素人目線の映画感想ブログ

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※ネタバレがある時は、必ず<赤字>で標記します。点数の説明はこちら。

パトリオット・デイ /「リアル」に紛れたウォルバーグ。 


 パトリオットデイ
 パトリオット・デイ
 (2016年 アメリカ映画)  
 84/100点



2013年4月15日に発生した「ボストンマラソン爆弾テロ事件」を題材にした映画です。
事件発生から102時間で犯人確保に至った経緯を描きます。
事件を詳細にリサーチし、出来るだけ事実に沿っているそうです。

ノンフィクションなので、ドキュメンタリータッチかと思いきや、意外にも結構ドラマチック。
まだ記憶にも新しい被害者の多い事件でも、エンタメに昇華させるハリウッドの逞しさって、ある意味凄いなあ。
もちろん、被害に遭った方々の許可を得ているから、いいですけど。

パトリオットデイ


それにしても。
この事件の実際の映像は衝撃でした。爆破の瞬間は、youtube等で観る事ができます。
9.11の時もそうでしたが、テロの瞬間がはっきりとカメラに映しだされます。
…その恐ろしさは、並大抵ではありません。

そうした実際の映像を観ているから、本作でのそのシーンでは、当然、現実の衝撃を凌ぐことはありません。
その点で、実際の事件の映画化には不利な面もありますね。

で。

本作は、実は開始早々は不安でした。
事件の関係者の描写なのでドラマの伏線でもありますが、何か生温かい…、登場人物たちの日常が描かれるからです。

だって。
カップルが、なんか…、イチャイイチャしている描写が出てきた時には、…あれえ? 期待しているのと違うかも…? と思ったものです。(いや、やっかみか?)

おまけに!
主人公の警官であるトミー・サンダース (マーク・ウォールバーグ)の人物描写が、「乱暴ものだけど熱血漢で情に脆い」という、まるっきり活劇の主人公キャラなもんで、興醒めしかけて危なかった。
なんかこう…、みなさん! マーク・ウォルバーグですよ! っ具合で浮いてるもの。

パトリオットデイ2


ところが。

映画が、俄然面白くなるのは、やはり「事件勃発後」

ここからは、面白かった!! かなり良かった! 久しぶりに興奮した!

もの凄く良い所は、ちょっと群像劇チックなところです。
印象的な役者陣によるキャラクターの面白さが、しっかり描写されています!

FBIの敏腕刑事リチャード・デローリエ (ケヴィン・ベーコン)の百戦錬磨な捜査指揮の巧みさ。
と同時に、官僚的な保身にも気を回すクールな感じ。カッコイイのよ、これが。さすがのケヴィン・ベーコン。

巡査部長ジェフ・ピュジリーズ (J・K・シモンズ)は、『セッション』の鬼コーチを思い出しますが、本作では頼もしいジジイです。
犯人の背後に回り込んだり、犯人に猪突猛進のタックルをかましたりの大活躍。
と思いきや、銃の腕はイマイチでハラハラさせます。良キャラだから、死んでほしくないって思わせるのです。

警察署長エド・デイヴィス(ジョン・グッドマン)もいい味わい。

その他、犯人の妻を取り調べる「女性取調官」も雰囲気があってカッコイイ。
何の成果もないのに、「彼女は知っているわ」とドヤ顔で言ってのける胆の座り方に痺れるね!

パトリオットデイ4


それから。
銃撃戦で、主人公かってくらいピンチに陥る警官がいたり、地元愛に溢れる女性警官がいたり、警官にトンカチ放って「これ使え!」って住民がいたり。ワンシーンだけでも印象的な人物が、多数配置されてます。

犯人に拉致されるアジア系男性のエピソードもハラハラさせます。
彼には、「彼女出来たばっかで死ねるかよ!」という執念がありましたね。

「構うもんか、戒厳令だバーロー!」って息巻く市長も熱いです。

それぞれの登場人物が、それぞれの見せ場で大奮闘。
この共闘感が、とても面白い。

だもんで。
一人だけ目立とうとしてそうなマーク・ウォルバーグが、邪魔なくらい。
急に「愛」とかなんとか、いいこと言いだしてんじゃねー…、とか思ってしまった。
ま、その割に、不思議と存在感がないので良かったですけどね(゚∇^*)。(ウォルバーグ的にいいのか…)

本作は、『シン・ゴジラ』のように、「足を引っ張る奴」がいないですよ。
みんな目的(犯人確保)のために、同じ方向を向いて頑張ります。
多少、FBIの動きが鈍いけど、当然とも思える慎重さなので無問題。

そんなプロの捜査官たちが、プロっぽく犯人を追跡していく様子が、また実に面白い。
捜査本部の設定の仕方から、監視カメラの分析の仕方などなど。細かくリアルに描写され、興味津々です。

中盤の銃撃戦も凄かった。
何気に、近年のアクション映画の中では、のめり込み具合がピカイチでした。
やはり、ノンフィクションだからこその緊張感があります。映画の中で誰かが撃たれたら、それは現実の事実という事ですからね…。祈るような気持ちで観ていたものです。

パトリオットデイ3


それにしても。

脚色はあるかもしれませんが、犯行の「無謀さ」が哀しい。犯人は、なんの組織の後ろ盾もないイチ個人。この「稚拙さ」もむなしい。
「自分勝手」で「軽薄」 ひたすら「粗暴」。

こんな奴らの犠牲になった方々の無念を思うと、どっと心が重たくなります。

しかし。

本作のキャッチコピー「最大の危機は、最大の奇跡を生む」にある通り、痛恨の悲劇はまた、「強固な絆」を生み出します

おまけに、「眠れる獅子を叩き起こす」トリガーにもなります。

こんなテロ行為は、むしろアメリカの力(時に暴走)を助長させるのです。
恨みを買うアメリカの暗部ももちろんあるのでしょうが、例えば…、「人権思想」を強めるアメリカの良い部分をうまく利用するような、平和的テロ行為みたいなものって…、なんかないものかなあ…。

それにしても。

こんな事件が実際に起きるアメリカの恐ろしさよ…
対処する警察の方々にも、実に恐れ入る想いです。


パトリオットデイ5


 

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Posted on 2018/04/01 Sun. 13:35 [edit]

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