素人目線の映画感想ブログ

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オーシャンズ13 /最後のオーシャンズの役割 まとめ 


 13オーシャンズ
 オーシャンズ13
 (2007年 アメリカ映画)  84/100点


『オーシャンズ11』の感想はこちら。
『オーシャンズ12』の感想はこちら。

シリーズ最終作です。

本作は、これまでのように何かを盗むお話がメインではなく、「ひどい裏切りにあった仲間の復讐の為、みんなで悪者を懲らしめる」というお話です。毎回、趣向が違って面白いです。

舞台が「カジノ」に戻り、原点回帰を狙ったとも言われていますが、派手なエンタメではありません。「大人の落ち着き」というものを、どうだコンニャローとばかりに見せつけます。
大人げない人が騒がしい今だからこそ、本作のような「クールな私闘」というものを見習ってはいかがでしょうか。暴力一切なし。ネットを使った誹謗中傷もなければ、YOUTUBEで世界拡散を狙うこともありません。ましてや、壁に「バカ経営者」と落書きすることもないから、安心です。

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で。

よく考えると、これって金持ち同士の喧嘩なんです。ダニー(ジョージ・クルーニ)たちは、復讐の為ならいくらかかっても構わない、という覚悟です。足りない資金調達のためなら、敵だったベネディクト(アンディ・ガルシア)とも結託します。
とんでもなく巨大なドリルを二回も調達するなんて、筒井康隆の『富豪刑事』ほどのやり口です。

また、本作の主人公・ダニーの人脈による用意周到な作戦が魅力でもある本シリーズですが、本作ではますますその力を駆使。悪者である経営者・バンク(アル・パチーノ)は確かに悪い奴ですけど、なんか「みんなでよってたかって」…、と思わなくもなかったです。

だからか今回は、それぞれの人物に、平等に、しっかりと見せ場があります。
ダニーは、今回は参謀として、終始作戦を見守っている感じでした。
ラスティ(ブラット・ピット)も、そんなに出番は多くありません。
そのため、大勢が自分の担当を持ち、右往左往動くものだから、あれ…? この人は何をしたいんだっけ? と分からなくなることもあります。

さあ。
今回は手短にと思ったけれど、最後だもんで、こうなったらオーシャンズ全員と、それぞれの役割をご紹介!
カーテンコールじゃ!


<完全ネタバレです。>


ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)
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バンクにひどい目に遭わされたルーベンの復讐に立ち上がる義理堅い男。終盤、バンクにいくら脅しつけられようとも、涼しい表情を一切変えず、「お前の仲間はみんなオレの味方だ」と言ってのけるとは。
今回で、彼は最高のフィクサーに登り詰めたに違いありません。


ラスティー・ライアン(ブラッド・ピット)
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ダニーの相棒です。今回、地震学者に変装し、バンクに接近します。控えめな出演の割に、どうしても隠しきれない存在感。さすがです。


ライナス・コールドウェル(マット・デイモン)
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この頃、もうすでに『ボーン』シリーズで屈強なスパイを演じていたマットですが、本作では変わらず「へなちょこ」を演じます。
以前よりは仲間からの信頼度は上がったようで、バンクの女秘書を誘惑して宝物庫に潜入するという大事なミッションを任されます。が、必要ない、と言っていた媚薬をちゃっかり使っていたり、意味不明な付け鼻で変装したりと…、ほぼコメディ要員とされています。
「先輩、オレのこと、もう舐めないでもらえますか。昔のオレじゃないんで」くらい、心持ちは複雑なんじゃないかなー、とか思ったり。


フランク・キャットン(バーニー・マック)
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カジノゲームの品評会で、「ナフセッド」というゲームをバンクに売り込みます。ベネディクトのサクラ作戦によって、バンクはまんまと購入。フランクは、バンクのカジノへの潜入に成功するのです。


バシャー・ター(ドン・チードル)
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ホテルに地震を起こすために、ドリルで地下を掘り続ける担当です。
さらには、バイクスタントマンに化け、ダニーたちの人相が表示されてしまったパソコン画面からバンクの目を逸らす、という奇天烈な作戦まで実行します。この辺り、もの凄いやっつけ企画です。楽屋だけが受けてるみたいな。

本作はなんとなく、そういう暇を持て余したハリウッドセレブたちの遊び、みたいなシーンがちらほら。


バージル・モロイ(ケイシー・アフレック)
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双子のモロイ兄弟の兄です。バンクのカジノに使われるダイスに細工をするため、メキシコの工場へ潜入します。しかし、あまりに工場の雇用待遇が悪い事に腹を立て、仕事そっちのけでストライキ行動を始めるのです。


ターク・モロイ(スコット・カーン)
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双子のモロイ兄弟の弟です。兄とともに工場でストライキに参加してしまい、ダニーたちの作戦実行に暗雲を漂わせます。この辺り、また余計なシーンではあります。
まあ、でも、「みんなを平等に描く」というのがコンセプトですから、そういう意味では必要なシーンなのかと。ノリノリで火炎瓶投げて突っ込むところは、結構ファニーです。


イエン(シャオボー・チン)
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驚異的な身体能力を有する彼。『2』では、ほぼ出番はありませんでしたが、今回は、宝物庫の床の厚みを調べるために、猛スピードで上下する危険なエレベータールームへの潜入を課されます。
また、中国の大富豪に成りすまし、秘書役のライナスを引き連れ、バンクのカジノのスイートルームに潜入します。
さらに、サムスンの知り合いから、バンクが欲しがっている「金の携帯電話」を入手します。
『1』で役割を終えたかと思われていた彼ですが、そ こ そ こ 活躍!


リヴィングストン・デル(エディ・ジェイミソン)
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電気・通信を担当している彼ですが、今回は大苦戦。カードシャッフル機の会社の面接を、痛々しい方法で突破し、バンクのカジノへの潜入には成功しますが、肝心のイカサマ用シャッフル機の調整がうまくいきません。
仕方ないので、ローマンに頼み、当日代替機をカジノへ搬入してもらう作戦に変更しました。(本作一番の不可解と言われる点です。リビングストンは、なぜ偽のFBIに逮捕されるという芝居が必要だったのか。それは、調整に失敗したリビングストンの代わりに、ローマンがイカサマ用のシャッフル機をカジノの中に搬入するためでした)


ルーベン・ティシュコフ(エリオット・グールド)
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バンクに裏切られ、心筋梗塞で倒れます。『1』では、ただのスポンサーくらいの扱いであったルーベンですが、本作では突如、ダニーとラスティの昔からの恩人という設定に昇格。


ソール・ブルーム(カール・ライナー)
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老練の詐欺師。ホテル格付けの審査員に成りすまします。
バンクに向かって、おちょくるようなポーズでおどける姿が素敵です。


ローマン・ネーゲル(エディー・イザード)
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高い技術力を持ったエンジニア。『2』では、「王家の卵」のホログラムを開発したくらい凄腕です。
前回はコミカルだったのに、今回はなぜかクールな男に変貌。バンクのカジノの高度なセキュリティ・システム「グレコ」に震え上がりますが、苦戦していたリビングストンの代わりに、最後まできっちり役目を果たします。


ボビー・コールドウェル(ボブ・アインシュタイン)
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ライナスの父親で、凄腕の詐欺師。
『2』では母親がFBIに成りすましましたけど、今回はオヤジが登場。しかし、動員数と迫力に関し、圧倒的に母親に負けています。ライナスは親父似ですな。
一説には、この役はイーストウッドが演じる予定もあったとか。うーん、ちょっとそれには役不足かなあ。


テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)
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『1』『2』で敵キャラだった彼ですが、本作ではついにオーシャンズに仲間入り。ライバルであるバンクを失墜させるため、豊富な資金をダニーたちに貸与します。あくまで貸与。二倍返しを要求。おまけに、バンクの所有するダイヤモンドを盗み出すことまで条件に付けます。
強欲というか…、こういいう徹底主義と付き合うのは、とても面倒くさいです。
また、「ナフセッド」の品評会ではサクラを演じ、バンクを誘い込みます。その準備中のベネディクトの楽しそうなこと。冷酷無比と言いながら、前作までダニーたちを一人も、何一つ傷つけることさえしなかったおかげです。

ちなみに、アル・パチーノとアンディ・ガルシアって、『ゴッドファーザー PART Ⅲ』での二人です。こういう狙いも、本作の楽しさのひとつ。

ゴッド3
『ゴッドファーザー PART III』より。

シーオブラブ
ちなみに、アル・パチーノと秘書役のエレン・バーキンも、『シー・オブ・ラブ』で共演!


フランソワ・トゥルアー(ヴァンサン・カッセル)
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『2』で、ダニーに盗みの勝負をもちかけた怪盗・ナイトフォックスです。今回も彼は味方ではなく、ベネディクトの右腕として、ダニーたちを出し抜くために雇われます。とはいっても、今回もまた散々。
そもそも彼自身、凄腕の泥棒のうえ大富豪なのに、ベネディクトにいいように使われている…、という落ちぶれた設定が哀しいです。

で。

さらに、「クジラ」と呼ばれる高額専門のギャンブラー18人や、賄賂を渡されたり弱みを掴まれたりしたホテルの従業員も仲間に加わって、まさに、「よってたかって」の一大復讐作戦が展開します。
大物俳優アル・パチーノに対し、遠慮のないイジメっぷり。バラエティでいじられる細川たかしを見ているかのようです。

けれど。

それぞれが、それぞれの役割を着々と進めていく様子は、まるで『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出てきそうな、有能なビジネスマンの「段取り」です。

ただし、前述したように、集中して見ていないと混乱します。多めのセリフの端々で、この作戦をどう進めようとしているのか、きちんと説明していますから。
それをしっかり把握していれば、複数の導線がついに集約し、一気に爆発するような終盤の土壇場で、鳥肌ものの爽快感を得られます。

もちろん。
厳しい目で見たら、この作戦って都合よく進み過ぎなんです。
変装したラスティ―から渡された地震計を、バンクが自身の部屋に設置したり…
ライナスに誘惑された秘書が、宝物庫にライナスを引き込んだり…
セキュリティシステム「グレコ」を無効にするマグネトロンを仕込んだ携帯電話が、都合よく「グレコ」に接近したり…

ずいぶん、偶然性の強い作戦のような気もします。

が、まー、そこはエンタメだから!

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ホテルの格付けの審査員を散々な目に遭わせておいて、最後には大金を稼がせてあげるってオチも素晴らしい。
結局、(バンク以外)誰も傷つかない、とても安心設定な結末が爽やかです。

フランク役のバーニー・マックの急逝で、続編はもうやらないと宣言されている本シリーズですが、寂しい気もしますね。
女性版の『オーシャンズ8』が公開予定だそうですが…。
まあ、別物かなあ。

ということで、以上、「オーシャンズ・シリーズ」の感想でした。

『オーシャンズ11』の感想はこちら。
『オーシャンズ12』の感想はこちら。


   


<おまけ>※以下、スマホだと画像が表示されない場合があります。

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どーもー。マット・デイモンでーす。私もかれこれ、デビューから30年近く経ちました。ここで、ちょっと私のフィルモグラフィーを振り返ってみよっかなーと思って。

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まずこれでーす。泣く子も黙る名作『グッド・ウィル・ハンティング』 主演のみならず、脚本もベンと共同で執筆し、アカデミー脚本賞を受賞しました。いやあ、すみません、才能ひけらかしてるようですみません。だてにハーバード行ってない感丸出しですみません。

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で、私の映画人生にとって最大の転機は、やはり『ボーン』シリーズであることは間違いないわけです。このシリーズが大成功。私は、アクション俳優として、頭角を現すようになっていくのです。


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しかし、私は単にアクション映画俳優を目指しているわけではありません。あらゆるジャンルの映画に出ています。その辺り、マーク・ウォルバーグとは決して違うんです! 有名な監督にも信頼を得ました。最近では、リドリーと組んだSFの…


クルーニs
やあ、マット。元気そうでなによりだ。

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お…、おーおー! ジョージ兄貴じゃないすっか! ひ、久しぶりっす! どうもっす!

クルーニs
さっきから見ていたんだが…、肝心な作品が抜けているんじゃないかな…。 どういうことだろう? 後からサプライズで出てくるのかな?

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いや、まあ、その…、そりゃあ…、いやいや、わ、忘れるワケないじゃないですか! あれは、僕にとっても大事な作品ですよ!

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これでしょ。『インビクタス』は、僕が初めてイーストウッド監督のもとで…

クルーニs
ゴッホン! ゴッホン! ……マット、わざとやっているのかな? まさか! 忘れたなんて言うのかい、キミは!

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うーそーでーすー! やだな、忘れていませんよー! いじられ… いや、かわいがってもらったあの時の経験は、僕にとってかけがえのないものですから! 当然、オーシャン- 

クルーニs
『ミケランジェロ・プロジェクト』を忘れちゃダメだって言ってるんだー!!(ジョージ監督作)

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そっちかーい!

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Posted on 2017/07/30 Sun. 19:40 [edit]

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