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ラブ・アクチュアリー /愛し愛されて生きるのさ。 


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 ラブ・アクチュアリー
 (2003年 イギリス映画)  80/100点


気分の落ち込んだ時に見たら、本作のノーテンキさにカチンと来るかもしれない…と思ってしまうほど、ライトなラブコメディです。
この映画を見て元気になれる人がいるとしたら…、
たぶん、その人はもともと元気なんじゃないかなあ。

すみません。しょっぱなから、言いたい放題でした。
ちなみに、世間の本作の評価は高いですよ。
きっと、ひねくれた気持ちなく見たら、実に心温まる映画なのでしょう。

んで、私は少しひねくれて見たんですが。

クリスマス間近、何となくそわそわした街中で起こる「恋愛事情」9つの群像劇です。
イギリスの名優や人気俳優がこれでもかと出演していて、まさにお祭り映画なのです。なんたって、リーアム・ニーソンにコリン・ファースにアラン・リックマンにキーラ・ナイトレイに…って、このキャストで骨太な社会派映画かアクション映画見てーってなるようなワクワクするキャスティング。
…けど、それぞれに絡みのあるシーンがないのがとても残念。
だから、群像劇で豪華キャストって言われても、個人的にはあまり好みではないんですよね。
そうはいっても、女子高生が警官や教師とイチャついても問題にならない(狩野英考を除く)どこかの国のラブコメとは違う…と思っていたのですが、
どっこい本作もなかなかお気楽でーす。

では。

9つの物語を、簡潔に、突っ込み放題でご紹介。<完全ネタバレです。>


○イギリス首相のデイヴィッド(ヒュー・グラント)と、その秘書のナタリー(マルティン・マカッチョン)
ラブアクチュ

しょっぱなからですが、これには驚いた。
別にイギリスの首相たって、独身ですから、恋愛自体は全然OKだとは思いますよ。けれど、バク・クネ大統領を越えかねないデイヴィットの公私混同ぶりには、身震いが走ったものです。
あまり強気は良くないよと言っておいて、自分の好きな女性に手を出そうとされた途端、アメリカ大統領に私怨で一発かまします。
おまけに、そんな彼女と一緒の職場でいるのがツラいからと、ナタリーを配置換えしてしまうというパワハラの暴挙。
挙句には、クリスマスにナタリーを探そうと公用車で走り回って素敵ぶるなんて、
桝添さんが聞いたら全ての髪が抜けますよ。
ナタリーもナタリーで、公衆の面前でデイヴィットに抱きつくような見境のなさには、急速なアッキーナ化が予見されてヒヤリとします。

はい。
こんな感じで、ひねくれた見方をしていますので、本作が好きな人はこれ以上読まないでください…。


○ダニエル(リーアム・ニーソン)と、義理の息子サム(トーマス・サングスター)
ラブアクチュ4

妻を失くし落ち込むダニエルですが、そんな中、息子のサムはとっとと恋愛に悩み中という、たぐいまれな逞しさを発揮します。
ダニエルは息子を励ましますけど、どうやらオヤジは頼りにならんぞと早々に気付いたサムは、好きな女の子に注目されるにはバンドが一番と、極めて現実的な作戦にうって出ます。早熟な策士の素養に、芦田愛菜ほどの末恐ろしさを禁じえません。

ただし、空港で立ち入り禁止内を走り回って告白する姿は、まるで炎上狙いのユーチューバ―です。ひとまず…、一回こっぴどく怒られなさい!


○作家のジェイミー(コリン・ファース)と、彼のメイドとして働くポルトガル人のオーレリア(ルシア・モニス)
ラブアクチュ2

メイドとの恋って…。コリン・ファースだからいいんでしょうけれど、こちらもあっさりと二人は恋におちます。
物語としては大したものではありません。宴会で披露される手品芸レベルのありきたりです。
ポルトガル語を一所懸命に学び、彼女の故郷へプロポーズに出掛けるコリン・ファース。他国へ乗り込み、他国の女性に近付くさまは、今の彼だったら十中八九スパイにしか見えないことでしょう。
けど、この頃(2003年)はまだ若い!


○会社経営者のハリー(アラン・リックマン)と妻のカレン(エマ・トンプソン)と、部下のミア(ハイケ・マカッシュ)
ラブアクチュ7

スネイプ先生であるアラン・リックマンの役名が、ハリーって…。不思議な縁を感じないこともないようなあるような本章は、つまりは「不倫劇」

にしても、ミアによるハリーへのアプローチの露骨なこと。そりゃ、あの誘惑をはねのけるなんて、渡辺謙でも無理ですよ。
夫の不貞を知ってしまった妻カレンが、「愛は!? どうなのよ!? むなしいわ!!」と嘆きますが、しかしこの不倫劇、所詮は小さな火遊びでしかありません。家族への愛情はしっかりあるハリーなのだから気にしないで…と思うのは、あまりに男目線ですかね。

ちなみに本章では、Mr.ビーンでおなじみのローワン・アトキンソンも出てくるのだから、ホントにオールキャスト感が凄いです。
けど、そこでアラン・リックマンをゲストに迎えたような、実にぬる~いコントが展開されます。かなりぬるい、と思いました。この場面に関し、ぜひ茂木さんに一言コメントをもらいたいくらいです。


○ハリーの会社に勤めるサラ(ローラ・リニー)と、彼女が2年7か月3日想いを寄せている同僚のカール(ロドリゴ・サントロ)
ラブアクチュ6

本作で唯一哀しい恋愛劇でした。どちらかというと普通なタイプのサラによる、痛々しい片思いを描きます。
すんなり成就するのかと思わせて、情事直前にかかる二度の電話で破綻します。
けど、たった二度遮られて破綻するようならば、所詮はその程度。
断言しましょう。そもそもカールに愛情はありません。


○落ちぶれたロック歌手・ビリー(ビル・ナイ)とマネージャーのジョー(グレゴール・フィッシャー)
ラブアクチュ10

本作は恋愛劇が主軸ですが、恋人同士に限らない人と人との繋がりも描きます。
ここでは、内田裕也を思い起こさせるほど破天荒なビリーと、彼と辛苦をともにしたマネージャーの交流の物語。
ビリーの空気の読まない毒舌が面白いです。彼がテレビ番組で危ない発言をする度に、司会者は怪訝な顔をしますけど、あんなキャラクター実際にいたらバカウケに決まってます。どんどん言わせたらいいんだ!
彼の昔のヒット曲を改悪したクリスマスソングが№1に選ばれますけど、至極納得です。あれ以来、あの曲が耳に付いて離れません。クセになる変な名曲です。

エルトン・ジョンのパーティーを早々に退出したビリーが、寂しいクリスマスを過ごしていたマネージャーの家に現れ、「不満ばっかり言ってるが、この人生は悪くない」と語り出したり、マネージャーから、「エルトン宅に行って5分でゲイになったか!?」と驚愕されるのがオツです。


○画家のマーク(アンドリュー・リンカーン)と、親友ピーター(キウェテル・イジョフォー)の結婚相手・ジュリエット(キーラ・ナイトレイ)
ラブアクチュ3

マークを演じてる人って、『ウォーキング・デッド』の主人公・リックと知ってビックリした。若いなあ。

ここでは、好きな人が親友と結婚しちゃったという、折り紙つきの定番ネタが展開されます。
ジュリエットにせがまれて、やむなく見せたマーク撮影の結婚式のビデオには、なんと「ジュリエットしか映っていなかった」
まかり間違えば、戦慄のスリラーです。
しかし、世界の平等を願う人々の想いもむなしく、ここでは、甘くせつない素敵なシーンとして展開するのでした。

本章では、好きな人が他の誰かとくっついてしまった哀しさを描いています。想いが叶わない覚悟で、マークは親友に気づかれないように紙芝居で愛を告白します。世の中、このシーンを素敵だ、名シーンだと言う人がいますけど、
断固として反対です。
マークはジュリエットに対し、旦那にはクリスマスの楽団が来たと言えと、ウソをつくことまで強要。まんまとそれに従うジュリエット。「友達で押し通す予定」だったベッキーが観たら、腰が砕け散ることでしょう。
おまけにジュリエットは、その想いに少しだけ応えようとマークにキスをする始末。
「これで十分だ、これでいいんだ」と去るマークの姿には、確かに諦める男の美しさを感じはしますけれど…。
断言しましょう。2年後くらいには、ジュリエットは生活にマンネリを感じ始めてマークに連絡し、それがこの夫婦の破綻を導くまでになるのです。そういうもんです。


○モテない若者コリン(クリス・マーシャル)とアメリカの女たち
ラブアクチュ8

ライトな本作の中でも、本章は一層綿毛のようにライトです。

イギリス女性を見限ったとうそぶくコリンが、軽さ№1のアメリカ女に照準を合わせて旅立つという、トランプ大統領が咆哮を上げそうなほど差別っぽい一遍です。
手痛い目に遭って帰って来るかと思いきや、あっという間にセクシーな美女に囲まれて大団円という、信じられない結末を迎えます。
それを目撃した時、全て悟りました。
これって、ファンタジー映画だったんだ。
こんな映画にムキになっちゃってどうすんの? と言われてるみたいで、これまでツッコミを入れてきた自分が恥ずかしい。


〇アダルトシーンのスタンドインであるジョン(マーティン・フリーマン)とジュディ(ジョアンナ・ペイジ)
ラブアクチュ9

スタンドインとは、役者が演じる前に照明などを確認するため、セットに入る代役のことです。本章で登場する二人は、アダルト系の撮影でのスタンドインです。本格的な芝居はしません。二人が、それっぽい動きをしながら暇つぶしのように会話しているのが斬新です。
で…、うーん…。あとは特に何も…この章はそれだけ。


すみません。さすがに9つもあると、最後息切れた。
一つ一つの話がとても薄いので、単なるお祭り映画の域を出ていません。3つくらいに話を絞って、それぞれの話をもっと深く描いて、上手に絡ませたら良かったのにと思うのです。

つまり、クリスマスに本作を見て心温まる人がいるのなら、
その人の心は、最初からあったまってるんじゃないかなあ。…ねえ?


  

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Posted on 2017/04/20 Thu. 22:07 [edit]

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