素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

ヒューゴの不思議な発明 冒険活劇かと思ったら…? 


 無題
 ヒューゴの不思議な発明
 (2011年 アメリカ映画)80/100点

 
マーティン・スコセッシ監督の非バイオレンス映画です。
前作が、陰鬱ミステリー「シャッター・アイランド」でしたから、まー、引き出しの多い監督だこと。
本作は第84回アカデミー賞で、同年最多の11部門ノミネート、5部門で受賞しました(美術や視覚効果関連での受賞)。
劇場公開当時の観客満足度は大変高かったということです。今回の私の鑑賞はDVDですので、3Dではありませんから、純粋に映画としてどうだったかだけを書こうと思います。

さて、この映画の大きな特徴は、スコセッシの「映画愛」で作られているところです。
なるほど、物語の中盤以降から、実在の人物であるフランスの大物映像作家「メリエス」の話がクローズアップされます。
メリエスが作った「月世界旅行(1902年)」などの、映画の創世記時代の実際の映像と、その撮影現場の再現映像などが盛り込まれ、「映画というものをイチから築き上げたメリエスへのリスペクト」を強く感じる作りになっているのです。
 
さて。

1930年代を舞台にしたこの映画の主人公は、「少年」と「少女」です。
少年ヒューゴはパリのリヨン駅の時計台に独りで暮らしています。
父親が遺した「機械人形」を直すため、駅構内にある小さな部品をおもちゃ屋から盗み出しては修理を施す日々。
少女は、その少年の手助けをする、本好きで冒険に憧れている明るい性格です。
ヒューゴはこの広大なリヨン駅の裏側の通路を隅から隅まで知っていて、縦横無尽に駆け回ります。なんともワクワクするような疾走感を感じます。
実は私、冒頭からしばらく、本作に「天空の城ラピュタ」の匂いを感じていました。
予告編からも、壮大な冒険活劇だと思っていたのです。
リーテラトバリタウルスアリアロスバルネトリーヌを思わず唱えたくなるほどに!
 
だって。
 
ヒューゴ   は、  imagesCA6Z8JDB.jpg だし、


クロエ  は、  imagesCAM11IBG.jpg だし、


hige.png  は、 untitled.png でしょう!


ついでに言うなら、ロボット(機械人形)も出てくるしね。
ところが、意外なことにこの物語は、結構地道な人間ドラマに落ち着いています。
大空を滑空することも、砲弾が飛び交うことも、少女を助けるために逆さハグを披露することもなく、ましてや雷雲の中に入り込むことも、人がまるでゴミのように落下していくことも、乙女の髪がちぎれ落ちることもなければ、さらには、目がー! 目(以下略)
 
こりゃあ、予想していたようなファミリー映画じゃないんじゃない?
一緒に観ていた子供たちは、中盤くらいでそそくさと退散しておりましたよ…。

要は、先ほども申し上げました通り、本作はメリエスの物語なのでした。
「少年」「少女」は付け足しと言ってもいいのでは…? 第一彼ら…そんなに「映画」に興味ある感じじゃないし。
スペクタクルな映像がたまにはあるのですが、観客の期待に少しは応えておかないとなあ、というぐらいのサービス映像的なものです。線路に落ちるパターンは、駅というシチュエーションなので予想通りでした…。

もちろん、メリエスの若かりし頃の映画の撮影風景や、戦争によって映画を奪われ自暴自棄になるあたりの描写は見応えがあります。最新技術で作られた映像がてんこ盛りの本作で、昔の映画の映像もふんだんに使われるという対比も面白いです。
確かにそこには、溢れんばかりの「映画愛」があるのです。
映像も超美麗です。アカデミー美術賞を受賞するだけのことはあります。こりゃ3Dだと凄いのかも。

ヒューゴ
(CGのない時代。アイディアと根気の映画撮影に興味津々!)


あと、BGMも良かった。個人的に好きなクラシック「グノシエンヌ第1番」です。エリックサティの名曲です。
(よく映画で使われる曲です。「その男凶暴につき」とか)
メリエスと同じく、大昔のフランスの芸術家の曲を使うところがニクいです。
この曲によって、映画は悲しみを帯び、深みを増し、哀愁が吹き荒れます、そして…「ラピュタ厨」の期待は完全に絶たれるのでありました。
(ま、まあ…いいんだけど…)


(名曲です。)


あと各方面で言われている通り、「機械人形」が怖いです。完全に目がヒューゴを捉えて離さないでおります。
けれど、動き出した時の歯車の細かな動きが、何とも綺麗で見とれました。
壊れたまんまかと思わせておいて動き出したり、何の手がかりも残さないんだなーと思わせておいて動き出したり、なかなか意地の悪い仕様です。
メリエスが作ったものですので、作り手に似てしまったのでしょう。彼もヒューゴの大事なノートを焼いた! と思わせておいてしっかり持ってたり、ここに来るな! と怒鳴っておいてあとから働かせたり。…そっくりじゃん。

というわけで、実は子ども向けではなく、映画好きの大人のための本作。
鉄道警察官のキャラとか、ほんと最初はジブリっぽかったので、思わずそっち方面を期待したのですが、決して、「あの一言」でリヨン駅が崩壊していく、なんてシーンはありませんからご注意を!

 
トラックバックです。こちらの感想が面白くてすごい!

ヒューゴがなんか発明すると思ったら大間違いだぞ!あらすじ・・・まさかあの女の子がおまえの鍵穴に合うハートの鍵を持ってただなんて、僕ビックリだよ! いやぁ、今日はホントわくわくした!僕今すっごい興奮してます!思えば、お父さんが勤め先の博物館から壊れたままのおまえを持って帰ってから早幾年。 腕のいい時計職人だったおとうさんから機械のしくみを教わりながら、二人三脚でおまえを修理してきたよなぁ。でもおとう...『ヒューゴの不思議な発明』




  

記事を読んで頂きありがとうございました。
↓よかったら、クリック1票お願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
<スポンサードリンク>

関連記事

Posted on 2012/09/24 Mon. 15:38 [edit]

TB: 0    CM: 2

24

コメント

 

「ヒューゴの不思議な発明」なのに、ヒューゴ発明してないじゃん!っていう・・・。
これが「ヒューゴと不思議な発明」だったなら、まだしっくりくるのですが。
でも、別に映画好きなわけではない自分でも楽しめましたし、ヒューゴという少年の物語としても、監督の映画への想いが伝わってくる作品としても楽しめました。

URL | 邦題が・・・ #NJsiWxd2 | 2017/09/13 14:57 | edit

邦題が・・・ 様 

原題は「Hugo」と、シンプルなものらしいです。
邦題は、メインが「不思議な発明」で、「ヒューゴの」は、
「くりーむしちゅーの」みたいな、冠タイトルみたいなもんかと。

URL | タイチ #- | 2017/09/13 17:41 | edit

Comment
list

コメントの投稿

Secret

Comment
form

トラックバック

トラックバックURL
→http://eigamove.blog.fc2.com/tb.php/44-86fc21d6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Trackback
list