素人目線の映画感想ブログ

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※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。

リーガルハイ2 9話・10話 


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 リーガルハイ2  第9話・10話(最終話)
 (2013年 日本ドラマ)90/100点


「いいか、君の本性を教えてやるから、よおく聞け! 君は独善的で、人を見下し、いい男ぶった、薄ら笑いが気持ち悪くて、スーツのセンスがおかしくて、漢字もろくに書けなくて、英語もサッカーもそれほどうまくない、でたらめな諺を作る、甘くてぬるくてちょろい、裏工作をしてみたら、たまたまうまくいっただけの、ゆとりの国のポンコツヘタレ天パー短足クソ王子だ! ばあーーかあああああああ!」



圧巻でしたね。


悪口だらけのセリフにここまで感動するのは、古美門研介だからこそ。
というか、堺雅人の驚異的な芝居に、ただただ唖然とするのでありました。

ぶっちゃけ、お話の筋自体は上手にまとめられたかのように見え、基本的には「破たん」しております。
賛否あるのは当然だし、この「破たん」を飲み込めなければ、本作はとんでもない駄作とも言えるのです。
なにしろ。
「何が真実かわからない」というスタンスは、リーガルハイならではの特徴とはいえ、本作では、実際にこれまでに何人をも殺したとされる安藤貴和を、古美門と黛(まゆずみ)のでっち上げによる偽の証言のみで「無罪」に仕立て上げてしまい、基本軸は良識的と言わざるを得ない敵「羽生」への単なる人格否定によって爽快感を成立させてしまうという、非常にペテン的といってもいいくらいの離れ業をやってのけているのですから。

しかし、「堺雅人」に限らず、この最後にして、役者陣の全てが持てる力の全てを出し切ったかのような名芝居。新垣結衣、岡田将生、小雪、 黒木華…。ラストの法廷でのやり取りは、見ごたえだらけの素晴らしさ。このおかげで、物語の「破たん」は完全に吹き飛ばされたといっても過言ではありません。

この「破たん」なんか、気にしないでおこうじゃないか。
まさに、「この醜さを愛そうじゃないか」と。

おまけに、これまでのモヤモヤとした部分が解消されたことも特筆ものです。
以前に羽生が再生させた「隣人トラブル」と「著作権トラブル」
以前の感想にも書きましたが、そんな再生がありえるわけがないと思ったものですが、今回古美門によって、その「再生の危うさ」が問い質されます。今期全般に漂っていたモヤモヤが、まさか最終回で覆すための壮大な伏線であったとは恐れ入るといいますか…ちょっと遅すぎです。途中で呆れて視聴をやめてしまった人だっていたのかもしれないのに。
しかし、最後までお付き合いさせて頂いた者にとっては、最終回で「もやもや」を吹き飛ばしてもらうことができ、もはや感無量。そして、脱帽なのでありました。

羽入の扱いに手こずったと、脚本家並びに堺雅人も公式に認めていました。扱いに困ったのは視聴者だって同じでした。度々ここで感想を書いてきましたが、「勝ち」にこだわる古美門を脅かす存在として投入された、「みんなで勝ちを分け合う」ことを理想とする羽生。この美しき存在を活かすための随分と無理やりだった展開は、「古美門がはちゃめちゃな裁判をやってくれさえすればいいんだよ」と思ってるリーガルハイファンの快感原則をも反故にするという大冒険ぶりだったのです。そして予想通り、それは「成功」とは言えない形であったように思います。しかし、最終話での壮絶な羽入との闘いは、そういった羽生批判をあざ笑うほどの熱量があり、自分は浅はかだったのかもしれないと恥じ入ったほどでした。

それにしても、三木が久しぶりに出てきて、ああリーガルハイっぽいなあとは思ったものの…なぜか途中から、三木が完全に浮いているように感じました。異質感さえ感じたのです。…知らぬ間に、新たなリーガルハイの空気を受け入れ、染み付いてしまっていたのかもしれません。
仄めかされている第3期…やはり三木が復活し、仮面ライダーの怪人のごとく、毎回敵側の弁護士が変わる従来のリーガルハイに戻るのでしょうか。
期待と方向性が違っていた2期の鑑賞中、ずっとそれを望んでいたはずなのに、今こうして2期が終わると、2期の空気を恋しく思うのが不思議です。

ただ、ラストに聞いた久しぶりの「少しはマシになるだろう!」の締めは、鳥肌ものでしたがね。

その他。
・9話で、黛が本当に怪我をしたくだりはビックリした。ここは、1期で古美門と暗躍した医者が、今度は黛に加担して古美門を騙すって感じかと思ってたのに。怪力設定の黛が暴漢を返り討ちにしてた…って方が爽やかだけどなー。
・同じく9話で、古美門が1期の9話の時を彷彿とさせるように長台詞を捲し立てる名場面なんですけど…締めの「冗談じゃない!」を聞いたとき、「あれ? こないだの伊東四朗と被ってるじゃん!?」と思った。何で一緒にしたかなあ。こういうところからして…今期は脚本に苦しんだんだなーと思います。
・吉永慶子…完全な偽名で死刑囚と面会できるものなの…?
・羽生に「いったんそこから降りろ」と諭す古美門先生ですが、あんたが最も上から目線なんです。
・ヒッピーさんは最初からあの雰囲気ならよかったですね。
・ヒゲさんは、最後まで存在感なかったですね。
・あの羽生(岡田将生)の大オチは…すごいことやったね! 1期のサオリハムスタのように、今回は「オカダマサキ」を略すと分かるって…ほんとにそうなの!?
・黛をダークサイドに引きずり込もうとする古美門のじっとりな視線…。照明もあいまって、「悪魔・古美門」の一端を見ました。
・羽生への罵倒の中に、さらりと「でたらめな諺を作る」とありました。ホントだと信じてた人もいると思うよ、うん。それにしても1話から9話までの羽生全てに、壮絶なこのツッコミ。全ては羽生のボケだったんだなーと、つくづく。


それにしても、半沢直樹にリーガルハイ2と、こんなにもドラマにくぎ付けになった年は初めてです。
そのせいで映画鑑賞の時間を取られ、本ブログもドラマ感想ブログになる始末。

さて。

そろそろ、またいつもの映画の感想に戻ろうと思っております。
来年度、面白いドラマがないことを望みます。

ン…?
もしかして、「半沢直樹2」来るか…?


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リーガルハイ2 1話感想

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リーガルハイ2 3話・4話感想

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Posted on 2013/12/22 Sun. 16:52 [edit]

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コメント

 

私も最終話を見終わって 
「うむうむ」でした。
9話での桃太郎侍のくだりは笑えましたが
特に民意のところが脚本家が伝えたい、
しかしそのままいうと「は?」と莫迦にされるので
台詞として言う、よくあるやり方ですがこここそ
言いたいところなのだと勝手に感じました。

話題は逸れますが、数年前民主党が
自民党に代わって政権交代した際、いわゆるヘイトスピーカー(笑)
のにちゃんねらーが「日本の夜明け」だとか、「民主最高!」だとか
言ってましたが今となっては「民主党はスパイだ」とか「中国と仲がいい民主党はクソだ」などという始末。
人の意見に左右され、大してそう思ってないのにそう言ってしまう。
自我がない人が非常に多いと思います。

9話から一転、最終話ではそれを匂わせるように
「死刑死刑ってヒートアップしすぎだと思ってた」
「無期懲役が妥当」などと少し前までは死刑しかないと言っていた人がこれです(笑)
特に日本人は右へ倣え精神で育てられてきたためか
恐ろしい「民意」を抱えているようで・・・

それをズバッと突いてくれたのも爽快でした。

そういえば昔(名前は忘れましたが)ドラマのオープニングの曲の歌詞に犯人が隠されているとか言うドラマが有りまして、(中山美穂のだった気がしますが。)
今回のリーガル・ハイも(もちろん前回も)
オープニングのコミ、黛、羽生のところで結果がわかっていた気がします。
六法全書が降ってきたのを羽生は腰を抜かすがそれをコミが受け止めるという点で(笑)
まあリーガル・ハイだからこそ(というか日本のドラマだからこそ)
コミが勝つのは当たり前なのでコジツケといえばコジツケなんですが
オープニングもなかなか凝ってました◎

バイ説浮上の羽生やら噛み芸の人、また本性(?)を表した人・・・
バイなのか、それとも醜さを愛せに惚れたのか・・・
おっさんはいつまでもつまらなかったですが・・・
あの女もいらなかったきがしますが・・・

なんにせよ前期とガラッと変えるためには必要なんだと、必要だったんだと勝手に解決しておきます(笑)

最終話で笑えたのは羽生が「先生!...いや、研介!」コミ「よぉ~しはるき!らぶあんどぴ・・!」のシーン。
あれほど安い寸劇で笑えるとはw

このドラマが終わった記念といってはなんですが
いわゆる日本の王道パターンであるハッピーエンドではない
洋画を教えては頂けないでしょうか。
飽きた、とまでは言い過ぎですがさ・す・がにハッピーエンドは
脳に刺激がありません(笑)

自分が知っている洋画ではSAWなんかは
全然ハッピーエンドにならずバッドエンドになっちゃっていい刺激になりましたが(個人的にはSAWは1しかおもしろくないと思ってます)

URL | しろの #rnU6iefI | 2013/12/23 00:09 | edit

しろの様 

コメントありがとうございます。

民意の流れは皮肉めいていて、良かったです。
一方に空気が流れている時、
テレビでインタビューされる町の人々の声も、
結局一方にしか吹きません。吹かしづらいのです。
「おかしいな?」と思っていても、いざマイクを向けられると、
つい「多数派」とされている意見を無難に口にしてしまう…。
それは、他方の意見を流さないマスコミの問題でもありますね。

マスコミでもあるテレビの放映するドラマで、
そういうことを主張できる、というのが面白いものです。


さて。
バッドエンドの映画といいますと…
ヨーロッパ映画は大抵、バッドエンドな気もしますが、
一番に頭に思い浮かぶのは、「母なる証明」でしょうか。
ポン・ジュノ監督の韓国映画です。
映画としては、非常に優れています。
予定調和の展開は一切ありません。

でも、もうご覧になっていますかね?

URL | タイチ #- | 2013/12/24 14:40 | edit

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