素人目線の映画感想ブログ

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※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。

グッドナイト・マミー /親子の間で最も必要なこと。 


 guddonaitomami0.jpg
 グッドナイト・マミー
 (2014年 オーストリア映画)  79/100点


本作は、アカデミー外国語映画賞において、オーストリア映画代表に選ばれたサスペンス・ホラーの傑作です。

見とれるほどの映像美と、ひねった展開、心理的にゾクっとくる演出など、しっかり作られた上質なホラーであることは間違いありません。
 
だ が 。

本作は、絶対に人にお薦めできません。

なぜならば、本作には、決して映してもらいたくない「あいつ」が、画面に盛り込まれているからです。
そう、それは、ハリーポッターの「あの人」並に名前すら呼びたくない、「真夏の部屋に出てくるあの黒い虫」のことです。「あいつ」を、まるっきり写しこんでいるどころか、要所要所でキーポイントのように使ってるって、どうなのこれ。

外国人の感性を疑います。たまに映画に出て来ますよ。『メン・イン・ブラック』とか。…邦画で映しこんでいる作品なんてないでしょう? 日本人ほど嫌いじゃないのかなあ…

第一、登場人物が「あいつ」を大量に飼っているって設定だもんで、もはや、画面を見ていられませんでした。
ただし。
オーストリア種の「あいつ」は、日本の「あいつ」とは形が異なるので、若干マシですけど、それでも同じ名称だと思うとおぞましい。大きめのダンゴ虫だと思えば可愛いもんだって…? それにしても黒々してる上に大きすぎでしょ!? 
フォワイ! オーストリアンピーポー! オカシーダロ! 
ビンにたんまり詰め込んだり! 神社の餅投げみたいに掴んで放ったり! わんさか湧き出てきたり! 顔の上に置いたり! 口の中に  

途中、涙目でした。

というわけなので、心のスイッチが切れたような鑑賞になってしまったのでした。
大抵のホラー描写やグロテスク描写には慣れてますが、これだけはダメです。やっちゃダメです。

けれど。

それ以外は、確かに見応えのある映画なんです。残虐さと哀しみが混在した切ない系ホラーでもあります。ゆえに、モッターイ、ナーイ。

グッドナイトマミー


あらすじは、「富裕な別荘に住む双子の兄弟・エリアスとルーカス。彼らの元に、顔の手術を終えた母親が帰って来る。しかし、優しかったはずの母親は、ひどく冷徹になっていた。果たして本当の母親なのか。兄弟は、次第に疑念の目を向け始める…」というお話。

美しい双子の少年二人の元に、顔を包帯でぐるぐる巻きにした、まさにマミー(mummy)ならぬ、マミー(mommy)が帰ってきます。

mummy.jpg ←こちらが、mummy。

まmmyimages ←こちらがmommy。

本作は、あまり説明がなされません。
なぜ母親が顔を手術するに至ったのか、父親はいないのか、仕事は何をしていて、こんな豪華な別荘に住んでいるのか…。その辺りが全く語られないため、一切は推測していくことになります。映画が後ろ手に何かを隠し持っているようで、それが不安な空気を作っています。いつ、どこで、恐怖の真実が破裂するかわからない緊張感が、じとりと滲んでいるのです。

とにかく。

かつては優しかった母親が、明らかに人が変わったように、冷徹でヒステリックになっていました。
そんな母親に反発し始める兄弟に、母親は虐待のような折檻を与えるのです。

深まる溝。

そして。
『アンビリーバボー』風に言うと、物語は、思いもよらない展開を迎える!


グッドナイトマミー3


<ネタバレします。最も重要なネタバレはしません。>


驚嘆しました。
本当に、思いもよらない展開でした。
強いて言うなれば…、タランティーノの『デス・プルーフ』です。恐れさせていた者と、おののいていた者の逆転。
本作に善悪があるのなら、すこぶる痛快であったことでしょう。
しかし。
本作の恐ろしさは、愛情で結ばれている母・子と、兄・弟に巻き起こる悲劇である点にあります。根底にあるのは、壮絶な「誤解」と「すれ違い」 それは、アンジャッシュのコントと違って、クスリとも笑えません。「児島だよ!」くらい、クスリとも笑えません。

母親に、落ち度はあったように思います。
心の傷を抱えていたであろう「彼」に対し、余りにも対処法が乱暴でした。

一般的に、子を心配する余り、親は良かれと思って厳しい態度で接します。しかし、それが子にうまく伝わらず、かえって反抗期を強めてしまう結果になることはよくあります。傷付けてしまい、自信喪失に陥らせてしまうことも、よくあります。職業柄、そういう光景をたくさん見てきましたが、それは、大抵は「説明不足」が要因です。
子を叱る時、「理由」をしっかり理解させること。
さらにその上に、それが「愛情」に基づいて行われていることを、十分に示すことが鉄則なのです。

そこが、本作の母親の決定的な過ちでした。
ただ、母自身も傷つき、混乱していたのです。それもまた、子を想う「愛情深さ」ゆえなのだから、皮肉にもほどがあります。

本作の物語では、「子への愛」と「親への愛」が表裏一体であり、それゆえ、交わることなく突き進むのです。

茫然…。

ただし、最後の大オチは途中で気づくかと思います。気づけるようにたくさんの伏線が敷いてあるからです。勘のいい人ならば、序盤で分かるようです。
それでもこの結末は、もはや前述の「あいつ」を上回る衝撃でした。
そういえば  mummyにはメラがよく効いたなあ…(衝撃のあまり、現実逃避中)

結論:まず、親子でしっかりと話し合うことが大事です。それと、子どもの好きな歌くらい、把握しておきましょう。
訂正:すみません、嘘言ってましたが、私には結末よりも「あいつ」の衝撃の方がはるかに凄かったです。


 

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Posted on 2016/07/02 Sat. 00:21 [edit]

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