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ショーン・オブ・ザ・デッド 「ゾンビ」VS「ノーテンキ」 


 ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]
 ショーン・オブ・ザ・デッド
 (2004年 イギリス映画)85/100点


面白かったー。ひたすら「楽しいゾンビ映画」という斬新。
 
名作ホラー「ドーン・オブ・ザ・デッド」の言うなればパロディ版です。
パロディだけど、出てくるゾンビ自体はいたって本気です。主役のショーンと相棒のエドも大真面目ですが、どこか間が抜けた逃亡劇を繰り広げます。
海外のコメディ映画は、お下劣度やナンセンス度が高いだけという悪い印象を持っていましたが、これは本当に面白くて笑いました。

制作陣が名作「ドーン・オブ・ザ・デッド」を敬愛しているのがよく分かります。
その名作の監督、ジョージ・A・ロメロが「こいつら、よく分かってんなー」と認めたほどの傑作なのです。
 
物語は、何の変哲もない日常から始まります。
主人公のショーンは、恋人から「いつもと違うデート」をせがまれています。いつもいつも、同じパブで同じ仲間と飲んでいるだけだったからです。
仕事もうまくいかないドジなショーンは、人気レストランを予約したりと、本当になんでもない日常が描かれます。そして、何の前触れもなく世界は一変し、「ゾンビ」だらけになってしまうのです。
恋人や、いい加減キャラのエド、そしていつもの仲間と逃げ出してはみたものの、その行先は…やはり、いつものパブなのでありました。

ゾンビはきちんと(?)他の映画のようにショーンとエドに襲いかかります。熱湯風呂に入れられた芸人のように、「ぎゃー」っとショーンとエドがきっちりとリアクションするのが、いちいち楽しいです。
そんな深刻な状況が全く似合わない能天気な二人と、陰気キャラ代表の「ゾンビ」という組み合わせが、絶妙なギャップ効果を生み出しているのでしょう。

そもそも、なんでパブに逃げ込むのかがよく分かりません。(楽しいけど)
ショーンは事前に、この逃走劇を頭の中でシミュレートするのですが、何度手順を試行錯誤してみても、最後はのんきに一杯やってるイメージで決着しています。清々しい程にノーテンキです。台風が来た時の子供のようなはしゃぎっぷりです。

imagesCAPZ22KZ.jpg
(外はゾンビだらけだけど…まあ、一服)


「ゾンビ」を倒そうと、コレクションのレコードを持ち寄って、武器として投げつけるのですが、「これ、お気に入りだから使っちゃだめ」とこの期に及んで緊張感がありません。本人たちは精いっぱいに必死なのでしょうが、伝わってきません。(楽しいけど)

「ゾンビ」か「人間」か判別が付かない人物を車で跳ね飛ばし、ショーンは青ざめます。しかしそれが「ゾンビ」だと分かると、「あー、よかった」と澄まし顔で走り去ります。(楽しいけど)

音響のでかいステレオを普段からうるさく思っている人物が「ゾンビ」化した時、襲いかかってくると思いきや、ステレオの電源を切るだけで満足気に落ち着いたりします。(ゾンビには生前の習慣が残っているという設定はお約束です)

極めつけは、逃げ込もうとしたパブがゾンビに囲まれていて入れないため、自分たちも「ゾンビ」になったフリでやり過ごそうという気の触れた作戦。「ゾンビ」も見た目が9割、なんですね。(とても楽しいけど)

皆が必死にゾンビに化ける練習をしている中、ただ突っ立っているだけのショーンの年老いた母親が、圧倒的なクオリティでゾンビっぽい、という小ネタもニクいです。
 
た、た、楽しすぎる。

imagesCAZAJEF7.jpg
(ゾンビになりすまし中)


この映画の後、監督のエドガー・ライトと主演のサイモン・ペッグ、相棒役のニック・フロストは、「ホット・ファズ」「宇宙人ポール」と、シリーズのようにコメディ映画を作り続けています。
まさにゴールデントリオです。(すみません、「宇宙人ポール」は監督だけ違いました。)
自信を持ってお勧めできるコメディ映画があるとは…けど、これ、なんで日本未公開映画だったんだろう。




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Posted on 2012/09/07 Fri. 23:56 [edit]

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