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マッドマックス 怒りのデス・ロード 命知らずのお祭り騒ぎ! 


 マドマックス
 マッドマックス 怒りのデス・ロード
 (2015年 オーストラリア映画) 85/100点


目の覚めるようなアクションの連続。というか、ほぼアクションしかありません。
それでも、ここまでアクションだけに特化されると、グウの音も出ません。しかも、あまり使っていないと言いますが、逆にCGであってくれと願うほど危険極まりない破壊シーンが満載です。
キャラクターも強烈な印象で、ザコキャラさえ魅力的な奴らばかり。過去シリーズは一切見てませんけれど、この冒頭から止めどないスピード感、破壊の美学、キャラクターの躍動―すっげー面白かったです!

この世の果てを舞台に、目には目を。狂気には狂気を。命がけのカーレースが幕を開けるのであります。

あらすじは、「悪党から逃げる主人公と女戦士と美女たち!」
それだけ!


さらに本作のアクションの大半はカーアクションという潔さ。しかも砂だらけの殺風景な場所のみでのカーアクションばかりなのに、一切飽きさせないというのがすごいところです。それは、本作が単純に物をぶっ壊わすことだけでなく、キャラクター造型にも力を入れているからだと思います。

マッド5


ストーリーなんて、なくたって楽しいし。
序盤は一体誰が味方で敵なのかさっぱり分からなくても楽しいし。
キャラクターの詳しいバックグラウンドなんて分からなくても、そいつの存在だけで楽しいし。
なにやら楽団まで率いて追いかけてくる敵軍団の魅力的なことといったら。
敵の戦闘員集団「ウォーボーイズ」の可愛らしさとおかしみと猪突猛進の凶暴さといったら、ゴレンジャーのゾルダー(戦闘員)を思い起こさせて憎めません。
これは、もうあれだ、お祭りだ。本当は、みんな楽しんでおるのだ。ボスのハーレムがぶち壊されたなんて知るもんか。どうせ放射能で侵されて長生きできないんだったら、最後に見事な散り花を咲かせてやるのだ。

本当にみんな楽しんでいるように感じるのです。その熱気がこちらに伝わってきます。だから、観ていてこちらもすごく楽しいです。だから、結構なバイオレンスがあっても、あまり凄惨に感じません。

そりゃね、車と車がぶつかって、ドッカーンとかバッシャーンとか激しいクラッシュで人々が散り散りに放りだされる惨事も起きているようですが、まー、だんじり祭りだってそれくらいのことあるでしょーから(ウソ)。

マッド3


武器将軍・人食い男爵と呼ばれる中ボスクラスの敵たちもぶっとんでいます。お偉方なのに自ら正面切って主人公たちに挑んできます。大ボスのジョーなんてふんぞり返ることもなく、自らハンドル握って追ってきます。考えてみれば、奪われた女を取り戻したい一心なのです。必死過ぎです。人食い男爵の「痴話喧嘩にこの騒ぎかよ!」というツッコミが的を得過ぎていて笑かします。

主人公の事が後になってしまいました。正直、本作では主人公・マックス(トム・ハーディー)が霞んでいます。それだけ周りのキャラが濃いのです。マックスは序盤からとっ捕まるし、うまく逃げ出せるのかと思わせて再びとっ捕まるし、車両の前方に括り付けられるし、なぜかドジ炸裂のダメっぷり。しかも彼は、ジョーを裏切ってジョーの妾の5人と共に逃げ出した女戦士・フュリオサ(シャーリーズ・セロン)と当初は敵対します。ウォーボーイズの一人、ニュークスと共闘してフュリオサを抑え込む場面では、あれ? 主人公じゃないの…? と一瞬混乱させます。おまけに、1人っきりで大活躍したであろう戦闘シーン(武器商人を倒すとこ)は、なぜかカメラに映してもらえなかった、という不遇にも見舞われます。
が。
この人間関係の創り方が、本当に面白い。
敵の敵は味方とばかり、中盤以降で団結する彼らのチームワークに、ワクワクしっぱなしなのです。

それから、なんといってもフュリオサの男っぷり。シャーリーズ・セロンが丸坊主で挑んだ女戦士の力強さには目を見張ります。対して、砂漠の中で場違いなオーラを放つジョーの妾5人衆の美しさ。この人たちだけ、まるで『プレイボーイ』のグラビアなのです。この5人のキャラの立っていない事と言ったら! ただ女なだけ、という。途中で、唐突に恋物語を紡いでみたところで中途半端でしかなく、明らかな減点ポイントだというのに、なぜかそれでもいい! 終盤ではフュリオサの故郷の老婆たちも大活躍してみせて、か弱き女、強き女、年老いた女と、気づいてみれば女神輿! (byモテキ)
本作の下地には明らかにフェミニズムの思想が敷かれています。女性を「産む機械」にしか捉えていないジョーを、女性陣+サポーター男子2名がぶっ潰す物語なのでした。脇に回る主人公ってのも、結構オツです。いつか将来、フュリオサとマックスが結ばれるとして想像すると、素敵な北斗晶・佐々木健介夫妻のような光景が目に浮かんでやみません。

マッド2


そして。

本作の世界観は、とにかくアナーキーです。そして、無茶苦茶です。水の供給と言いながら、大半を無駄にする垂れ流し方からも分かる通り、もはや人間性が崩壊しつつある世界なのです。放射能に汚染され、夢も希望も命ですらも何もかも、掴んだ砂のように手の平からさらさらとこぼれゆく世界なのです。

フュリオサは、最後の希望であり、かつての故郷であった「緑の大地」を目指して爆走します。
マックスは言います。「希望は持たない事だ」と。
夢を追う女。
そして、現実主義の男。

これも、何だか男女逆転の発想のような気がします。
終盤で、理屈も何もない計画を試みようとするフュリオサを、マックスは引き留めます。より成功率の高い作戦を披露し、フュリオサに最後の闘いを決意させます。ようやく、マックスがカッコ良く主導権を握るのです。良かった。フュリオサ一同がそそくさと塩の大地を走りゆく様子を見つめるマックスの後ろ姿に、一瞬奥さんに去られたノッチのような寂しい面影が見えたもので…(ノッチは去られていませんが)。

そいでもってね。

正直、ラストはやっつけ感が漂っています。
ネタバレは避けますが、敵側の組織力ってそんな脆弱だったのか!? と。いくらなんでもあっさりしてましたね。ジョーって、全然神格化されてなかったんだという衝撃。そーかー。みんなホントは思ってたんだー。その水の流し方もったいねーだろー!! \(`o'")! って。ちょっと笑えます。
しかし、これまでの激しい闘いの勢いあって、妙に納得させられる、というか、納得するしかない、というか。まーどうでもいいじゃん、凄かったんだから!

マッド4


<おまけ>


MAD3.png
ドンドコドン、ドンドコドン、ドンドコドン、ドンドコドン。

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ドンドコドン、ドンドコドン、ドンドコドン、ドンドコドン。

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悪い子はいねーがー!!

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ボス! しっかりしてください! ナマハゲ祭りじゃないんで!

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は!!?? いかん、いかん。つい、うっかり。すまんかった、青年会のみなさん。

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ボス! 青年会じゃありません。オレたちウォーボーイズ!

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わちゃー、駿河湾大瀬まつりの白塗りのみなさんかと思ったー。

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誰も知らないでしょ…。
こうなったら! 楽曲部隊! 気合入れに一曲鳴らすんだ!


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まーーーーーつりだ~♪ まつりだ~♪ まつりだ~♪

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これが~♪ にほ~んの~♪ まつ~り~だ~よ~~~♪ (by三郎)
…ところで、わしら何でかっとばしとるんだったかのう?

MAD5.png
ボス! 逃げた女どもを追いかけてるんです!

MAD2.png
お-、そーだったそうだった、そうだったよー。おし! かっとばす!

MAD5.png
あ、ボス! 女も追い抜いて一体どうしたんでー!?

MAD2.png
負けるかー! 今年の福男はオレだー!

MAD5.png
祭りから離れんわー!
…こりゃあ、『あとの祭り』だね。…おあとがよろしーよーでー!



   

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Posted on 2015/06/23 Tue. 22:40 [edit]

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コメント

どうしましょう 

三作目のサンダードームにちょっとがっかりしたので
今作はレンタルで良いかなと思ってましたけど
ただ券で見るのも良いかもしれませんね
2が一番面白いと思っていますけど
1と2の間の物語が見たかったですねー

URL | 鈴木xxx #- | 2015/06/30 11:47 | edit

鈴木xxx  様 

コメントありがとうございます。
恥ずかしながら、まだ過去作は見ていません。
見よう! と思っているところです。

本作は劇場用の映画だと思います。
劇場で見ると茫然とするくらい凄いんです。

ただ券いいですね!

URL | タイチ #- | 2015/06/30 12:57 | edit

初コメント失礼します。 

読んでてすごい笑かしてもらいましたw
お話部分が半端でも黙っちゃうくらいの勢いがあるんですよね。
自分も興奮しっぱなしでした。
男の客はウォーボーイズになりたいと夢見るし、女性客はフュリオサと美女達に共感するし、男女別に見ても感情移入できる余地を作っているのは改めて丁寧だなあと思います。
過去作マッドも是非観てください!

URL | 曇天 #- | 2015/08/17 17:45 | edit

曇天様 

コメント頂き、ありがとうございました。
ホント、女を取り戻したいってだけのレースなんですよね。
行って、折り返して元に戻るという斬新さ。

素晴らしきシンプルな勢い。
だからこそ集中できる人物描写。
複雑怪奇なアクション映画は見習ってほしいです。

過去作も見てみます!

URL | タイチ #- | 2015/08/17 18:27 | edit

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