素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

物語を省いて、 エンディングが好きな映画について。 


個人的に、強烈に印象に残るエンディングがあります。
それは、物語としての結末、という意味ではなく、単に演出に関してです。
それも、「エンドロールが流れる直前の暗転のさせ方」です。

エンドロール←これが流れる直前の演出のこと。


それは、完全に個人的な嗜好です。細かすぎて伝わらない感想になりそうな気がします。

遠景の風景で終わる演出は、あまり印象的と思いません。
だから、作品自体は大好きですが、宮崎駿作品のエンディングは、あまり好みではありません。

個人的にグッとくる暗転とは、おおよそ以下のパターンの場合が多いです。

・「え? おわり?」と思わせるくらい唐突に終わる。
・人物の表情のアップで終わる。
・映画のタイトルが改めて表示される。
・鳥肌もののBGMとともに終わる。


今回は、個人的に大好きな終わり方をする映画を並べてみました。ちょっと気分転換も兼ねて。
繰り返しますが、「物語としての終わり方」ではなく、あくまで「エンドロール直前の演出の仕方」の好みです。


<エンディングの話なので、当然ネタバレ全開です。>


『ゴッドファーザー』
ゴッドファーザー

マフィアのドンとしての仕事に取り掛かる主人公・マイケルと、不安げな妻との間の扉が閉まった瞬間、画面が暗転します。唐突タイプの演出です。映画と観客の間を引きはがすような演出は、主人公が危険な世界へと離れていく不安を、マイケルの妻だけでなく、観客にも疑似体験させる効果があるように思います。『クレイマー・クレイマー』では、エレベーターが閉まった瞬間に暗転します。あちらはハッピーエンドのはずですが、逆にあの演出で、何故か先行きの不安を感じたものです。

ゴッドファ ゴッドファ2


『セッション』
セッション

物語が決着した次の瞬間にエンドロールを流す潔さが好きです。後日談などの蛇足な描写は野暮ってもんです。ジャッキーチェンの映画も昔は、敵のボスを倒した瞬間に終わり、すさまじいほどの合理主義だなと思った覚えがあります。

sessyonfainaru


『別離』
別離

暗転せず唐突にエンドロールが流れ出すパターンです。本作では、登場人物たちが、廊下で裁判の結果を待つ画面のまま、スタッフの名前がゆっくりと上がっていきます。静かな終わり方のようで、最も油断なりません。何かが表現されているはずだから、緊張します。素晴らしくクールじゃありませんか。ハネケ監督の『隠された記憶』も同様。最後まで気が抜けません。


『ニキータ』
ニキータ

学生の頃、初めて「唐突に画面が暗転するタイプ」に出会って衝撃を受けました。ニキータの上官の「お互い、寂しくなるな」という意味深な皮肉の直後に暗転します。え…これで終わるんだ…と茫然となったものです。それまでハリウッドの大作アクションばかりに慣らされ、事件が解決してハッピーハッピーで終わったりする映画しか観たことがなかったので、尚更でした。その頃、「含みを持たせた、もやっとする終わり方」にしばらくハマり、ヨーロッパ映画ばかり見ていました。


『トリコロール/白の愛』
トリコロール

かなり大昔に観て、映画の内容を一切覚えていないのに、ラストカットの涙する男の表情がずっと記憶に残ってます。人の表情のアップで終わる映画が好きです。『ジャッキー・ブラウン』も、アップではないですが、役者の表情を見せて終わります。『戦場のメリークリスマス』はビートたけしの笑顔のドアップで終わります。「メリークリスマス、ミスターローレンス!」というセリフ回しが、少しばかり微妙ではありますが、印象的です。あそこだけ観ても、映画一本観たような気がしてしまいます。『ゆれる』での香川照之の表情で終わる演出も良かった。「含みを持たせた、もやっとする終わり方」でもあります。弟に対する彼の感情を読み取れるかどうかの刹那、バスが横切って暗転します。すごい。

トリコ

sennjyouno


『ソナチネ』
ソナチネ

暗転直前まで鳴らされていた久石譲の印象的なBGMが、一瞬の静寂のあと、エンドロールになってから改めて流れます(若干編曲されています)。その繰り返しの効果が高いです。そのことで、映画終盤の余韻が一層強まって脳裏に反芻されます。


『あの夏、いちばん静かな海』
アノナツ

誰も知らない北野武の初期作品で、恋愛映画の傑作です。エンディングシーンで、楽しかった頃の思い出やカーテンコールのような映像とともに印象的なBGMが鳴り響き、曲の終りと同時に、映画のタイトルが表示されます。本編の内容を暗転直前に改めて噛みしめさせ、思い出させ、泣かせます。このパターンは、他にも『桐島、部活辞めるってよ』『ブルー・バレンタイン』『ダークナイト』でも見られ、いずれも、カギカッコで閉じた文章のように、本編がしっかりと締めくくられている印象を与えます。

あの夏、いちばん


『裏切りのサーカス』
うらぎりの

音楽には全く造詣がないのですが、今まで全く知らなかった(知りようもなかった)古い名曲を、映画本編でのドンピシャな挿入のおかげで大好きになることがよくあります。本作のエンディングシーンに流れる「ラ・メール」というシャンソンが、無茶苦茶素晴らしくて嬉しくなります。明るい曲調が、スパイたちの最期の悲哀を色濃くさせ、そのまま大団円の締めくくりまで奏でられます。映画の最後(曲の最後)には、拍手喝さいまで付けられて、難解な映画の為に疲れ切った頭を、一瞬でスッキリさせてくれるのです。

裏切りの


『エヴァンゲリオンQ』
evaQ.jpg

これは、暗転直前ではなく、エンドロール中に流れる宇多田ヒカルの『桜流し』が強烈でした。終盤でドラムをバシバシ鳴らす盛り上がりに鳥肌が立ちまくり、本編は何だかよく分からなかったにも関わらず、『壮大な映画を観終えた』という満足感で胸がいっぱいになりました。エンディングテーマはとても大事です。終わりよければ、全てよし。タイアップの為だけに合わないミュージシャンの曲を流すのはご法度です(最近では『ソロモンの偽証/後篇』がひどかったです)。前述の『セッション』でも、エンドロールに流れる『overture』の余韻が凄かった。『かぐや姫の物語』の「いのちの記憶」も良かった。暗転後の暗闇の中でじっくりと映画を反芻できるのが、ふさわしいエンディングテーマなのです。


というわけで、何だかまとまりのない感想になってしまいました。
いつも以上に個人的嗜好全開で、失礼しました。
さて、みなさんは、どんな演出が好みでしょうか。

今日はこの辺で。

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Posted on 2016/01/21 Thu. 23:57 [edit]

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コメント

 

どうも!紹介させていただきました。

老婆心ながら申し上げると、記事のタイトルを冒頭に書いていました「物語を省いて、エンディングが好きな映画について。」といったふうに、今後もわかりやすくしたほうがいいかと。
そのほうこちらも紹介しやすいので!

せっかくいい記事ですので……よければご検討ください。

URL | ヒナタカ #- | 2016/01/30 19:44 | edit

ヒナタカ様 

アドバイスありがとうございます。
早速変えてみました。

URL | タイチ #- | 2016/01/31 14:46 | edit

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