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※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

悪女AKUJO /『暗殺教室 ハードver.』 


 AKUJO
 悪女AKUJO
 (2018年 韓国映画)  
 84/100点



なかなか、でした。思ったよりも全然良かった。

ケレン味たっぷりのアクション・バイオレンス。『GONIN』が好きな人には、絶対のオススメです。

それにしても、韓国映画のパワーにはいつも圧倒されます。
とことんまで容赦のないアクションと物語に、いつも驚かされます。
ここが、日本映画との大きな違い。日本映画だと、つい倫理的にバランス取ったり、抑え気味に描いたりします。

韓国映画は、とことんまでやり抜きます。

途中で、仰天するような展開をしてみせます。それは、アメリカ映画にも見かけないほどの、「酷」

だからこそ、主人公が発狂したように見えるラストの追撃に、説得力が生まれるわけです。

あらすじは、「父親の仇を探し続けるスクヒは、国家情報院に拾われ、普通の日常生活を装いながらミッションをこなしていた。ある日、スクヒが目にした男は、自分を暗殺者に育て上げた男…、かつて愛した男だった…」という物語。

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最初に気になった点を少し。

過去と現在が入り乱れる構成は、「そういうことだったか!」という効果はあるものの、分かりづらさを生んでいました。
アレ? この組織とこの組織は、別の組織…? と混乱します。

また。

不思議なことに、同じアジア人なのに、顔の判別がつきません。特に何人かの女性。
アレ? この人って…、過去のあの人じゃないよね…? と混乱します。
韓国映画の最大の欠点かもしれませんね。女優の顔つきに、それぞれ個性がない…。(芝居自体は凄いけど。)

冒頭のFPS(1人称視点)のアクションシーンが話題ですけど、この手法には賛否両論ありそうです。
主人公側の体の動きが分からないため、アクションが単調に感じなくもないです。
カメラも激しく動き回るから、何をやってるのかわかりづらい。中盤のある屋敷でのチャンバラは、画面も暗くて、なお分かりづらかった。

「臨場感」を感じるには抜群ですが、「動き」をじっくりと堪能したい人には、向きません。

それから。
序盤が…、『ニキータ』のB級版みたいに見えて、ちょっと気になりました。ほぼ『暗殺教室』みたいなノリですもん。やたら漫画っぽかった。

でも。

中盤から、そういった難点を吹き飛ばす「良さ」を、私は感じました。

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<ここから、結末以外、ややネタバレします>


事前情報から、凄惨なばかりのノワールだと思っていたから、中盤でラブコメが始まる場面に驚いた。

物語に、無理やり「恋愛パート」を入れることには反対派の私ですけど、これはなごんだなー(*´ー`*)
「裏の顔を持つ女ヒットマンと、お隣さんのイケメン青年の恋物語」に、急に映画が変貌する「自由さ」
ほぼ別ものです。

で、巧いっつーか、イジワルっつーか。

終盤でしっかり元に戻るもの。

なごませといて…、ドーーーンと来ます。
余計に心に重たい挑戦的な構成! 
…いや、でも面白いです。好きです、こういう発想。

実は凄腕の男(あるいは女)が、座頭市ばりにバッタバッタと敵を倒していく系の映画は多いですけど、その中でも本作は、展開にひねりが効いている方だから好きです。映画に、驚きがあります。

観客に一泡吹かせてやるぞお! そういった勢いのある野心を感じられて素晴らしい!

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本作は、前述したように『ニキータ』の要素が濃いです。
『キル・ビル』をはじめとしたタランティーノの影響も強めに感じます。

それを「寄せ集め」と野次る方もいらっしゃいますけど、「作りたいものを作っちゃいました!」という監督の無邪気な想いがちゃんと伝わってきます。
私には、それらが好意的に受け止められて、かえって楽しかったものです。

それにしても、役者陣が印象的。
スクヒを育てた男:ジュンサンを演じたシン・ハギュンの味わい深い渋さ。
スクヒの上官を演じたキム・ソヒョンのクールビューティーっぷり。能面の表情に、微妙に感情を匂わす巧さ。カッコイイ。

本作は、時々妙な「軽さ」も描かれますが、彼ら熟年の役者がしっかり重みをキープします。

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さて。

それにしても、主人公・スクヒは騙されてばっかりでしたね。
いいように振り回され、いいように扱われ…
本作は、彼女にとことんまで哀しい運命を背負わせます。

タイトルの「悪女」は、逆説的だったように思います。本当に悪いのは、スクヒの周りの奴らみんなですから。

それで。

「恨」に突き動かされた先で、スクヒが至る境地とは。
一筋縄な結末なんぞ描きません。きっちりと、「酷」です。
ちなみに、コロせんせーは出てきません。

韓国映画、さすがの底力!


 

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Posted on 2018/02/18 Sun. 10:38 [edit]

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