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GANTZ/GANTZ PERFECT ANSWER 本当に希望の朝が来た! 


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 GANTZ/GANTZ PERFECT ANSWER
 (2011年 日本映画) 総合75/100点


久しぶりに映画の感想です。ただ、まだまともに映画は見れてなくて、仕事をしながら金曜ロードショーでやってた本作をちらちらと鑑賞したぐらい。

漫画原作の日本映画って…その…はずれが多いですし、あまり見るつもりはなかったんですけど…だから、ちらちらとしか見ないつもりだったんですけど…。これが意外に面白かったのです。

ちょっと前に感想を書いた「カイジ2」も、本来なら見る気の起きない種類の映画なんですけど、見てみると結構面白かったりします。無論、テレビとか高速バス車内とかでの、無料観賞限定ですけどね!

映画としての完成度は決して「高い」とは言えないし、いい加減な所も多くて突っ込みどころだらけなんだけど、何の気なしに眺める分には楽しめるという映画。

しかし。
原作ファンには非常に不評のようです。
私は原作は読んでいません。
なので、映画限定の感想なので、原作ファンからすれば、的外れな意見もあると思いますが…。

さてさて。

あらすじは、「事故で死んだと思われた主人公の玄野(クロノ・ 二宮和也)と加藤(松山ケンイチ)は、大きな黒い球体が置かれたマンションの一室に送り込まれる。理由も分からないまま、二人と他数名は、『星人』と呼ばれるモノたちと死闘を繰り広げていく…」というお話。

つまりは、バトル映画なのであります。

そのバトルシーンが案外良く出来ていて驚きました。
あくまで、日本映画として見るならば…ですけどね。
そのあたり、ハードルを低くした「優しいまなざし」が必要です。

パート1の序盤で描かれる初めての戦闘から、容赦のない残酷描写を見せつけます。「ネギ星人」と呼ばれる凶悪な星人を倒しに行くのですが、途中に現れる怯えきった子供のネギ星人を無残に殺してしまうのです。その後、ブチ切れた父親のネギ星人にコテンパンにされるのですが、これって結末の伏線なのかもしれませんね。何だ、人間の方がひどいなあって…。

バトルシーンで最も感嘆したのは、パート2(PERFECT ANSWER)の地下鉄車両での「黒服星人」軍団との戦闘です。
ここだけは、不満を抱えた原作ファンからも支持があっているようです。
確かに、ここはすごくいい!
へーーーーって思いました。ここだけ見るならハリウッドのアクションにも負けていません。

狭い車内で、日本刀を使っての斬り合いをしますが、スピード感があって迫力があり、所作もカッコよくて魅入ります。特に女性陣の殺陣の良さ(スタントマンでしょうけど…?)は、まさに「BLOOD THE LAST VAMPIRE」の域。
加えて、人形のように無機質な動きの「黒服星人」たちも不気味さ満点です。一般乗客を平然と巻き添えにしていく様は、一般向け映画の割に、ひどく残虐で容赦のない世界観を避けることなく描いていて思い切りが良いです。

ここだけなら何度見てもいいかな、お金出して見てもいいかな、と思えるくらいにしっかりと作り上げられています。
感心しましたよ。
ほんとに素晴らし…

え…?

…。

誰だ! 銃使えばいいじゃんって言ってるヤツァア!!
そりゃ、あの狭さの中で刀は振り回せるわけないけども!
そりゃ、ハナから銃を使った方がいいけども!
そりゃ、敵の銃弾が不思議なほど当たらないけども!
そりゃ、分断された車両から車両へ飛び移る玄野に、銃口を向けていた星人が何故撃たなかったのか気になったけれども!
大変最もだけどもー!

…。

はい。
その手の突っ込みどころが、本当に多い映画なのは間違いありません。
ようは、ご都合主義満載の娯楽映画なので、気軽な気持ちで見なければならないのです。

なぜ、とっとと銃を使わないのか、とか。
なぜ、ダラダラと会話を続ける中、敵は会話の終わりまで待ってくれているのか、とか。(パート1の千手観音との死闘で、加藤を庇った女と加藤との会話中、敵はぬぼーっと待ってくれます…)
本来難解である物語の真意を、まー、いーから、いーから気にせず楽しんでよ、と言わんばかりに説明をさらりと回避する投げっぷり、とか。

日本の娯楽映画の悪しき習慣といいますか、映画に最低限のリアリティがなく、あくまで様式美を求めるのみというね。観客も目が肥えてますから、作りのいい加減さに気づいてしまうと、途端に没入感がなくなります。

ゆえに。

やはり、本作は「軽い気持ちで見る娯楽映画」の枠を飛び越えません。

けれど、眼を見張る点が多いのは事実。

・ガンツスーツがカッコいい。
全身タイツをカッコ良くしたら、こうなったみたいな。バットマンに比べれば万倍にカッコいいです。バットマンスーツは絶対にノーサンキューですが、ガンツスーツは着てみたいです。

・敵の造形が不気味で、不安感を見事に煽る。
パート1の「田中星人」の不気味さ。異質さ。原作でもそうなのかもしれませんが、タチの悪いブラックユーモアのようです。おまけに、ぎりぎりで可愛らしさもあります。

・役者陣のうまさ。
玄野を演じる二宮和也が抜群にうまい。後述しますが、特にパート2の終盤に見せる「儚さ」
加藤を演じる松山ケンイチも、真面目さ・誠実さにちっとも胡散臭さ・いやらしさを感じさせないのは、彼特有です。
西演じる本郷奏多(よく知らないけど)は、強烈な存在感を放っています。

・人間側が使う特殊な銃器の不思議なタイムラグ。
引き金を引いて、しばらくしてから狙った場所で爆発が起きる仕組みのため、引き金を引いてしばらくは、どこに狙いを定めたのかが判りません。そのためにハラハラします。これは、非常に秀逸な効果です。

・ラジオ体操曲。
「あったーらしーいーあーさが来たー。きぼーおのーあーさーが!」が原作通りだと思いますが、抜群の選曲センス!
異様な空間に響く爽やかすぎる楽曲が、ひたすら不気味感を助長します。あー怖い。なんて変質的なセンスだ!

・なによりパート2終盤の切なさ
物語はいい加減なものだと思っていましたが、終盤の切なさだけを切り取ると、すごく良いです。玄野の、ある犠牲。恋人も親友も彼の記憶を消されてしまいます。しかし、ふとした瞬間に滲む違和感。何かを忘れている。すごく大切な何か…。決して、二度と思い出すことは叶わないのに、知らぬ間に流れ落ちる涙。忘れてはいけないことを忘れてしまったんだ、と気づいた瞬間を丁寧に描きます。あっ、加藤ははっきり思い出しちゃってました。こりゃ、うっかり。いや…思い出しちゃダメでしょ…。

さて。

最後に一つだけ気になった点を。

「死者が蘇る設定」って、一体いつから常道になったのでしょうか?
かつては、「ドラゴンボール」かな。
最近では、「ナルト」でも死者が復活してますね。(あれは生き返っているわけではないが)

本作でも、ラストでみーんな生き返っちゃった!

死人が生き返る、という展開ははっきり言ってタブーだと個人的に思っています。
確かにほっとしましたけどね。
よかったなーよかったなーと思ったんですけどね。
けれど、「良くないこと」だと思います。
別に倫理観・道徳観とかではありません。
物語から、決定的に緊張感が失われるからです。
死人が生き返るのは、最大の奇跡です。それが叶うならば、何でもありじゃないですか。
そんな世界に、絶望などありません。

本作は、絶望感を楽しむ映画だと思いましたけど、全員が生き返ったことで、それが全て「嘘」になってしまったのでした。
本作に限らず、日本の漫画の悪しき習慣だと思います。
そういう設定の漫画は、今後は読みたくないなと思っています。

というわけで。

うーん、あんまり映画の肝心部分を語らずに書いちゃった気もしますが…ながら鑑賞だったもので…本日はこのへんで。

追伸:どうせなら、あのお婆ちゃんと孫が生き返ったかどうかを見せてほしかったなー! (あったのかな?)

余談:うちの小1の子供が、玄野が犠牲になったのを見て泣いてたんですけどね。映画の放送が終わって、すぐに二宮がニコニコしてドラマの番宣に出てきたもんだから仰天してました。「生きてんじゃん!」って。

感動が乾いてたわ。

生き返り設定ってのは…つまり、そーゆーこと。


  
  

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Posted on 2014/04/18 Fri. 23:33 [edit]

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