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※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。

新感染 ファイナルエクスプレス /ゾンビ映画の長所を、200%濃縮! 


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 新感染 ファイナルエクスプレス
 (2017年 韓国映画)  89/100点


<ネタバレはしません。>

タイトルを駄洒落にしてしまったために、B級臭さが出てしまいました。
原題『釜山へ』は、確かにシンプル過ぎますけど、駄洒落はいけない。『ファイナルエクスプレス』も微妙。舞台となる列車は、始発ですしね。

せっかくの傑作を疑われてしまうのは、もったいない!
というくらい、本作は傑作です。

『ゾンビ映画』というと、毛嫌いする人もいるようですが、一本の映画に、パニック、ホラー、アクション、サスペンス、人間ドラマを凝縮させるには、『ゾンビ映画』というジャンルが最も相応しいとさえ思います。
さらに、人の心理の底にある「恐怖の根幹」を汲み上げる、最大の効果があると思うのです。

つまり、人が一番怖い、ということ。

人は人に対し、潜在的に恐怖を抱えているのだと思います。これが『ゾンビ』ではなく、別の異形の化け物だったら、ここまでの臨場感と緊張感は出ません。さらに言うと、『感染』というリアルなワードが、妙な現実味を醸します。おまけに、被害の規模が拡大していく展開に、胃の痛くなるほどの終末観がのしかかるのです。

SNS上では絶賛の嵐です。
体中に風を集めて、巻き起こせと言わんばかりのA・RA・SHI!

新感染1


物語のほとんどの舞台は、「列車内」という限定された空間です。にも関わらず、よくまあ次々に修羅場を作り出せるなあと感心します。車両や通路、それらの出入り口の扉。それらを計算して計算して、上手に物語を運びます。

さらに、いいなーと思うのは、登場人物が多いのに、あまり人物説明をしないところ。それなのに、ほんのちょっとしたセリフだけで、その人の背景を想像させ、巧みに感情移入させます。
主人公も同様。当初は「自分と娘だけ助かればよい」という冷たい人物でしたが、徐々に成長していく過程を、出来るだけ極少なセリフと、確固とした態度で示します。
残念ですが邦画だと、「ボクは大切なものに気づいたんだ!」とかって、セリフで高らかに宣言しそうですもん… 

「生き残ってほしいなあ」という感情がこちらに芽生えるものだから、誰が、いつやられるのか分からない展開にハラハラしっぱなしです。スプラッター・ホラーみたいに、破廉恥な若者がやられるのを見てスッキリしようぜ! …なんていう映画ではないので、いまだに「ホラー = 残酷」と思い込んでいる人には、是非観てほしいものです。

新感染3


さて。

どうせ、本作への賛美なんて、他の方のブログでおなか一杯なほど書かれている事でしょうから、こちらでは少し気になった点を書いていこうかと思います。まあ、ひねくれた目線ってやつで…

〇突然強くなる主人公たち。弱くなるゾンビたち。
実は中盤で、あー! それをやったら面白くない! と冷めかけた場面がありました。
それは、主人公と腕っぷしの強い男、高校野球部の青年の3人で、反対車両にいる身内を助けに行こうとする場面。
途中の車両には、当然ゾンビがひしめいているわけです。
いやいや、こんな狭い中を、どうやって… 
まさかの強行突破!!??
その途端。
急にゾンビが弱くなります。

さっきまで、あれだけ途方もない勢いで突進していたゾンビ軍が、急に時代劇のチャンバラみたいに、一体ずつ向かってくるのです。あれは白けた。

ただし、それは最初の車両だけ。残りの車両では、ちゃんと知恵を絞った別の方法で突破していくので、すごくホッとしたものです。
映画版『アイ・アム・ア・ヒーロ―』の終盤で、ワンパターンな銃撃が延々続いたイヤな記憶が蘇った瞬間でした。

〇気になる早送り編集ゾンビ。
本当にあくまで個人的な感想ですけど、時折ゾンビの動きが、コマ送りのような、早送りのような…。ちょっと編集感のある動きだったのが、ちょっと気にかかりました。

〇物語は、意外にベタ。(泣けたけど)
終盤でもの凄く泣けたのは間違いないんですけど、ド定番な泣かせではあったのです。
それも、子役のお芝居が凄いおかげだと思います。なに、あの泣き芝居…!? と唖然とするほど巧いです。あれを見てしまうと、『パシフィック・リム』の芦田愛菜の泣き芝居が、随分物足りなく感じてしまうほどです。

新感染2


うーん。頭を絞っても、気にかかった点はそれくらい。
今までのゾンビ映画の良い所を集めて、ぎゅうっと濃縮して、豪快に放出させたような…、思い切りの良さが良かった。
このジャンルに定番の人間同士の対峙も、過剰なほどの濃さで描いていました。

『ゾンビ映画』では、昨年は、『アイ・アム・ア・ヒーロー』が結構楽しめました。物語の目的が違うので、単純に比べてはいけないんですけど、完全に越されたんじゃないでしょうか。

終わり方も好きです。残酷な顛末の先に、希望を見せます。伏線の回収の見事なこと。そして、大好物である終わり方…、すごく潔いカットの切り方。痺れた。

新感染0


さて。
以下、余談のような話ですが…

主人公が一番に守ろうとするのは、娘です。
相棒となる腕っぷしの強い男が一番に守ろうとするのは、妊婦である妻です。

元来、「子供」と「妊婦」という存在は、絶対的保護下でなければならない存在です。男に、命を賭けてでも守らねばと思わせます。
というか、それはほとんど「義務」なのです。いくら男女が平等になろうとも、その大原則は変わりません。
ここ最近、屈強な女性の映画が多いものでやや忘れかけていましたが、本作での男たちの行動において、久しぶりに「男の大義」ってヤツを目の当たりにさせられたと感じました。よわっちい男も含め、みな火事場の馬鹿力で激戦します。

男は、死にもの狂いで闘って、守れ。
…なんか、ちょっとだけですけど、感動してウルウルしている頭の片隅で、そんなささやき声が聞こえたような聞こえなかったような…。いや、まあ…、だから何ってわけではないですけれど。

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Posted on 2017/09/08 Fri. 22:37 [edit]

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