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トガニ 幼き瞳の告発 この実話は、直視されるべきだ。 


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 トガニ 幼き瞳の告発
 (2012年 韓国映画)80/100点 


これが実話だ、ということを信じたくないほどの「大人の卑劣」さ。

聴覚障害の学校で実際に起きた児童虐待の話です。2011年韓国での上映後、韓国国民の怒りを呼び覚まし、「トガニ法」という児童虐待を厳しく罰する法律が制定されるまでに至りました。 

主人公は、この学校に新しく赴任してきた新米の美術教師コン・ユ。
赴任早々から、コン・ユは学校全体に覆う異様な空気に気づきます。
コミュニケーションの壁を作り、何も話そうとしない生徒。
不気味な双子の校長と行政室長(教頭みたいなものか?)によるコン・ユへの謝礼の要求。
職員室で、体罰というにはあまりにも激しく生徒に暴行を加える教師。
生徒の顔を洗濯機に沈める寮母。
ある夜、学校に居残っていたコン・ユは、少女の嗚咽を聞きます。
声のする女子トイレのドアノブに手をかける寸前、「女子トイレに入るつもりか」と警備員に咎められ、確認を諦めますが、まさにその時、そこでは女生徒が校長の手によって凄惨な暴行を受けているところでした。

観客の怒りは息が詰まるほど増していきます。早くコン・ユに何とかしてほしいと願います。
しかし、コン・ユはただの新米教師。
その上、妻が他界しており、喘息のある娘をコン・ユの老齢の母親が面倒を見ているので、彼自身に余裕がありません。
その母親は、夢見がちなコン・ユを叱り、「大人になれ」と諭します。
立場の弱い者は、強い者の不正を黙って見ているしかないのか。  
学校の問題の追及を諦め、校長が好んでいるという「蘭の花」を手土産に、校長室へ出向くコン・ユ。
その時。
校長室から、職員室で生徒を殴っていた教師が、またもや生徒をひどく痛めつけながら出てきたのです。
震える男子生徒の背中。
観客とともに、ついにコン・ユの怒りが沸点を超えます。
持っていた蘭の花の花瓶を、教師めがけて打ち付けるのです。
 
映画は、まさにここから始まります。 

暴行と淫行を受けていた女子生徒と男子生徒が原告となり、ついに学校を相手に裁判が始まるのです。
映画は、さらに加速して汚い大人たちを描いていきます。
怒りのあまり、観客の中には気分の悪くなる人も出ているとか。

子役たちは、壮絶な芝居を繰り広げます。 
撮影時、できるだけ子役たちの心の傷にならないよう十分に配慮されたといいますが、確かに児童虐待、ましてや子供への淫行をここまで直接描いた映画は少ないでしょう。
一歩間違えば、興味本位の不謹慎な映画と断罪されそうですが、真実をひたすらまっすぐにとらえた映像からは、製作者側と実際の被害者の必死の怒りが真摯に伝わってきます。最後まで画面を凝視し、否応なく涙が浮かびました。

裁判は混迷を深めます。
あくまで、嘘を突き通して逃げようとする大人たちと、その大人たちを逃すまいと、必死に証言を続ける女生徒たち。

まさに、「必見」の映画です。

終盤で起きる男子生徒の事件は、若干過剰な演出に傾きすぎた一面もあります。
また、コン・ユの良きパートナーとなるヒロインのキャラクターが、破天荒で気が強く、ちょっとドジでツンデレタイプという、ステレオタイプな設定なのも気になりました。ラストの放水車のシーンも、ちょっと演出が濃すぎかな。

いや、それを差し引いても、本作は、われわれ大人が目をそむけずに直視すべき映画だと思います。 


  

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Posted on 2012/09/10 Mon. 19:35 [edit]

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