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るろうに剣心 伝説の最期編 剣心の因果は、平穏に終わるか。 


 伝説の最期
 るろうに剣心 伝説の最期編
 (2014年 日本映画)  80/100点


『るろうに剣心』シリーズ最終章です。

本シリーズの最大の特徴は、邦画のレベルを超えたアクションにあります。
殺陣の早さはすさまじく、工夫が凝らされた動きに目を見張ります。
そして、シリーズの最後を飾る本作は、これまでの前2作を軽く凌駕するアクションを見せつけるのです。
邦画アクションの最大到達点。ここまでやれるのかと嬉しく思ったほどです。
このアクションは、必見っ。








…。







はい。
というわけで、前2作とも、アクションに尽きると書いてきましたけれど、本作に関してもしかり。
けれど、目を見張るアクションは確かなので、それだけでも本当に見る価値があると断言します。
ただ、終盤の激しいアクション場面に至るまで、若干テンポが悪いというか…やや大人しく感じたのも確かです。
個人的に、本シリーズ最大のお邪魔虫・薫のPVのような浜辺のシーンとか、何となくイライラさせられます。無駄に東京に戻り剣心に近づき、大変な戦場で逃げ惑っている薫の姿は、強烈な怒りさえ感じます。けれど、前作で人質になったと思いきや、アッサリと解放された為、今回は剣心が助けに行くような展開はなく、あまり物語の邪魔になっていなかったのは幸いです。(無論、剣心の強さの源でしょうけれど、その辺りの描写がアッサリしてて好感)
あと、それと、本作では今一つ目立たない高荷恵(蒼井優)が、剣心に「赤い着物」を戻す場面でも、「余計なことしてー」とカチンときました。これ、びっくりした。大友監督は分かっていたのでは…。カチンときた理由は…まあ、前作の感想をご覧ください…。
それから、本シリーズで今一つ存在感を示せない左之助ですが、本作でも何となく空気です。一応の見せ場はあるものの、相変わらず剣心との友情の温度差におののかされます。「剣心ーーー!」「あ…どうも…」って感じ。完全に引いてるよね。

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剣心の師匠(福山雅治)が運命のような偶然で現れ、剣心の修行を始めます。ここで剣心は、「生きたい」という意思を持つことでパワーアップできると悟ります。ザッツ精神論。この悟りがよっぽど嬉しかったのか、早速に剣心が、四乃森蒼紫や瀬田宗次郎に言って聞かせる感じが、ちょっと自慢げです。

さて。

本作で魅力的なのは、「重たい傷」を抱えた哀しきテロリストである敵側です。
敵ボス・志々雄の怨念が激しく描かれます。明治政府への怒りは、常軌を逸した狂気へと変貌し、次第に自身の企てた計略さえ焦がしてしまうのです。最終決戦時の志々雄をみるに、彼は明治政府に「勝つ気」はなく、ただ「怒り」と「意地」と「誇り」を見せつけたかっただけのように思うのです。ラスト、伊藤博文に敬礼させたことで、彼の本当の目的は達せられたのだと思います。(『ラストサムライ』そのまんまだったけど)
瀬田宗次郎(神木隆之介)も哀しいです。「強さ」のみを信じ、己の「強さ」を信じ込んでいた宗次郎が、剣心との再戦で感じた「勝てない」という違和感に、笑顔を曇らせながら戸惑う場面が哀しいです。正直言うと、本編に関わりのない恨み節を抱えた蒼紫の物語よりも、もっと宗次郎や駒形由美といった志々雄の周辺人物の描写を濃くしてほしかったように思います。敵側の抱えているものの深みを知ることが出来た方が、最終決戦はもっと盛り上がったのにと思うのです。その点を、イチ悪役キャラによる簡潔なダイジェストで説明されてしまったのが、残念でした。

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さてさて。

志々雄に近づくため、狡猾な明治政府と手を組んだ剣心。打ち首されると見せかけて縄が解かれる場面は、分かっていたけど鳥肌ものです。その前に、剣心の罪状を読み上げさせられていた役人が、声を詰まらせるという細かな演出が好きです。
志々雄との最終決戦では、なんと剣心のみならず、左之助に斎藤、蒼紫まで参戦。4対1のド派手な殺陣が展開されます。細かいですが、本シリーズを通じ、どんな窮地にも一切顔色を変えなかった斎藤(江口洋介)が、初めて志々雄と刃を交わし、「マジか、こんなつええの…?」とぎょっとする表情に吹きました。

この最終決戦は本当に見応えあり。原作にもあった通り、志々雄の刀から炎が噴き出す演出も見事に映像化されていました。15分しか闘えないという志々雄の事情に助けられたような結末ではありますが、ラストにふさわしい興奮をたぎらせます。ただ、志々雄の愛人・駒形由美を犠牲とした一太刀が面白いのですが、前述の通り、駒形由美の人物描写があまりなされていなかったために、あまり活きていないのが惜しいところ…。

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それにしても。

剣心と明治政府の仕掛けた打ち首芝居の際に読み上げられた剣心の罪状は、本当のものです。前作でも描かれたように、それは過去の事であり、無知であったが為とはいえ、深い深い罪に間違いありません。それに対し、一瞬罪悪感を感じるような表情をしてみせた剣心でしたが、以降の本編の流れには影響はしませんでした。薫や仲間と紡ぐ未来を堅持しようと願う事で、さらなる強さを手に入れた剣心は、ある意味「利己的」になったのだと思います。「お前が死ねば、誰かが悲しむ」などという師匠の考え方は、ちょっと綺麗に仕立て過ぎであり、ぶっちゃけて言えば、剣心は「欲」を手に入れたのだと思います。

「欲」が、人を成長させるのです。
そして「欲」は、過去の「罪」に蓋をしてしまいます。
しかし、その「罪」は、剣心から離れていく事はありません。

そういった面を描写して見せるほど、本作の物語に深みはありませんが、もしも続編があるとするならば、その因果が巡る悲劇を見てみたい気がします。薫にプロポーズとも取れる言葉を投げかけて幕を閉じ、のんきにも平穏を迎えた本作に、そんな闇を感じたいと思ったのは、意地悪な見方なのでしょうけれど。

それほど。
志々雄が撒き散らかした強烈な「闇」の残滓は、そう簡単には消えないのだということで。


「るろうに剣心」の感想はこちら。

「るろうに剣心 京都大火編」の感想はこちら。


   

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Posted on 2015/11/03 Tue. 23:19 [edit]

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