素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

バック・トゥ・ザ・フューチャー /この頃、娯楽映画はシンプルだ。 


バック・トゥ・ザ・フューチャー [DVD]
 バック・トゥ・ザ・フューチャー
 (1985年 アメリカ画)
 95/100点



ペースがだいぶ遅いですが…、201記事目を迎えました。

今回は、200記事突破記念としてメモリアルな作品をということで、幼き頃に映画の楽しさをふんだんに教えてくれた不朽の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をおさらいしていこうと思います。
今さら感がすごいですけど。
懐かしみながら、振り返られたらと思います。

未来


<完全ネタバレです>


本作の楽しさは、何と言っても小ネタ(伏線)の数々。遊び心に溢れ、とにかく楽しい映画を作るのだ! という作り手の想いが伝わってきます。
物語のワクワク感も半端ありません。
キャラクターはコミック調で魅力的。マーティーとドグは、史上最高のバディです。
テンポもびっくりするぐらい良くて、ダレるところがありません。

ということで。
あらゆるエンターテイメント性を最大までに昇華させた本作の魅力を、一つ一つ書いていきたいと思います。

【キャラクター】

・マーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)

未来5

いわずもがな主人公です。
高校生で、ドク博士の助手を務めています。爽やかな好青年で、ヘタウマなギタリスト。腕っぷしは強くない割に負けん気は人一倍で、「チキン(臆病者)」と言われると黙っていられません。正義感は強く、愛情深い性格で家族を大事に想っている…、という少年漫画的な模範的主人公です。基本的でいてシンプル! これがいい!

彼がどういう経緯で街の異端者・ドク博士と親密になったのか、その経緯は分かりません。ほかに友達はいない様子だし…、結構、人とそりが合わない根暗っ子かもしれません。怒りっぽい性格も、本来の「臆病さ」を打ち消すための努力である気がします。だって、彼の父親も子供も兄弟も、みんな「チキン」なんですから。

…とはいえ、マーティには彼女がいるんで、所詮勝ち組ですけどね!

・エメット・ブラウン博士(通称・ドク)(クリストファー・ロイド)

未来2

ぎょろ目が特徴。タイムマシンを発明した博士です。街ではマッド・サイエンティストとして見られています。じじいのイメージでしたけど、演じるクリストファー・ロイドは当時47歳だとか。

数々の珍妙な発明をしては失敗をしてきた彼にとって、恐らくこのタイムマシンが、彼の発明生涯の中で唯一無比の「成功」だったのかもしれません。ものすごい一発屋です! 三振王が、世界最大のホームランを打つようなものです。

・ジェニファー・パーカー

未来11

主人公の彼女です。
パート1では、ほとんど活躍することも見せ場もありません。
がしかし。
彼女がいなければ、マーティは怪しげな博士と付き合ってる「友達のいない根暗な変人」となってしまうところです。彼女の存在があって初めて、マーティは「まともな人」に昇華されているわけですから、彼女に感謝しないといけません。所詮、男の価値基準ってそんなもの。

ギターのオーディションでコテンパンにされてヘコむマーティを励ます様子は、愛情と包容力に溢れ、まるで女神。もっと活躍させてあげればよかったのに。…けど、心配ご無用。そんな彼女も、パート2では、マーティとドクの奇天烈な行動のせいで、散々な目に合わされ見せ場が急増。いやあ、よかった!

・ビフ・タネン

未来4

「現在(1985年)」ではマーティの父親の上司であり、「過去(1955年)」ではマーティの父親をいじめていた高校生でした。
ビフは物語の重要な役割で、シリーズを通しての「敵」役です。掛け値一切なしの単細胞・暴力キャラ。
ようは、ジャイアンです。
お!? こう考えると、本作ってドラえもんそのものですね。
マーティ = のび太(根がヘタレ)
ドク = ドラえもん(未来の道具)
ビフ = ジャイアン(乱暴者)
ジェニファー = しずかちゃん(主人公のマドンナ)
その他のザコ = スネ夫(いわゆるザコ)

ほら!(ほら、じゃない)

・ジョージ・マクフライ

未来7

スーパーヘタレです。マーティの父親です。
個人的にお気に入りなのは、「現在」において、妻であるロレインがしんみりと彼との馴れ初めをマーティに話している最中、彼がテレビを観ながら「ひぇっ、ひぇっ、ひぇっ」と奇妙な笑い声を発し、独特なペースを披露する場面です。
「過去」においても、趣味が「のぞき」というギリギリアウトな描写で、マーティの度肝を抜きます。
よーグレなかったな、マーティ。

マーティは、「過去」において、ジョージに「恋愛」のアドバイスをして母親とくっつける作戦を行うので、つまりはマーティのおかげでマーティが生まれるわけです。…とか考えると、マーティの父親の不存在感がちょっと心配…。あー、だから年上のドクと親しくするわけだ。やっぱり、潜在的に父親を求めているのです。

・ロレイン・ベインズ・マクフライ

未来3

マーティのママです。
1955年にタイムスリップしたマーティは、彼女とジョージの出会いを邪魔した上、自分のママに惚れられるという世紀の大失態を犯します。
「現代」においては、彼女はマーティとその兄弟に、「女が男を誘うなんて、はしたない!」と堅物な語りをしていますが、「過去」の彼女は、相当な肉食です。しかも、マーティだジョージだと惚れっぽく、相当な肉食です(二回目)。
本作は、そういう小ネタの伏線回収がものすごく盛り込まれていて、凄く面白い。


続いては。
【物語】

本作の物語の軸は二つです。
1.デロリアンを使ってタイムスリップをしたものの、元の時代に戻ってくるための燃料がない。

デロリアンがタイムスリップを行うには相当な電力が必要なので、「核燃料」を利用します。
簡単に手に入る燃料ではない、というところが、物語上の秀逸な設定なわけですな。
すなわち、「行き」の燃料と「帰り」の燃料を絶対に忘れてはいかんわけです。
そこで!
成り行きでタイムスリップしてしまったマーティーは、帰りの「核燃料」を持っていませんでした、という話。
わお、大変!
ドラえもんにもあった、「タイムマシンの不具合で元の世界に戻れない」というスリラーが展開します。(やっぱ、本作はドラえもんだなあ)

当然、1955年に「核燃料」の入手は不可能。
そういうわけで、代わりに強力な電力を利用できる方法として、「雷」を利用しよう! となるわけですね!
昔の映画の素敵なところは、この「シンプルさ」にあると思います。

当初の脚本では、「核燃料施設に行く」とされていたそうですが、そんなのはナンセンスでしょう。
変な研究所の変な代替燃料を盗み出そう、とか、不時着した宇宙船を利用しよう、とか。実はもう1人タイムマシンを作った男がいて…とか。そんな変な展開することなく、「雷を利用する」っていうこのシンプルさこそ、観る者の頭にすっと入ってくる素晴らしいアイディアです。

そしてこの作戦は、「時計台に雷が落ちた」という未来の出来事を知っているマーティだからこそ、実行可能なわけです。タイムスリップの設定が活きまくっています。
おまけに、利用できる雷はワンチャンスのみ(どこに落ちるか分かっている雷はこれだけ)、というハラハラ感。
さらに、電流ケーブルが二度も外れるというお約束で盛り上げます。お約束過ぎて、二度目に外れた時は思わず吹いたものです。ドクのリアクションが良くってね! 「ふひぃぁぁー!」みたいな感じで。
文句なしの名場面じゃありませんか!

未来9


2.1955年のママとパパをくっ付けないと、マーティの存在が消えてしまう。

ママとパパの出会いが遠のけば遠のくほど、マーティはグググ…と存在が消えそうになって苦しんだりします。
むろん、二人の最初の出会いを邪魔したのはマーティ自身です。
本来は、ママの父親が車でジョージを轢いたことが恋愛のきっかけでしたが、それをマーティが自分に置き換えてしまいました。
ママは看病するうちに、「ナイチンゲール症候群」といいますか、患者に情が移ったわけです。

そうして。
マーティは、なんとかしてパパであるジョージが、ママであるロレインを口説くように猛烈プッシュするわけです。しかし、ロレインはマーティに惚れていくばかり…という、「空回り感」のおかしさが描かれます。

シンプルですな。
半径数メートル内だけの物語。マーティ本人は「自身の存在」がかかっているので必死ですけど。
この「ちっちゃいお話」感が、なんとも良いです。
「パラドックスが起きたら人類の破滅がー」なんて言わないところが素敵です。

未来6


さて…。

他にも「小ネタの数々」とか「パラドックスの数々」とか書こうと思ってましたが、それらはもうすでに他の方のブログに散々既出なので、そちらをご紹介。

↓これ、細かくてすごいです。勉強になりました!
BACK TO THE FUTURE 細部考察

↓こちらも、これだけ知ってれば完璧、な感じ。
不朽の名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にまつわる雑学をまとめてみた。


不朽の名作である本作ですが、ただ、今回改めて鑑賞して思った難点もありまして…
それは、「ジョージの心変わりのきっかけが弱い」というところです。

ヘタレのジョージは、二度の変化を生じさせるわけですが…
一度目は、ロレインに乱暴を働くビフを殴り倒す場面。
二度目は、ダンス会場で奪われたロレインを再び取り戻す場面。


この二つの場面で、急にジョージが男気熱くなった理由がわかりません。
そのためには、最低限、ジョージがロレインに心底惚れている描写や、彼を焚き付ける強いきっかけが必要だと思うんですけど、それがない。
こんなにも練り込まれた脚本なのだから、もうちょっと納得のいくものがほしかった。

未来8


とはいえ。
シンプルイズベストの本作。結構80年代後半~90年代前半ってそういう映画が多い気がします。
同じタイムスリップものの名作、『恋はデジャブ』も90年代前半ですしね。
あちらも、発想はシンプルだけど、物語の密度が濃いい濃いい。

「映画の楽しさ」って、決して特撮でもCGでも派手さでもなく、細やかで丁寧でキャラクターが生き生きしている「脚本だ!」と改めて認識しました。
再見しようと思った方は、できたらブルーレイとか、綺麗な画像で観ることをお勧めします。細部の絵作りまで凝っている映画ですから。

   

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Posted on 2014/08/15 Fri. 12:34 [edit]

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