素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

死霊館 /アクマイト光線に打ち勝て! 


 死霊1
 死霊館
 (2013年 アメリカ映画)
 85/100点



これは面白かった。
手に汗握りました。

そこまでホラーが好きなわけではないですけど、何気に評判が良いので鑑賞。
見始めたのが深夜だったもので、「さわり」だけでも…と思って再生したのですが、気づいたら2時過ぎまで観てました。それだけ、食い入ったということ。

あらすじは、「呪われた家を購入した5人家族は、恐ろしい怪奇現象に悩まされ、有名な霊能研究家の夫婦に除霊を依頼する…」という、大変よくある話。

そう、まったくもってよくある「悪魔祓い」映画です。
シンプルイズベスト。
潔いくらいに、何の変哲もない「悪魔祓い」映画です。

が!

これが、大変見応えがありまして。

序盤こそ、展開が緩やかだなあ…、怪奇現象地味だなあ…、なんか先が読めるなあ…、という不安に駆られますが、中盤から急速に加速する怪奇現象の粗っぽさの後、ゴーストバスターズのような霊能研究家一同が関わり始めてからは、ハラハラワクワクドキドキの展開。

何より、被害に見舞われる5人家族が素敵です。心霊研究家のロレインも言っていたように、つつましい幸せを守っている家族なので、「なんとか助けてやってくれー」と祈る思いに至ったのでありました。

つまり、抜群の感情移入だったのであります。

そこは、やはりジェームズ・ワン監督(『saw』シリーズ)の手腕だと思います。
観客に、現場にいるような錯覚をさせるカメラワーク(登場人物の背中を追う映像等)や、時折ドキュメント風の映像が臨場感を掻き立て、登場人物の心に寄り添わせます。

とにかく、誰も死なないでくれー! と願いながらの鑑賞でしたよ。まんまとハマッたものです。

 死霊
 (この家族を恐怖に陥れる悪魔ってのは、ほんとに悪魔のようなヤツだな!)


恐怖描写も秀逸です。ちらりと画面の端に映る人影だとか、洋服ダンスからチラッとのぞく腕だとか、呪われた人形だとか、暗い地下室に1人ポツンだとか、子供にだけ見えている男の子だとか…、ゾゾゾとさせる演出が見られます。

ただ。
『リング』『呪怨』といったジャパニーズホラーの恐怖描写に比べると、「禍々しさ」には多少の不足感が否めません。
これは、文化的な違いなので仕方ないのかも。
大量の鳥が家の周りを飛ぶ、だとか。戸棚が倒れてくる、だとか。そういった現象には、微塵も恐怖を感じません。

本来日本人にとって、「悪魔設定」ってあまり恐怖を感じないものだと思います。
だって、「悪魔」って言ったらどうしても、「悪魔君」とか「アックマン(ドラゴンボール)」とか、「デビルマン」といった、虫歯菌的なシルエットを思い起こしてしまうので、どちらかというとファニーなイメージなんですよね(?)

ええと…つまり、「妖怪」や「怪物」といったカテゴリーであるため、「背筋が凍るような恐怖心」に駆られないのです。
やはりジャパニーズホラーの秀逸さは、「幽霊」が「人の怨念」に基づいている存在だからだと思います。人間が一番恐れているものは、「人が人を呪う思念」とか…、結局「人」だということ。そこに、ゾ~とするものを感じるのです。

ただし、この論はもちろん、「国民性の違い」「文化の違い」「これまでの経験の違い」でもあるので、アメリカ人…というかキリスト教圏内の人にとっては、「悪魔」も「幽霊」並に怖い存在なのでしょうけれど。

アックマン
(日本人の悪魔のイメージ。「ぐへへへへー。お前の魂を頂くぞー」みたいな感じ。)


本作の面白い所は、霊能研究家の夫婦にも焦点を当てているところです。
透視能力に優れた妻・ロレインと悪魔祓いの見習いである夫のエドには、娘が一人います。次第に「悪魔」の魔の手は、邪魔者である夫婦や、その娘にも向けられてしまうのです。ここも大変ハラハラしました。
それと。
ロレインの透視能力は鋭すぎて、透視するたびに命を削っているとのこと。夫は心配し、今回の件から降りるよう勧めますが、「この家族を救いたい」と闘いを決意するあたりが…、ひょっとして…なんか嫌なフラグに思え、それもまたハラハラしました。

そして終盤では、熾烈な「悪魔祓い」が行われます。
「悪魔」対「人間」
悪魔は人間の心につけいり入ってきます。少しでも「邪悪」な心を持った人間であれば、たちまち「悪魔」に飲み込まれてしまうというのです。
この闘い。最後はまるでアックマンのアクマイト光線(人間の小さな悪の心が膨れ上がって爆発してしまう技)に抵抗するような、まさに「心の闘い」となります。

 死霊2
 (振り向くとそこには…定番演出もばっちり!)


ここで、ネタバレになるので反転で。
それにしても、誰一人死なない結末には感激しました。ハラハラしていたものだから、なおさら嬉しかった。爽やかに終わるホラーってなかなかいいですな。ジャパニーズホラーは怖さはピカイチですが、救いのない話が多すぎなので後味が悪い。そういう意味では、本作は大変スッキリできる安心設計でした。


その他、少々のツッコミどころを。

・結構良い映画なのに、タイトルとパッケージがひどすぎる!!!
これではB級のナンセンスな血みどろホラー映画のイメージになってしまいます!
最低邦題大賞を差し上げて、邦題命名権をはく奪したくなるほどのタイトルです。

・実話…ってマジですか。どこまでが? 

・私だったら、あんな怪奇現象が起きた家では二度と寝られません。少なくとも1人では寝ません。みなさん、神経が図太過ぎです。早くモーテルにでも避難しなさいよ。

・現場に落とした妻・ロレインのアクセサリーと、彼女の娘のアクセサリーが悪魔の通り道になってしまうという悪魔ルールが、唐突ですけど、なんかアリっぽい。

・超常現象を信じない警官がいい味出してましたね。

・出るぞ出るぞと思わせといて、出ないなんて! 憎らしい演出をしなさる。

・終盤の悪魔の暴れっぷりと人間の闘いっぷりが、ちょこっと『霊験道士』を思い出させました。

・お母さんが一度ああなったら、娘たちのトラウマは凄いでしょうに…。ラスト、お母さんを怖がらなかった娘のとてつもない理解力に脱帽。

 死霊1
 (悪魔祓いの見習い・エド。初挑戦にして大苦戦中。)


そもそも!
「悪魔」って何のためにこんなことしているのでしょうか? 目的が分からん。「人間を苦しめる」ってのが、本来の目的ですか? …ってことは、手段がもはや目的なわけですね。

一つ思い出したんですが。

以前、「悪魔祓い」を追跡したドキュメンタリー番組がありました。
ロシアの田舎町の、普通のおばあさんが憑りつかれたらしくて。
んで、悪魔祓いの神父さんが儀式を始めるやいなや、おばあさんが苦しみだすわけです、映画みたいに。
ググググググヌグググウ…という感じで。
神父さんは叫びます。「出てこい悪魔め! 貴様の名はなんという!?」
そしたらおばあさんが、「ググゥ…私の名は、私の名は、ルシファー!!!」って…

あの…

ルシファーさんって、暇なんですか?
私でも知っている大物の悪魔じゃないですか。
よくRPGのラスボスにも出てくる超有名な悪魔ですよね。
大魔王じゃないですか。
会社でいったら、常務以上のお偉方ですよ。

なんでロシアの田舎の何ともないおばあさんに乗り移ってんの…?


 

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Posted on 2014/03/02 Sun. 17:05 [edit]

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