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50/50 フィフティ・フィフティ 生存率50%はラッキーか。 


 映画
  50/50 フィフティ・フィフティ
 (2011年 アメリカ映画)80/100点


ある有名な医大の先生が言ってました。
「癌ってのはね、遺伝なんだよ。食べ物がどうこう、生活習慣がどうこうじゃないの。 だから私は、子どもに好きなものばっかり食べさせるんだ。野菜なんか意味ないんだよ」
  
医学の世界にも、いろんな考え方があります。こういう見方もある、ということ。

本作の主人公、アダム(ジョゼフ・ゴードン・レヴィット)は、煙草も酒もやらない生真面目な潔癖気味の27歳の青年ですが、神経性の癌を患います。
生存確率は50%。
アダムは決して屈強な男ではありません。
50%と聞いて、死ぬ方に意識が傾きます。

そりゃそうです。
50%と言われても、死ぬ方の50%に入ったら、100%死ぬわけですから。

私もどちらかというと心配性の神経質ですから、ネガティブに考えて気が滅入ってしまう事でしょう。
厳密に言うと、50%の確率って本当は純粋な50%じゃないんですよ。
いろんな要因が決定を左右するんです。
それは、運力かもしれないし、信心かもしれないし、はたまた愛かもしれません。
だから50%と聞くと、気の弱い人は、「おれのことだから駄目だ…」となりやすいです。

本作の特徴は、癌闘病記の中にユーモアを入れ込んでいるところです。
特にアダムの周りの連中が迷惑至極のキャラクターたち。
湿っぽいアダムに追い打ちをかけるような無神経さを振りかけてきます。

母親は、もちろん最大の「動揺」を見せます。
すでに癌にかかっているのに、癌予防の緑茶を飲ませようとしたり、 主人公以上にあたふたし始めます。
そして、ひっきりなしに電話をかけてくる母親に、アダムはうんざり気味になるのです。
この母親の行動は、実は夫がアルツハイマーのため、普段誰ともコミュニケーションが取れていない寂しさの裏返しだったというから驚きです。
(無神経度20%)

恋人は、別れを告げようとするアダムに対し、「そばにいる」と献身さを見せます。
が、愛情でも同情でもない。
かわいいモノに「カワイー」と言っている自分が「カワイー」と思っているのと同様、可哀想な人を憐れんでいる自分に酔っているだけの看病だったことが露呈します。 一般に「代理ミュンヒハウゼン症候群」と言われる、あれ。
(無神経度60%)

友人のカイルは、「50%って、カジノの勝率なら最高じゃーん」とノーテンキさを見せつけ、「人の痛みは、所詮傷ついた者にしか分からない」という仮説を、人類史上最高レベルで証明してみせます。
おまけに女の子大好きで、「おれの友達さ…癌なんだ…」とナンパの手口に使ってしまう始末。
(無神経度80%)

そして、新人セラピストのキャサリンは、彼のことを論文の資料に利用することを高らかに宣言!!
無神経度100% 
セラピストにしてこの心のえぐりよう。最強です。

映画2
(研修中なもので、あなたが3人目の患者です! と、にこやかに発表)


とはいえ、実際、余命があまりないかもしれない人を目の前にして、いったいどんな接し方が正しいと言えるのか。
励ましの言葉をかければ「気休めだ」とアダムは怒り、無神経なことを言えば「むっつり」と黙り、心配で声をかければ「鬱陶しく」思い、他人事のような顔をすれば、「お前はほんとの友達か」とキレるわけですから、死を前にした人に、正解の対応方法などはないのかもしれません。
 
そんなこんなと、周りの愉快な人々に振り回されながらも、アダムは闘病を続けます。
病院では、同じ癌患者の仲間がいます。みな、自己紹介に自分の癌の種類を自慢気(?)に発表したり気のいい連中です。
アダムにも、ようやく笑顔がちらほら見えてきます。

映画2
(人生を楽しもうとするアダム。…友人が一番楽しんでますが)


しかし、徐々に悪化する病状や闘病仲間の死もあって、いよいよ主人公は荒れます。
まだ27歳ですから当たり前です。 
ユーモアベースの映画ですけど、この辺りはきっちり酷なところも描写していました。
次第におちゃらけていた友人も本当の深刻モードに。
ここのところのギャップ効果もあって、この友人いいやつだなーと思わせます。

果たして、手術は成功するのか、しないのか。
アダムにとって、人生最大の苦難。アダムに幸運は訪れるのでしょうか…。

(以下、ネタバレしますので反転で。)
で、結局生き残って、最愛の女性とくっついて終わりって、なんだ、それ。
急転直下の人生バイオリズムだなー。
振り回されたのは観客のほうだったのかー!
腹いせに言うけど、カウンセリングの主治医と男女関係に発展、なんてアダルトビデオじゃあるまいし。
ご都合主義にもほどがある! 羨ましいぞ、まったく!
 
 
あ、まだ未見の方は、ぜひ、アダムの生き様を、見届けてあげてください。


 

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Posted on 2012/09/17 Mon. 08:57 [edit]

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