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※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

ソナチネ /「世界の北野」誰も見たことのない最高傑作。 


 ソナチネ [DVD]
 ソナチネ
 (1993年 日本映画)
 85/100点



長文の感想はこちらです。


『HANA-BI』でのベネチア金獅子賞や、『座頭市』での銀獅子賞受賞などで、「世界の北野」とマスコミでは騒がれますが、いつも違和感があります。

だって、周りに北野映画を観たことのある人なんて、誰もいないもの。
たまに聞くのは、『アウトレイジ』か、かろうじて『HANA-BI』くらいです。 

『ソナチネ』は、イギリスで「21世紀に残したい映画100本」に選出されるほど、北野武の海外の評価を爆発的に高めた記念碑的、かつ「最高傑作」です。

といっても国内では、この映画の存在自体を知らない人が多く、そんな中で「世界の北野」だなんて、上っ面の賛辞ばかり贈るマスコミに寒気を覚えるのは私だけでしょうかねえ。

例えば、『アウトレイジ』しか観ていない人なら、「世界の北野? …これぐらいで?」と思うのではないでしょうか。

とはいっても、この『ソナチネ』、確かに万人受けする映画ではないので、強くお勧めしづらい…。
でも!
このブログ内評価では85点と控えめですが、個人的には95点以上の大傑作です!

「おい、あんちゃん! 客が入るダ・イハードみたいなエンターテイメントをよ~、オイラ作るからよ~、あんちゃん金出してくんねーかなー」

武にこう言われ、資金を捻出させられたプロデューサー・奥山和由氏は、「この映画は麻薬のようなもの。合う人には合う。合わない人には、とことん合わない」と言っていました。

つまり、武に騙されたんです。

しかし!
明らかに「新しい才能」を感じさせる鮮烈な映像が満載なのは、間違いない事実!
芸術家とは新しいものを生み出した者のことをいう、と聞いたことがありますが、その条件を満たしたこの『ソナチネ』を、海外はきちんと評したのだと思います。

高校時代に初めて本作を観た時、周りに誰も観た人がおらず、若かりし生意気さで、「だから日本人の文化民度は低いのだ!」と一人叫ん…、いや、つぶやいていました。

さて。

その具体的な中身ですが、ストーリーはとくに複雑になっていません。「属する暴力団組織から疎ましく思われている村川(北野武)は、沖縄に飛ばされ、そこで罠にかかり、死闘を繰り広げ、最後は復讐する」というシンプルな構造です。

沖縄の美しい海とヤクザたちの澄み切った無邪気さ。
この組合せがすごくきれいに映えるのは、なぜでしょう。
死地の間で、紙相撲してみたり、ロシアンルーレットしてみたり、射的してみたり、落とし穴掘ってみたり、相撲してみたり、花火してみたり…  

淀川長治さんが本作のことを評したとき、「花札とかしていないのがいい」と言っていました。
ヤクザだから花札、ヤクザだから肩で風を切って歩く、そういう既成概念をぶち壊そうという意気込みもあるのです。 

しかし、少年のように無邪気に遊ぶ彼らに向かって、「死の匂い」はじわじわと近づいてきます。
死から遠いところにいるように見せかけて、ズドンと突発する暴力は本当に強烈です。
これは、北野映画の大きな特徴です。

なにしろ怖いことに、いつ、どこで、どうやって、誰が死ぬのか、全く読めません。

最後のあたりまで生き残っていた大杉連は、シナリオでは最初の方に死んでいたらしいのですが、監督の気まぐれ(?)で生かされていたみたいです。

これによって、緊張感が半端ない。

狭い場所での撃ち合いも怖い。
激しい銃撃戦が「スナック店内」と「エレベーター」の2箇所で勃発しますが、果たして誰に弾が当たるのか、まったくわかりません。
しかも、遮蔽物に身を隠さずに突っ立ったまま撃ちまくります。

村川側数人が突っ立って「バン、バン、バン」
敵側数人も突っ立って「バン、バン、バン」

撃たれた者は無機質に倒れ込みます。画面が片一方を映す度に、立っている人数が減っているという、めちゃくちゃドライな銃撃戦の描き方をします。相当な衝撃を受けたものです。

エレベーター内での銃撃というのは、その後『ダイハード3』でも見かけました。
まさか『ソナチネ』を真似たのか! と思ったものです。

着実に死に向かって突き進む主人公・村川。
それを心配する恋人のような存在の女。
武映画らしく、村川と女の関係はべったりとは表現されません。
なんとなく、好き合っているような…
 
ラストの復讐シーンは、目の覚めるような印象を突きつけます。
「最後まで付き合います」と宣言した手下(勝村政信)は、あまりの恐怖に逃げ出してしまうのでした。 

ちなみに、久石譲のBGMも凄いもんです。

みんな見たほうがいいよ、とはなかなか言い出しにくいのですが…
どうして武が「世界の北野」なんて言われてるんだろうと疑問に思っている方には、この『ソナチネ』があるからだよ! バカヤロー! と断言したいのです。


 

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Posted on 2012/09/08 Sat. 07:47 [edit]

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08

コメント

 

村川

URL |  #- | 2015/07/09 22:30 | edit

Re: タイトルなし 

わお! サンクスです。

URL | タイチ #- | 2015/07/09 22:45 | edit

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