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ステキな金縛り /あ、ファンタジーだったんだ。 


 ステキな金縛り スタンダード・エディション [DVD]
ステキな金縛り
 (2011年 日本映画)
 70/100点



三谷幸喜の映画は、今や豪華出演陣によるお祭り映画となりました。
お祭りならば踊らにゃソンソンとばかりにお客さんは入る一方、映画の出来はというと、どこか中途半端な感じです。

本作は、それでも期待して鑑賞しました。
予告編の深津絵里の「証人になってください!」の無邪気な笑顔に対し、西田敏之の「えぇ…?」というリアクションが、あまりに絶妙だったからです。
これは、すごく面白いのでは?

あらすじは、「弁護士・深津絵里が、殺人の嫌疑をかけられた依頼人を救うため、依頼人のアリバイを証明できる落ち武者の幽霊に裁判での証言を頼む」というもの。


『有頂天ホテル』の時から思ってたんですが、ダラダラしたシーンが多くないか。
序盤のファミレスなんて、伏線がいくつか出てきますが、心配なぐらい冗長。
とっとと裁判シーンにいけよ! 何を道草してんだ!? と首を傾げてしまいました。
陰陽師のくだりも、ぜんっぜんいらないんじゃない?

で。

落ち武者の幽霊が証人になるのは、常識では受け入れられるはずがありません。
そのために、「落ち武者の幽霊は存在する」ことを、裁判官や検事、世間の皆様に証明する必要があります。
この点をいかに説得力のあるものにするか。ここに、この映画の成否はかかっていると思っていました。

確かに、検事である中井貴一に納得させた手段は、巧い、と思いました。さすがは三谷幸喜。上手に「幽霊の世界」という設定を絡めます。

が…、だからって世間がこの裁判を許すことに、まったく納得いきません。
あげくに、判決に決定的なとどめを刺す幽霊界からの証人の登場。
これをやっちゃーおしまいでは? 
だったら、最初からこの人を連れてくれば良かったじゃん、と。

今後、この映画の世界では、司法はどうなってしまうのか?
そこまで気になってしまったのです。

けれど…、幽霊界から小日向文世演じる死神っぽいのが現れた時に気づいたんです。
あ、これはファンタジーとして観ればいいのか、と。
リアル世界の物語だと思っていたから、違和感があったのです。
もともと、この映画の中の世界は、霊界が身近なのです。

…うーん、それでもやはり乗れないけどねえ…。

それから。
西田敏行のアドリブの暴走が凄いです。
三谷幸喜がスマスマで「迷惑だ」と言っていたのはジョークでしょうけど、確かにキャラを崩壊させすぎ? と思うほど好き放題です。もっと言えば、調子に乗ってます。
もちろん、抜群に巧いです。出オチにしか思えないこの落ち武者設定は、西田敏行だからこそ、ここまで面白くなっているのです。

西田敏行いわく。
「他の映画では絶対にアドリブはやらない。他の撮影現場は緊張感が半端なくて、ぶっ飛ばすぞって雰囲気だから」
と言ったら…

三谷幸喜「こっちだって、そうだよ!(怒)」だって。映画より笑えたわ。

三谷組のこんな宣伝でのやり取りが個人的にとても好きなので、今後も大いに映画作ってください! 


  

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Posted on 2012/09/08 Sat. 08:24 [edit]

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