素人目線の映画感想ブログ

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ザ・エージェント /ザ・トム・クルーズ。 


ザ・エージェント デラックス・コレクターズ・エディション (2枚組) [DVD]
 ザ・エージェント 
 (1996年 アメリカ映画) 85/100点


おう…、疲れもどうやらピークのようです。
本当は「ザ・ファーム 法律事務所」を見ようとDVDを借りてみたら、な、なんと「ザ・エージェント」でした。
同じくトム・クルーズ主演なもので、からっきし気づかなかった。
どーりで、ミステリーにしては爽やかだなーと思ったんだ…。
あれえ…? ジーン・ハックマンって後半から出てくんのかなあ…? と終盤まで待ちぼうけ。

といっても、本作はキャメロン・クロウ監督の傑作ドラマとして有名です。
とても楽しく見れました。

ビジネス系のドラマなんですけど、そこはほれ、トム・クルーズ主演だもんで、まるで青春映画のようにキラキラしていましたよ。
特に、トム・クルーズ。画面からあふれ出すオレが一番…じゃなくって、映画全体を引っ張る吸引力ある魅力を発揮しています。
しかし、あれ不思議。トムが演じると、嫌味を感じず、結構素直に最後まで鑑賞できました。
さすがは、トムなのです。
この頃から、いや、もっと昔から今に至るまで、ずっとキラキラしたスターで居続けている人なんて、きっとトムか郷ひろみかってくらいなものでしょう。いや、まじで。

あらすじは、「主人公マグワイア(トム)は、優秀なスポーツエージェントだったが、ある日、『良心』に目覚めたばかりに会社から解雇を言い渡される。彼に残ったクライアントは黒人のアメフト選手ただ一人。唯一の部下であるドロシー(レニーセルウィガー)と共に、四苦八苦のビジネス競争が展開される」というお話。


<結末のネタバレはありません>

   エージェント4


「エージェント」というのは、プロスポーツ選手の代理として、チームに対し契約やギャラの交渉を行うマネージメント業のことです。
当初、マグワイアは担当のスポーツ選手が怪我をしたって無理をさせ、金儲けを第一主義にするあくどい商売をしていました。しかし、ふとしたきっかけで、「こんなことでいーのか、ぼかぁ!」と開眼し、サイエントロ…じゃなくって、『美しき良心』に目覚めます。そしてあろうことか、夜中の二時に『良心全開』の提案書を作成し、会社の同僚たちに配布する手配を済ませてしまうのでした。

その提案書の中身とは、「金儲け主義をやめ、一人の選手とじっくり信頼関係を築こう。そのためには、クライアントを減らそう」というもの。
至極、真っ当な提言だと思います。クライアントを多く持てば持つほど、一人一人へのケアは滞ります。そういう経験は…、営業マンであれば誰しもが抱えたことがあるでしょう。とはいっても、数多くのクライアントを抱えなければ、当然、今度は利益が薄まります。その狭間で悩んでいるのは、何も本作の主人公だけではありません。

マグワイアは、いの一番に行動に出たのです。
しかし。
提案書を作成し、配布の手配を済ませたトムは、まさに「夜中にラブレターを書いてはいけないの法則」よろしく、翌朝しっかり我にかえって後悔します。
配布を頼んだ人に電話して、「あのさ、ちょっと聞くけどさ、アレ…もう配ったのかなーって…もし、まだだったら…あ、配った?…あー配ったんだー。あーそう。あーそうなんだ。早かったねえ…。いやいや、いいんだけどさー、いいんだけどねー、頼んだの僕だもんねー」と…。こういうドジっ子な愛きょうも計算どお…失礼、…ギャップ効果を生む魅力を発揮しています。

彼の「一時の感情で突っ走り、後で悩む」というハタ迷惑…もとい、純粋な少年のような性格は、物語上、実は重要な部分でもあります。

それはさておき。

案の定、不安分子と会社からみなされたマグワイアは、解雇を言い渡されます。
直後に始まる、クライアントの争奪戦が、大層見ものです。
会社側のエージェントも凄腕ですから、次々にマグワイアの担当選手に電話をかけ、会社への契約維持を固めて行きます。負けじとマグワイアも電話攻勢を仕掛けていきますが…、やはりフリーになろうとする彼を信じてくれる者は少なく、最後にただ一人残ったのは、おしゃべりでお調子者という、典型的黒人キャラを地でいくアメフト選手のロッド(キューバ・グッディング・Jr)だけだったのです。

ちなみにキューバは、本作でアカデミー助演男優賞を獲得。納得の「おしゃべりお調子者野郎」を演じ、小気味いいです。

   エージェント


ということで、啖呵を切ってオフィスをあとにするマグワイアの痛々しすぎる様子が、やけに怖いです。同僚もドン引きでした。強気の割に、汗びっしょり具合が面白いです。
当初は、かの「提案書」を、会社の同僚たちは拍手喝采で受け止めていましたが、所詮、「現実はそうはいかん」という意識だったのでしょう。
「誰か付いて来る者は?」と問うマグワイアの声に応えたのは、彼に気のある経理・ドロシーと、職場の水槽にたたずむ一匹のメダカだけ…。
マグワイアがオフィスを出るや静まり返っていたオフィスが途端に活気を取り戻す場面が印象的でした。
会社に大きな利益をもたらしてきたはずのマグワイアですが、会社にとっては、彼でさえただの一人の営業マンに過ぎなかったというわけです。今まで彼が担当していたスポーツ選手たちは、今までマグワイアを信頼していたのではなく、彼の会社の大きさに安心していただけだったのです。

しかし、マグワイアは、これからは自分の理想のスタイルで仕事を進めていく事が出来ます。
彼は、たった一人のクライアントのために力を尽くします。
これは、まさに彼の「提案書」通りです。
おまけに個人事業なわけだから、たくさんのクライアントは必要ありません。利益を総取り出来るのですから。エージェント業はかなり大きいお金が動く仕事ですので、一人のクライアントの成功だけでも十分やっていけると思います。もちろん、クライアントが「たった一人」だと、そのクライアントがこけたら、マグワイアは一巻の終わりですので相当なプレッシャーはありますが。
その崖っぷち感も面白かった。
終盤までなかなかうまくいかない場面が続くから、ホント応援する気持ちになれました。

ただ。

実は、本作はビジネスドラマのように思わせておいて、結構恋愛ドラマ要素が濃いです。
まあ、そこはトムですからね。女たら…じゃなくって、母性本能をくすぐる見事な魅力を発揮します。
秘書的(経理)な役割である仕事上のパートナーのドロシーは、彼に恋をしているのです。ドロシーはなかなかピュアでいて、しかも頑張る母子家庭のお母さんなものだから、応援する気持ちで鑑賞できましたよ。
けれど前述した通り、マグワイアには「突っ走る」癖がありまして…。
ドロシーの一人息子・レイの抜群の愛嬌も手伝って、彼は思わずドロシーとの結婚に踏み切るのです。
その時のトム・スマイルの、まー素晴らしいこと。女たら…じゃなくって、一目で女性に幸せを感じさせる魅力を発揮します。
が。
所々で、彼は疲れたような、満足していないような顔をドロシーに見られてしまいます。
それを見て…、ドロシーは揺れ動きます。
「彼は、無理をしている」と。

   エージェント2


御明察。
マグワイアは、クライアントのロッドに、「ドロシーはつまみ食いだった」と衝撃の告白をするのです。
ほーら、女たらしじゃん。
ご祝儀を返してほしいくらいの告白です。

ということで、この辛辣な流れにはドキリとしました。
ドロシーは、思い悩んだ末でしょうが、マグワイアとの結婚生活を解消しようとします。
この辺り…、実は、マグワイアのいい加減さもさることながら、ドロシーの身勝手さも気にかかったものです。
彼女が一番に考えるべきは、まずは息子のレイのことではないでしょうか。
はっきり言って、これは結婚生活が完全に破たんするほどの「問題」ではありません。
レイが心から慕っているマグワイアとの別離は、レイに多大な悲しみを与える事になります。もうちょっと冷静に判断できるのではないかと、私にはちょっと不満だったものです。(反転して、結果オーライとはいえ!

ってことで、本作はビジネス映画なんですけど、そういう余計な興味深い恋愛劇も楽しめるのでした。

   エージェント3


さあさあ。

果たして、彼はビジネスの成功を勝ち取ることが出来るのでしょうか。
また、ドロシーとの仲はどうなってしまうのでしょうか。

マグワイアとクライアントのロッドが友達のような信頼関係を築き、お互いに影響し合い、成長していく姿はとても爽やかでした。
そこには、ワグワイアのビジネス的な計算はなかったと思います。(というか、彼の計算ってことごとく裏目…)
ひねくれて言えば、彼は非常に運がよかっただけかもしれません。たまたまロッドとの相性が抜群だっただけなのかもしれません。または、「トム・クルーズだから」…なのかもしれません。
とはいえ。
ハリウッド的王道の展開が、こんなに素直に楽しめるのは、やはりトム・クルーズの押しつけがまし…じゃなくって、ブラピも引いたほどのオレオレ…でもなくって、パワフルに輝く魅力のおかげではないでしょうか。

ホントに安心できるし、飽きることのないこの絶対的安定感のあるトム、というのは凄いことです。

あ。
でも…、さすがにトムオーラでお腹いっぱいなので、「ザ・ファーム」は、ちょっと時間を置いてから観ようかと。


  

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Posted on 2014/10/08 Wed. 01:08 [edit]

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