素人目線の映画感想ブログ

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ツリー・オブ・ライフ あなたの宗教心を刺激したり、しなかったり。 


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 ツリー・オブ・ライフ
 (2011年 アメリカ映画)70/100点


先日読んだ池上彰さんの本の中で、養老孟司さんが、「日本人は『無宗教』と言われるが、その『無』とは、諸行無常の『無』のことであり、また無意識の中に宗教が入り込んでいるという意味だ」と仰っているのを読んで、すぅーっと腑に落ちてくる感じがしました。
神社だ寺だクリスマスだ教会婚礼だとか、宗教にはいい加減と思われがちな日本人ですが、日本人には、もともと「仏だ」「ゴッドだ」とはっきりしてはいないものの、時には私たちを見守り、時には天罰を下す、「人の手ならざるものが存在する」という意識自体は、誰の心の中にもあると思います。だから、決して宗教心がないわけではないと。

キリスト教は唯一神の宗教です。「イエス・キリスト」を強く信仰し、時には争いの種にもなっています。
祈りをささげ、神の声を聴きたい。神のもとへ行きたい。神に認められたい。
その気持ちは、やはり時に日本人の理解を超えるものではあります。
(あちらから見れば、日本人こそ、異端な宗教心なのですが)

さて、この映画は、多くの著名な映画人から崇拝されているテレンス・マリック監督の極めて私的な宗教映画です。
 
なぜ、今回の感想文、こんな話から始めたのかと言いますと…

すみません、上映途中で寝てしまいました。(照) 

「お前に映画鑑賞能力がないからだろーが」と断罪されるのが怖くて、「いや、そうじゃない、宗教についていろいろと考えてはいるんだ。だが、無意識に宗教が入り込んでいる私には、このとびっきり、『神でごわす!』的な映画が、自分の理解を超えていたということなのだ!」と言いたかったのです、要は。

予告編にはめちゃくちゃ期待したものです。
「モルダウ」という重厚で有名なクラシックを背景に、素晴らしく美しい映像の数々。
赤ん坊の小さな足を幸福そうに見つめるブラッドピット。心に影を抱えたショーンペン。
剛腕な父親とそれに翻弄される子ども達に見える、ほろ苦いノスタルジックな感じ。
そして、最後に低いトーンのナレーション。 「父さん、あの頃の僕は、あなたが嫌いだった…」
ズキューンと胸を貫いたのであります。2か月前から期待していたのです。
実は、さっき予告編を見返したのですが…やはり鳥肌たった! 

まさか、まさか。
ブラットピットの家族ドラマ部分が終わった後に…恐竜が出てくるなんて…
壮大な天地創造シーンが脈絡なく溢れこみ、神への祈りの言葉が続いていくだなんて…
ショーンペンが、ただ粛々と歩き回っているだけだなんて…
 
そして気づいたら、寝てました。

映像はやはり美しいのですが、何をやっているのかは大変わかりにくい。
もちろん、カンヌ映画祭の最高賞パルムドール受賞ですから、私が理解できなかっただけなのですけれど。
時に海外の映画には、その国の文化や宗教をよく知らないと楽しめない映画があります。
特に、キリスト教をよく知ってこそ、という映画は結構多いです。

それでも、やはり「モルダウ」の流れるブラットピットの家族シーンは良かった。
私も3児の父親なので、「強く育ってほしい」と願い、時に無茶な教育をしてしまう気持ちがよくわかるのです。反省も多々あるけれど。
この家族シーンがあって、どんなにほっとしたことか。
昔、「ピアノレッスン」という映画で、マイケル・ナイマン作曲の音楽に感銘を受け、たまたま地元にナイマンがコンサートに来るということで、背伸びしまくって聴きに行ったら、肝心の「ピアノレッスン」の曲をなかなか演奏せず、まさかやらないのではと不安になった矢先に、やっと演奏が始まって、良かったーとほっとしたあの時の記憶が蘇ったものです。(あんまし関係ない)

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(映像は本当に美しい。)


ブラットピットの強い父親像。そして愛の象徴である母親の存在。
一人の少年は、反抗心を少しずつ成長させていきます。
大人になったショーンペンは、弟の死をきっかけに、父親に背を向けた自分に後悔の念を抱くのです。
「なぜ、あなたに背を向けたのか。道に迷い、あなたを忘れていた」と。
もしかすると、父親と神を重ね、許しを乞うている物語なのでしょうか。
これは、テレンス・マリック自身の神への祈りの物語だと思います。

くれぐれも。
出演者が豪華だわー。ブラットピットの出演作だわー。
という生半可な気持ちで見てはいけません。気持ちを込めて、最大のアンテナ感度でどうぞ。
あなたには、何かが感じられるかもしれません。


 

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Posted on 2012/09/11 Tue. 22:28 [edit]

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