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オーシャンズ11/奴らは、とんでもないものを盗んでいきました。 


 オーシャンズ11
 オーシャンズ11
 (2001年 アメリカ映画)  84/100点


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ジョージ・クルーニー、ブラット・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ジュリア・ロバーツ…、豪華キャストが集まったお祭りのような映画です。とはいっても、邦画みたいに豪華キャストを大勢ねじこんで、適当なお話でお茶を濁す映画と違い、ストーリーも映像も面白いんだからまいったね。
前半は、ちょっと気取ってるつもりの会話が鼻につきましたけど、後半の流れるような展開はワクワクしっぱなし。さすがは、ハリウッドの反骨精神、スティーブン・ソダーバーグ監督の名手腕なのです。


それでは、映画マニアでなくてもおなじみの、主なキャストをご紹介。


<随所にネタバレしています。>


ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)
オーシャン11

本作の主人公であるジョージ兄貴は、凄腕のドロボーです。冒頭、刑務所からの出所で始まるのは、『ブルース・ブラザーズ』みたい。彼は出所後すぐに仲間を集めます。ベネディクトが経営するラスベガスのカジノを襲おうというのです。どっこい彼は、実はベネディクトに寝取られた元・女房を取り戻そうと躍起なのでした。銭形なら「営利誘拐なら協力せんぞ」 五右衛門なら「女か…?」と目をぎらつかせることでしょう。しかし次元が言うように、「おっと、降りるなんて言うなよ。女絡みだが、それだけじゃねえんだ」とのこと。とはいっても、終盤のダニーは、ほぼ女絡みの方に奔走。それにしてもこの頃(失礼)、元・女房役のジュリア・ロバーツは、確かに「可憐だ…」


ラスティ・ライアン(ブラッド・ピット)
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若い…。改めて本作を見直して一番に思ったことは、それ。この頃からすでに完成しているスタ-オーラをぷんぷんまき散らし、眩いばかりでニクい奴。現在のアンジーとの顛末を、そっと耳打ちしてあげたいくらいです。ブラピ演じるラスティは、オーシャンと旧知の仲。実際、ジョージ兄貴とブラピは仲がいいのでしょう。随所に、オレたち仲いいんだぜアピールが感じられ、…少々ウザいです。とはいえ、ブラピの肩の力を抜き切った演技は、こちらも気軽な気持ちになれてむしろ心地よい。常に、ジャンクフードを食べているという設定が面白く、まるで神山繁ばりに渋い役作りです(注:『アウトレイジ』参照)。 
ただ、本作において、ブラピも泥棒なんですけど、どう凄腕なのかいまいち分かりづらい気はしました。つまり、ブラピにしては、やや存在感が希薄。本来ダニーだけでも賄える役柄を、ブラピとの仲良し出演のために分け合っているのか…、くらいの印象なのです。


ライナス・コールドウェル(マット・デイモン)
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そうそう、これこれ。マット・デイモンといえば、本来は本作のようなちょっと間抜けキャラのイメージなんですよ。彼が演じるライナスは、ダニーさえ舌を巻くほどの凄腕のスリ技術を持った男ですが、大舞台になると途端にのぞくヘタレ風味がとてもいい! 以前も書きましたけど、『あぶない刑事』における町田トオルそのまんま。
ところが! 彼は本作の翌年、『ボーン・アイデンティティー』で衝撃の昇格を果たすのであった!(大げさ)


テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)
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『男が女を愛する時』など、スマートな紳士のイメージが強いアンディ・ガルシア。ここでは、大股でのしのし歩く、恰幅のいい男になってます。アレック・ボールドウィンの容貌の変化に似てますね。彼が演じるベネディクトは、大手カジノの敏腕オーナー。その冷たい表情から分かる通り、プライドと金欲の塊です。そして、自分に害を与えた者に対し、その身内までにも報復するというのだから、粘着質な支配欲の持ち主です。…なんて、本作序盤では、彼の恐ろしさをこれでもかと説明しますが、実際は、結構悠長な人だったりします。もろに怪しいダニーに対しても、すぐに手をかけるようなマネはしません。ちょっと肩透かし…。もっと躍起になった方がいいですよ。だって「やつぁ、とんでもないものを盗んでいきました。あなたの女です


テス(ジュリア・ロバーツ)
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当時、映画への出演ギャラが20億円だったというジュリア。ジョージ兄貴は、彼女に「20だね?」と言って、20ドルで出演させたとかいないとか…。そんなセレブなジョークで笑いを取ってるジョージ兄貴を見かけたら、少し嫌いになりそうです。
それにしても、この頃の(再び失礼)ジュリアは、キラキラしてます。彼女が演じるテスはしかし、コウモリのような女です。ダニーから離れ、ベネディクトとくっ付いたかと思いきや、終盤ではあっさりダニーの元に戻ります。流されやすい人なんでしょうね。ちょっと主体性の見えない、「男が喜ぶ女性」みたいな気がします。数年もすれば、あっさりダニーと別れ、今度はラスティといい仲になったりしてそうです。


以上の主なキャストに、ドン・チードルやケイシー・アフレックなど、個性的なメンツが加わり、華麗な強奪事件が巻き起こるのでした。

その強奪作戦は、そこそこフワっとした部分もあります。難攻不落と思われる金庫までの道のりを、結局は「凄い機械」を使って停電させちゃうことで解決します。急病人を装って注目を集めているうちに監視カメラの画像を切り替えたりなんて、「あ! アレはなんだ!」と相手の視線を操るマーティ・マクフライ並みの作戦っぷりです。また、ライナスがとても手のこんだ変装と芝居をするものだから、何の大仕掛けをやらかすのかと思いきや、「ごく自然にベネディクトにぶつかる」ためだったと分かった時は、ちっちゃ! と思わず言ってしまいました。(いや、もちろん、重要な仕事なんですけど)

とはいっても、最後には観客まで騙す仕掛けもあるし、幾重にも張り巡らされた複雑な作戦過程が、流れる様に展開されていく様子は面白いです。

オーシャンズ116


何よりさ、そんなにハラハラしないんですよ。とても楽しく見ていられる感じ。緊張感がないように思いますけど、これはこれでいいものです。ネタバレですけど、誰も死なない。ついに過酷な拷問が始まるのか…、と思わせて、拷問する人ともちゃっかり仲良しでしたって流れも、結構好きです。

作戦成功後、ベガスの夜の噴水シーンが妙に記憶に残っています。煌びやかな街が仕掛けた一時のショーだったような、不思議な描写でした。ちょっとした観光案内映画のよう。…と書くと面白くなさそうですけど、スティーブン・ソダーバーグの尖った演出も随所に見られるので、娯楽映画として、とても面白いと思いますよ。

「なんて気持ちのいい連中だろう」 庭師のじいさんなら、そう言ったでしょう。

ということで、引き続き、続編を次回も。


  

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Posted on 2017/07/10 Mon. 22:45 [edit]

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