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ターミネーター:新起動/ジェニシス【感想・レビュー】シュワより、カムバックすべき「あの人」 


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 ターミネーター:新起動/ジェニシス
 (2015年 アメリカ映画/監督: アラン・テイラー)  
 79/100点



<結末以外、ほぼネタバレしています。>


新年、初更新です。今年も宜しくお願いいたします。

さあ。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の感想の時にも書きましたが、昔のエンタメ映画は、とにかく物語や設定がシンプルです。

本作の原点である『ターミネーター』もしかり。ようは、人間の姿をした悪のロボットがスゲー強くて怖いよ…っていうパニックホラーだし。

『ターミネーター2』も実はいたってシンプルで。前作で敵だったロボットが味方になったら、スゲー頼もしくって愛らしい! …っていうギャップ効果の話なのです。

そこに、小難しい理論をすっとばしたドラえもんレベルのタイムトラベルな話が加えられ、心地よいエンターテイメントに仕上がっていたわけです。(もちろん、監督:ジェームズ・キャメロンの演出も並はずれていたわけですが)

それに比べると、どうしても本作の物語には、「複雑さ」を感じます。
タイムパラッドックスをこねくり回すようなストーリーは、本作に似合わないので避けた方がいいのでは…。途中、「ん? どうつながるんだ?」という疑念が湧きました。

複雑にすることで「議論」を巻き起こし、面白くなる映画もあります。しかし、本作の「複雑さ」は、「込み入っている」だけなので、面白くないんです。

最近のアクション映画全般に言えますが…、もっとシンプルでいいんだと思うのです。『マッドマックス 怒りのデスロード』の評価が高かったのは、「追いかけゴッコ」のシンプルさが清々しいからなわけで。

ジェネシス4


さて。

とはいえ、やはり歴史的大作の続編ですから、見どころもあります。

本作は、シュワルツネッガー(以下シュワちゃん)のターミネーターが復活ってところが大きなミソです。もはや好好爺にしか見えないシュワちゃん演じるターミネーター(T-800)ですが、真に進化したロボットなんだと思えれば、納得。

そして。

本作の序盤は、懐かしさを上手に刺激するよう作られています。

第一作の『ターミネーター』と全く同じ時間と場所に現れた若いシュワちゃんを、現在のシュワちゃんとヒロインが瞬殺するって場面には強く惹かれました。トランクスが、あっとういう間にフリーザを一刀両断した時くらいの衝撃。続けざま、『ターミネーター2』で登場した液体金属の敵・T-1000との、既視感のあるチェイスにもワクワクしました。

つまり。

駆け足で『ターミネーター』と『ターミネーター2』をおさらいし、中盤からいよいよ未知の物語が幕を開けるゾ! 真の『ターミネーター3』を始めるよってこと! 期待を煽る素晴らしい掴み!

なんだけど…

そこで実は…、本作の見所は終わってしまったかな…?

序盤に、『初代』と『2』の素晴らしい思い出を蘇らせてしまったことで、かえってその後の展開が陳腐に見えてしまうという、仰天の皮肉。

ジェネシス


で。

本作のもう一つの胆は、「まさか、あの人が敵に!」ってところなのかもしれません。

しかーし!

「あの人」って、もちろん『ターミネーター2』や『ターミネーター3』で大活躍の「あの人」なわけですが、見た目も何もかもが違い過ぎて、もはや別キャラのようで感慨も驚きもあったもんじゃない。それは、すでに『3』でやらかした失敗パターンのはずなのに…。

『ターミネーター3』の失敗に学ぼう! 『スピード2』の失敗に学ぼう! 『ハンニバル』の失敗に学ぼう!

印象的だったキャラクターを別の人が演じると、どうしても劣って見えるものです。「あの人」は、絶対にエドワード・ファーロングが演じるべきなんだ!

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あ…、ア…、そっかぁ… スキャンダルだらけでしたか…


そんな中、なんだかんだシリーズ5作中、全てに出演しているシュワちゃん(『4』はCGでの出演)が救いのように思えますが、一人だけシリーズを通して出ることによって、一層「あの人」の違和感が強調されるというテラ皮肉。

シリーズおなじみのロボット小ネタ(ぎこちなくニッコリ)や、ヒロインさえ戸惑った唐突な「アイルビーバック!」も、まるで亜流のパロディに友情出演したような空気が漂います。

それから。

思い起こせば『ターミネーター』シリーズは、映像技術の革新の歴史でもありました。とりわけ、『2』のロボットの液体金属表現には、みな驚かされたものです。

『3』以降、そして本作にも、その点が見当たりません。どこかで観たことのあるアクションで構成されているばかりで、映像自体に新鮮味がないのです。

本作の最終ボスの印象も薄い。幾度も主人公たちに足止めを食らう姿は、気の毒になるほど不甲斐なく、切迫感が足りません。「あの人」だからってんで、凄い展開のつもりかもしれませんが、前述の通り、役者が違うのでいまいちノレない。

…おまけに、そもそも「あの人」は敵に改造されてしまったのです。
それにも構わず、アッサリと敵対してみせる両親ってのはどうよ。尾木ママが見たら、血相変えて「体罰はダメよ」と拡散しだすことでしょう。

ジェネシス2


そして、最も首をかしげてしまったのは、「あの人」のあるセリフ。

自分の過去の両親が死んだとしても、「時間軸上、問題ない (`・ω・´)キリッ」という仰天告白。

私の理解不足の可能性もありますが…、それを言ってはおしまいなんでは…? そんなに複雑に無数のパラレルワールドが存在するなら、過去に行ったりなんだりっていう努力の意味がなくなってしまうのでは…?

ほらみたことか。

パラドックスの話なんか持ち出すから、ツッコミどころが頭をよぎって物語に集中できないんだって。

第一、こんな過去に何度も行ったり守ったり争ったり…、こんなこと、ヘタしたら永遠に続いてしまいかねませんよ。お互い、どっかで停戦協定結んだ方がいいんじゃない? 

と、まあ…、何とも腑に落ちない展開に、せっかくのアクションも色あせて見えてしまうのでした。

ジェネシス3


しかし。

いたって大真面目なカイル・リースが、時折クスリと笑わせてくれるのがオツです。「助けにきたよ!」とばかりの勢いを、無情にサラに削がれちゃう間の悪さだとか、サラとシュワちゃんとのホンワカした三角関係だとか、細かい所が面白いです。

特に、サラ・コナーと恋仲になる未来を聞かされてドキドキしたものの、「子どもを作った直後に死んじゃうけどね!」という、カマキリのオスのような運命を知らされたカイルの心境を思うと、気の毒でなりません。

あれ?  そういえば、カイル・リースって、『ダイハード ラスト・デイ』のマクレーンの息子じゃないですか。どうりで冴えないと思った…。

というわけで。

『ダイ・ハード』シリーズにも似た、続編のガッカリ感は否めません。ツッコミどころを探しながら、楽な気持で鑑賞するのがオススメです。

例えば、最初のターミネーター登場シーンで、「穿いてるのか穿いてないのか、言わんのかい!」 とか。

ターミネーター
安心できません。照れもなく全裸ですよ。


それにしても。

何度も言いますが、エドワード・ファーロングが抜けた事が、全ての元凶のような気がします。こうなったら、思いきって復帰してもらい、イチからやり直してみてはどうでしょう。過去に何度も戻ってやり直す物語だから、同じように何度もリブートしたらいいんじゃない!?


  

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Posted on 2016/01/07 Thu. 13:31 [edit]

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