにやたらと浮気してる主人公ですがね。

妻「私は逃げているの」
主人公「何から?」
妻「喧騒から」

村上春樹の小説のような幻惑的な会話。
日常に非日常的な会話を連ね、まるで夢の中のような、ゆらいだ感覚は好きです。

しかし。

ようやくたどり着いた床屋でも、終盤での廃墟で主人公の命を狙う男との対決場面でも、「もういいよ…」と思えるほどの意味不明な会話が続くばかりの流れは、やはり苦痛に思えたのでした。

恐らく、極めて小説的な物語なのだと思います。
暗号のように難解に並ぶ言葉を、じっくりと噛みしめるための物語。
そう考えると、映像がかえって邪魔をしているようにさえ思えます。

これ…映画として果たして成立しているのだろうか…。
そんな風にも思ってしまった鑑賞でした。

久しぶりの感想でしたが、ちょっと不本意でした。
体調・時間が万全な時に見ていたら、印象は違っていたのかもしれませんが…。

ちょっとこれは、人を選ぶ作品です。

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Posted on 2013/11/06 Wed. 00:12 [edit]

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06

コメント

私も観ましたー 

こんにちはー。お久しぶりです。
ようやく鑑賞しましたので、お邪魔いたしました。

難解でしたねー。
新しい作品だし、あの主役だから難しくも気持ち悪くもないんだろうと勝手に思い込んでました。
『クラッシュ』で準備運動をしたつもりだったんですが、あまり役に立たなかったみたいですi-179
仰る通り、小説的な物語ですね。会話量がかなりあるのに、何がどう繋がって、何を表しているのか一度観ただけでは理解できません。何度も文字で読む必要があるのかもしれません。

URL | momorex #- | 2013/11/10 16:13 | edit

momoさんへ 

お久しぶりです!
コメントもらえてうれしいです。

最近、更新さぼり気味なもので…

難解と聞いてましたが、
心地の良い難解さと、そうでないのがありますが、
残念ながら、本作は後者でした。

難解な表現のほとんどが「会話」だったからだと思います。
もう少し「空気感」に不思議さがあったらなあ、とか思います。

2回目見ると、また違うのかもしれないので、
また機会があったら鑑賞し直すつもりです。
…たぶん。

またお邪魔いたしますね。
ありがとうございました。

URL | タイチ #- | 2013/11/10 19:39 | edit

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『コズモポリス』(2012) - Cosmopolis -

ぅわー・・・何を言おうとしているの・・・と思わずつぶやいてしまうストーリー。会話が多くてまるでデヴィッド・リンチ作品みたいと思いながら必死に話を追いかけるが、難しい。でも最後、ラストの主役エリックの表情から全て読み解けた「気が」した。睡魔と戦ってぜひ最後まで観て欲しい。 ■コズモポリス - Cosmopolis -■  2012年/フランス・カナダ/110分  監督 :デヴ...

momoな毎日 | 2013/11/10 16:14

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