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ボーン・スプレマシー 記憶をなくしたスパイ、絶賛覚醒中。 


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 ボーン・スプレマシー
 (2004年 アメリカ映画)  85/100点


<最後までネタバレしています。>


前回に引き続き、マット・デイモンのアクション映画「ボーン」シリーズです。今回は第2弾。
「スプレマシー」というタイトルが、なんか高級な香水かコーヒーメーカーみたいに響きます。スプレマシー、スプレマシーと何度かささやいていると、ボーンが宮本亜門ばりにコーヒーをすすってる小癪なイメージが湧き上がりそうです。…意味は「至高」だそうで、つまり「ボーン、至高」…、とはいっても、「オレって最高じゃん…」とボーンが悦に入る話ではありません。「優位、主権」という意味もあることから、前作よりもパワーアップしたボーンがCIAを手玉に取ることを意味しているようです。

というわけで。

本作もまた、限りなく地味なスパイアクション映画を目指しています。独特の「暗み」を持つ本シリーズは、ハマればその渋さを堪能できるし、合わないと「退屈…?」と感じかねません。CIAとボーンのチェイスを軸に、「かつて自身が犯した殺人(スパイの仕事)の真相を、ボーンが探り出そうとする物語」を描きます。相変わらず、「あ、アタマが…」と頭を抱えるとともに、過去の記憶の断片がフラッシュバックされるボーン。自分はかつて、何か大きな罪を犯している…という得体の知れない罪悪感が彼を悩ませます。「オレは…一体何をしたんだ…」 もしや…、コンビニでお釣りを多くもらったのにダンマリを決め込んだとか…。あるいは…、友達から借りてたDVDを間違えて上書きしちゃったとか…。まーそんなことなら、そのまま抹消しとけばよいだけのこと(ひどい)。ボーンの心の奥底に沈んだ罪の記憶は、ボーンの表層心理を越えて赦しを乞おうとするほど、大きなものだったのです。

スプレマシー3


一見、よくある逃亡劇ですけど、とにかく展開が硬派でまいります。序盤いきなり、前作から登場していたヒロインのマリーがやられてしまうのでビックリ。ハードボイルドやなー。車ごと水中に転落した後、必死に助けようとするボーンの努力もむなしく、ヒロインは儚くも水中に消えていくのです。ボーンの哀しみが強烈です。さぞ無念だったことでしょう。ついでに言うと、マリー役のフランカ・ポテンテも、もう退場ってあーた!? とさぞ無念だったことでしょうね!

ボーンを追うCIAの描写にも特徴があります。頭脳明晰なCIAの指揮官パメラ・ランディの手際の良い指示が気持ち良いです。どうやってボーンを探し出そうとするのか、その地道な手法がとても丁寧に描写されます。とはいっても、明らかにボーンが上手。前作よりも組織的ににぎやかになった様子のCIAですが、ボーンに裏をかかれてばかりです。その点で、やや緊張感に欠けているような気もします。おまけに、「近くにいるぜ…、覗いているぜ…」とわざわざCIAに教えてしまうボーンの自己顕示欲が生意気です。やっぱり、「オレって最高…」の方の「スプレマシー」だったのか。

スプレマシー2


アクションはやや派手になりました。しかし、荒唐無稽のはずなのに、終盤のカーチェイスでは、手ブレしまくっているカメラが臨場感を生み出し、妙に現実感の重みを感じさせます。トースターを使って爆破を起こすのが敏腕スパイっぽいですが、やはりマット・デイモンがやるとより知的に、丁寧に、そしてリアルに見えます。そこは、関西弁をしゃべりながら日本刀を振り回しそうなスティーブン・セガールとは違うのです。ましてや、意気揚々と飛行機にしがみついてハシャぎ倒すトム・ク―

さて。


<以下、ラストに触れます。>


本作は、ボーンの贖罪の旅。自分が犯した罪がなんであるかを知ったボーンは、その被害者の娘に謝罪に出向きます。
自分の母親が父親を殺した…と思いこまされていた娘に、真実を明かします。
知らない男が知らぬまに部屋に上がりこみ、いきなし「オレが犯人だよ…」と述べる衝撃たるや…。その告白直後に自分も消されるのではないかと、あぶら汗ダクダクだったはず。ボーンには、手紙、という手段を教えてあげたいところです。前フリ、という段取りも教えてあげたいですね。それにしても、真実を聞かされた娘は、どんな気持ちだったのでしょうか。それで、彼女は何かが救われるのでしょうか。それに、コソコソと娘に告げるよりも、世間に公表すべきではないでしょうか。そして、ボーンは娘に恨まれ続けるべきではないでしょうか。この場面に、何か釈然としないものが残ったのでした。

スプレマシー4


それにしても、本作はラストカットが渋い!
パメラに電話をしているボーン。今回の事件のカラクリを知り、CIAの内部腐敗を暴いたパメラは、ボーンに感謝をし、会えないかと尋ねます。
「疲れた顔をしているな、休めよ」と、またしても「近くにいるぜ…、覗いているぜ…」を披露。何気にストーカー気質なのかもしれません。が、それを聞いた直後、パメラがはっと振り向いた瞬間にエンドテーマがかかるカッコよさ! 久しぶりに、巻き戻して二度見したラストでした。

レトロなヨーロッパ映画のような空気感。この本シリーズ独特の味わいが、この先も続いたらいいのですけど。


第1弾:ボーン・アイデンティティーの感想はこちら。

第3弾ボーン・アルティメイタムの感想はこちら。


  

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Posted on 2016/09/21 Wed. 20:14 [edit]

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