素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

GODZILLA /不満はあるけど、日本版より面白いから。 


 GODZILLA-5ac47.jpg
 GODZILLA
 (2014年 アメリカ映画)
 80/100点



さあ、二度目の「ゴジラ」のハリウッド上陸は、どんなもんだったでしょうか。

本作は、一度目の失敗を過剰なほど気にした作りとなり、不朽の名作と名高い『ゴジラ(1954年)』の精神を可能な限り踏襲しようと努力した映画となっています。
やったなハリウッド!
偉いぞハリウッド!
低予算映画で頭角を現したギャレス・エドワーズ監督の功績は大きいのでありました!

やっぱさー、ゴジラがイグアナじゃ困るんだよ。
ただのエンタメ映画にされちゃ困るんだよ。
米軍万歳みたいなんじゃダメなのよー。

…なんて、偉そうにいいますけどね…。
そもそも日本版ゴジラだって、最近どうでしたか? 面白かったですか? テーマ性を重んじていましたか…?
私は、最近(といっても、日本版最終作『ゴジラ・ファイナルウォーズ』でさえ10年前ですけど)のゴジラ映画に、ただただ悪寒しか感じていませんでした。
ほとんど戦隊レベルの特撮や、大人の鑑賞に耐えない失笑モノのSFチックな物語。
一時期、ゴジラファンの友達と険悪になるほど、「ゴジラ映画」をバカにしていたものです。

だから、1998年にハリウッドで『GODZILLA』が作られ、日本人が散々に悪く言っている様子がうすら寒かったのです。
確かに、イグアナだった。
確かに、「魚喰い」はひどかった。
確かに、ジャン・レノの無駄使いだった。
確かに、尊厳はなかった。
確かに、子供ゴジラシーンはジュラシック・パークだった。
確かに、米軍のプロパガンダであった。

だけれども。
近年の日本版に比べれば、はるかに本気で作っていたと思いますよ。
あの頃、ゴジラ映画を作っていた人たちは、あのハリウッド版ゴジラをバカにしていたのであろうか!?
どの口で!?

ということで。
日本版ゴジラには随分前から辟易していたもので、今やはるかに期待できる「ハリウッド版ゴジラ第2弾」を観に行ったのであります。
しかも今回は、前述したようにテーマ性を深め、人間ドラマに比重が置かれているというからワクワクしないわけはありません。

で!

手短く言うと。
まあまあかな…でした。
物語は、やや冗長。
テーマ性の踏襲もなんちゃってレベル。
不満点も数々。

良い所、そうでない所、書いていきます。

ゴジラ


ネタバレはありますが…、結末には触れません。


あらすじは、「MUTOという巨大生物二体とゴジラが大激突。その足元では、人間たちが逃げ惑ったり、核爆弾をセットしちゃったり…」という物語。


いきなりですけど、期待外れが2点。
1点は、人類滅亡ほどの危機なのに、この件が政府レベルで語られないことです。
ほぼ軍隊の中だけが描かれます。
未曾有の大災害である「ゴジラ等巨大生物の出現」で、アメリカ首脳部がどういう決断を下すのか、各国の反応はどうなのか? という大きな枠組でのシュミレーション要素がありません。原子力発電所やハワイなど、一部の日本と、アメリカの一部地域だけのお話しに終わっているのが、残念でした。

もう1点は、ゴジラ以外の巨大生物はいらなかった…気がします。これは個人的意見ですけど、このために、ゴジラに関する描き方が驚くほど少なかった。ほとんど、MUTOにお話が集中していました。ゴジラなんて、正直、この世界ではすでに存在が当たり前になっているかのような扱いでした。出現時の唐突感がすごかったのなんの。

それから、これも個人的意見ですが、「ゴジラ」は悪役であってほしいんです。不思議なくらい正義の味方でした。これによって、せっかくの素晴らしい緊張感が揺らぎました。だって「ゴジラが最強」なんだもの。そりゃ、そうなるわー。

ついでに。

テーマ性を重んじているようで、結果重んじていません。
重要なネタバレなので反転しますが、「反核がテーマなのに、最後に核爆弾が炸裂する意味が分かりません」ちょっと信じられないくらいでした。結局「核について、何の深みもない扱いなんですもの!」 せっかく芹沢博士(渡辺謙)が米軍の長官に「広島」を追及していたにも関わらず。

ゴジラ4


また。
米軍の動きがまるで意味不明でした。
自分で核爆弾をセットしておいて、「あちゃー失敗したから回収せんと!」ってとんだマッチポンプ。そもそもどうやって成功させるつもりだったかさえ分かりません。
作戦が行き当たりばったり過ぎです。
確かに、電子機器を無力化してしまうMUTOの能力は厄介だし、物語にとってそれは良い障害となっているのですけど。
それにしたって…ねえ…?
前回のハリウッド版ゴジラが、あまりにも「米軍最強」過ぎたからと言って、ちょっと過剰に反省してしまったようでした。

細かい所では、渡辺謙の存在意義が薄く、ただの解説役で終わっているのが不満です。
また、日本のシーンに入る度に、「ハリウッドが考えた和風の音楽」を流すのはいい加減やめましょう。珍妙です。

ゴジラ3


それでは良い所を。
それは、圧倒的な「臨場感」です。
ここは、さすがにハリウッド。
素晴らしいカメラワークと演出で、ゴジラやMUTOの巨大さを存分に感じることが出来ます。その場に居合わせているような迫力が凄いです。
もちろん、これまで見てきた日本の特撮技術も、素朴感が逆に味だったりするし、時折凄いクオリティで驚くこともありましたが…、ハリウッド版でのビルや橋が崩れ堕ちる圧倒的なCG技術によるリアルさには、正直まいってしまいます。

米軍兵が、はるか上空からパラシュートで降下する場面の緊張感も凄いものでした。この点の戦場場面の生々しさは、やはりハリウッドならではなのかもしれません。
町中の電気が掻き消え、無音の静寂になった直後、米兵が照明弾を打ち上げる場面の緩急のうまさ。
MUTOが卵から還り動き出す場面も手に汗握るし、押さえるべきところは、やはりきちんと押さえているハリウッド映画なのでした。

ゴジラ2


そして。

ゴジラの登場シーンは、(唐突だけど)身震いしました。
計算でしょうけど、ゴジラ初登場まで結構時間があるものだから、「真打ち登場感」に震えます。
そう。
はっきりいって、かっこいいです。
おなじみの、「ぎゃおおおおおーーーん!」の咆哮までの間の巧さ。しっかり計算してます。
劇場での鑑賞ならば、この「音」の凄さもじっくり味わえます。

願わくば…、例の「ゴジラのテーマ」を流してほしかった。少し残念。

そしてこれもおなじみですが、ゴジラの口から放出される放射熱線が溜めに溜めて披露された時の盛り上がりといったら、ほぼ宇宙戦艦ヤマトの波動砲に匹敵。そしてそれは、本作が「リアルパニックムービー」路線から、「ヒーローキャラ」路線に迷いなく舵を切った瞬間でもありました。
実を言うと。
私は、先程、ゴジラは悪役でいてほしかったと言いました。
それは、紛れもない本音なのですが…実は今回、全く逆の感情も芽生えたのでした。
それは、今まで感じたことのない不思議な…。
それはいわゆる…。
ゴジラ萌えとでもいいましょうか。

ゴジラ…、かっこいいじゃん。爬虫類系のはずなのに、妙に顔が哺乳類というか…犬っぽいので、どうしても親しみを感じるのです。
そして異様なまでの頼もしさと、圧倒的なヒロイズム。
ゴジラの神々しさが半端ないです。
これこそ、本作の作り手であるギャレス・エドワーズのゴジラへのリスペクト精神の現れでしょう。
おまけに!
時折見せる「疲れた猫背」…。ギャップ効果も計算か!?

ラストシーンで、「(反転で)ゴジラが海に還っていく場面での立ち振る舞いが、『はー疲れたー、疲れたわー。ほんじゃおつかれしたー、おつかれしたー』という雰囲気丸出しであったと思ったのは、私だけでしょうか
あそこ、良い意味で思わず笑ったわ!
どことなく、人間臭さもあるのです。

本作のゴジラはフルCGですけど、あえて着ぐるみ感を出しているとのこと。それが愛嬌を醸しているのでした。当面の目標は、打倒ふなっしー(嘘)

ゴジラ5


続編でもたくさんの怪獣が出てくるそうなので、今後ハリウッド版ゴジラは、ゴジラをヒーロー的な扱いでいくのでしょう。この勢いだと、アベンジャーズに加わるのは時間の問題だし、プレデターと闘ったり、スタローンとタッグを組むのも、遠い日のことではないでしょう。

海に渡った日本のヒーロー「ゴジラ」
彼(ゴジラ)は、ケン・ワタナベに並んでワイキキのビーチで寝転び、カクテル片手に、きっとこう思っているのではないでしょうか。「日本よりも当たってるわい」と。

これでいいのか日本の娯楽映画界!?
けど、徐々に日本の娯楽映画は良くなっているので、本当は、これぞ「ゴジラ」ってのを日本でやってみてほしいものだと思っています。
※そしてこの感想から2年後、期待通りの『シン・ゴジラ』が日本で作られた!


   

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Posted on 2014/08/17 Sun. 17:13 [edit]

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コメント

個人的には旧ハリウッド版が 

はじめまして。
今回のギャレス版ゴジラ、僕としては肩透かしでした。
と、いうのも、怪獣映画に求めるもののほとんどが、映されていなかったからです。
ゴジラをひっぱりにひっぱり、ようやくMUTOと対峙。
さぁ、これから決戦だ! という時に人間へとフォーカスさせてしまうというのはいかがなものかと思ってしまいました。
怪獣映画なんだから、怪獣見せてよ!!と終始うずうず。
それを考えると、トカゲだし、弱いけど、旧ハリウッド版の方が、怪獣映画としては上手かったかなぁというのが個人的な感想です。
あと、ファイナルウォーズは、ゴジラの中でも残念作品だと思います(汗)
ゴジラ対怪獣作品なら、『ゴジラvsモスラ』や、『ゴジラvsビオランテ』などのvsシリーズなら楽しめると思います。
では、失礼しました。

URL | trifa0421 #VRd54iEw | 2014/08/23 11:22 | edit

trifa0421 様 

コメントありがとうございます。

仰る通り、旧ハリウッド版もほんとは見応えあるんですよね。
ただ、「ゴジラ」が神格化しているせいか、
確かに、尊厳のない描き方でした。
まるで、害虫のような…
そういう意味で、ファンからつまはじきにされたのでしょうか?

私自身は、どちらかというと、
「怪獣」が現れた時に、政府が(人間が)どう動くかという
緊迫のシュミレーションが観たいと思っているので、
そういう観点からも、ギャレス版は中途半端だったと思います。

ファイナルウォーズは、見てないですけど…予告からも残念臭が…。
モスラはギャレス版続編にも出る予定らしいですね。

URL | タイチ #- | 2014/08/23 13:29 | edit

返信ありがとうございます。 

なるほど、政府の動きのシミュレーションですか。
その視点で観ると、ギャレス版はお粗末だったように思います(汗)

観たことのあるゴジラはファイナルウォーズじゃなかったですね、勘違いしていました(汗)

とはいえ、見所はある作品だったと思うので、次回作には期待してます。
もっとも、次回作はより怪獣メインになるようですから、タイチさんの期待とはまた違った作品になりそう……?
でも、期待はできそうですよね。

URL | trifa0421 #VRd54iEw | 2014/08/25 07:39 | edit

trifa0421 様 

またまたコメントを頂戴し、ありがとうございます。

いやー、今回で、結構ゴジラファンになったかもしれません。
あの神々しさと人間臭さのギャップが、かなり効きました。

次回作の「怪獣大決戦」が、
果たしてどれほどゴジラをヒーローに仕立てていくのか、
興味ありです。

URL | タイチ #- | 2014/08/25 09:57 | edit

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