素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

スリー・ビルボード /大傑作!「怒り・後悔・寛容」に泣く。 


 スリー
 スリー・ビルボード
 (2018年 アメリカ映画)  
 98/100点



<結末には触れませんが、ややネタバレしています>
<重要なネタバレは、(反転)させています>



大傑作! 何度も言いたいくらい、大傑作でした!
上映中ずっと、凄いなあ、面白いなあ、泣かせるなあと胸の内にこだましてました。

何度ウルウル来たかしれません。

短めに言うと、「怒り」と「後悔」、そして「寛容」の物語です。

あらすじは、「娘を殺された母ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を捕まえられない警察に不満を抱え、道筋の大きな看板に、警察署長(ウディ・ハレルソン)への批判を掲げる。しかし、署長は重い事情を抱えていた…。やがて、怒りに駆られた人々によって、暴力が暴力を生む連鎖が起こり始める…」というお話。

ビルボード4png


何と言っても、役者陣にやられました。
正直、ここ10年で観た中で、最高の芝居です。

・フランシス・マクドーマンド(『ファーゴ』の主人公の人だった!)。
・ウディ・ハレルソン。

この二人の老熟した芝居が、凄まじいです。
強さと弱さ。それら表情の素晴らしさ。もう、本当に最高なんですよ。

そんな彼らが演じる登場人物は、いつまでも心に残るほど印象的です。

特に、フランシスが演じた屈強な意思を持つ母親。相手を黙らせるためには、暴力も容赦なく振るいます。「絶対正義」が自分の中にあるから、どんな状況でも折れない。

あの…、はたから見れば頼もしい女性に思えるかも知れせんが、これはとんだ迷惑なタイプなのです。こういう人いますけど、世の中に100%どっちかが正しいなんてないですから。だから、一切意思を曲げない人は、周りが曲げてあげないといけないので大変です。

で、こういう人が間違った方向に突き進むと、事態は混迷を深めます。実は、現実的には、大変危険な気質なんです。

ミルドレッドは、まさにそう。

本作の素晴らしさは、ここなんです。単純に、「母親が娘のために頑張った」と賞賛する映画じゃありません。この母親も、たくさんの判断ミスをします。

でも、彼女の強さの裏側には、当たり前ですが苦悩があります。

特に、「子ども」のことでの「後悔」ほど、親にとってツラいものはありません。亡くなった娘の部屋を見つめながら、彼女が打ちひしがれている姿が切なすぎました。
最期の娘との会話の思い出が、あまりにも酷なのでした。

ビルボード


ウディ・ハレルソンも良かったなあ。
部下や家族想いの警察署長。登場人物たちの心に風を吹かせるキーパーソンなのです。

一見、粗暴で頑固そうだからこそ、深みがあります。彼は実は、「(反転で)ミルドレッドよりもずっと、事態をしっかり把握していたんですよ。

か~、…泣かせるもの。

ビルボード2png


先の全く読めない物語も魅力的です。
だけど、本作はミステリーじゃありません。犯人が誰かなんて、そんなところを気にする映画じゃありません。

人間が暴力をふるう理由がいかにズレているかを描きます。

軽薄な「怒り」は愚かです。「怒り」はただの感情の発散に過ぎないから、正確な判断をゆがめます。
最近スマホになって、悪口雑言だらけのツイッターを見るようになったので、本作のテーマが余計に沁みました。

また。
本作は、「後悔」の物語でもあります。けど、「後悔」って悪い事ばかりじゃありません。人を成長させるキッカケになります。

凄惨な物語の中、本作の大きな救いは、登場人物たちが「後悔」することのできる人間であった事だと思います。

それから。
重たいばかりの映画かと思っていましたが、遊び心もあるし、「笑い」もあります。もちろん、フフ…くらいの笑いですけど。

ミルドレッドの元DV旦那のバカっぷりが笑かします。『テルマ&ルイーズ』でもそうでしたけど、元旦那って、大抵「バカ」ですね。

ビルボード3png


<少しだけ、結末に触れます。少しだけ。>


で。
終わり方が、素晴らしいですよ。

後味の悪い映画と聞いていましたが、そうかなあ。私には、「爽やか」に思えました。
結局、同じ過ちを繰り返すのか…とも思えるし、そうでないとも思えるし。

何よりさ、あの「寛容」…。嬉しかったもの。それで、もう本作はいいんです! 一緒に観た人が、「これで終わり?」とか言ってたけど、ちゃんとオチてるよ! 

という風に、観る人によって解釈が分かれる結末だったのも良かった。私には大いに腑に落ちて、もう気持ちが良かった!  そこがラスト・カットか! 痺れる!

「(反転で)サム・ロックウェルも良かったよ~。彼がただの暴力警官で終わらない」って、ほんと素晴らしい脚本だよ!

ベネチア映画祭での脚本賞受賞は、当然です!

上映が始まったばかりなので、ネタバレしたくないので、ここまでで。

観て、絶対損しない映画。最高です。
2018年初頭で、すでにコレ。これ以上の映画が、今年あるだろうか。

記事を読んで頂きありがとうございました。
↓よかったら、クリック1票お願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  このエントリーをはてなブックマークに追加

<スポンサードリンク>

Posted on 2018/02/04 Sun. 22:54 [edit]

TB: 0    CM: 0

04

コメント

Comment
list

コメントの投稿

Comment
form

トラックバック

トラックバックURL
→http://eigamove.blog.fc2.com/tb.php/380-d5c91e5c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Trackback
list