素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

ひまわり 戦争する、とはこういうことだ。 


 無題
 ひまわり
 (1970年 イタリア映画)80/100点


たまには古い名画を取り上げてみたりしちゃったりして。

戦争によって引き裂かれた夫婦の物語です。
当時主題曲が流行ったそうですが、かなりの名曲です。というか、これまでにどこかで必ず聞いたことがあると思います。
壮大かつ、世の不条理を嘆いた悲しみのテーマです。

あらすじは、
第二次世界大戦中、一組の夫婦が結ばれるが、夫は、ロシア戦線に駆り出されたまま、戦争終結後も行方不明。その夫を妻が必死に探すが…」というもの。


もう、ひたすら名画ですから、野暮なツッコミなんぞはヤケドを負いかねませんので、大人しく語りたいと思うのです。
例えば、妻役のソフィア・ローレンが美人過ぎていまいち同情できないとか、旦那はロシア美人と結婚したんだからもーいいじゃーん的なやっかみのツッコミなんか、ヤケドどころか焼身ものですよね。

などと、浮かれたことを言ってはいけないくらい、反戦の意を込めた重たい映画なのであります。
「私は貝になりたい」でもあった、戦争による家族を引き裂く物語は、本当に身につまされます。
もう二度と会えないかもしれないという思いを抱えての別れ。
さらには、もうじき死ぬ、本当に絶対に二度と会えない、と覚悟しなければならない絶望の悲しみは想像を絶します。

無題2
(長くは続かない幸せの日々…)


本作の夫・アントニオは、ロシア戦線において、その死地を経験します。
数分でも立ち止まれば体が凍りついてしまう、四方1000キロの雪の中を、食事も水もなくひたすら歩き、そして倒れてしまうのです。

妻・ジョバンナは、戦争終結後、行方不明の夫を探して、単身ロシアに向かいます。
言葉もわからない中、夫の写真1枚を手に、聞き込みをして回るのです。
「コノシャシンのダンセイをシリマセンカ」くらいロシア語を勉強していけばいいのに、なんて言ってはいけません。
それだけ、必死だったわけです。
 
その後、奇跡的に見つかった夫は、なんとロシア女性と結婚していました。
しかも、子どもまで作っていました。
悲しみに暮れる妻。ソフィア・ローレンの演技が素晴らしいです。

無題3
(夫との残酷な再開を果たした後、ジョバンナは逃げるように列車に飛び乗り…)


映画は、そこで終わるべきだったと私は思います。
が。
その後、夫アントニオは、ジョバンナとヨリを戻そうとイタリアに戻ってくるのです。
えー!? 子供いるのにー!? …やはり突っ込んでしまいました…
結婚わずか数十日で、戦争によってジョバンナと無理やりに引き裂かれたわけで、気持ちがわからんでもないですし、ありきたりな倫理観で映画を語るのは本当に野暮なのですが、子どもを犠牲にしてでも、という発想は、今や受け入れられるものではありません。
アントニオが今の生活・家族すべてを投げ捨てて、ジョバンナとヨリを戻そうと目論んだ瞬間、これは「悲恋」というよりも「身勝手な男」の物語という風にガラリと印象が変わってしまったのでした。

しかも、その心の動きをロシア人の奥さんに完全に勘づかれているという情けなさ。せっかくの家族のお引っ越しの日に、アントニオが憂い気に黙り込んでいるからです。
もうちょっと、上手に立ち振る舞おうじゃないかアントニオさんよお。
悲しそうなロシア人の奥さんがみじめに思えて、そこから見事にアントニオへの感情移入の気持ちがささーっと冷めたのは、まあ、個人的な感想なのでお許しください。

それにしても、一面のひまわり畑の映像は圧巻です。
一面の美しい黄の希望の色の下には、戦争で無念の中で死を遂げた兵士たちの遺体が埋まっているのです。
ひまわりのように、暖かい陽の光を求めた兵士たち。
かなわなかった帰路への切望。
戦争するとは、やはりそういうことなのだと思い知らされた映画でした。




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Posted on 2012/09/29 Sat. 23:49 [edit]

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コメント

 

自分が輝いていた時代、幸せだった時代が本物だって思いたいものです。
ロシアで家庭持ってもアントニオの心は平穏ではなかったはず。
あなたのコメントは浅い気がします。
きっとお幸せなんですね、良いですね。

URL | よっしー #- | 2014/12/25 22:48 | edit

よっしー様 

すみません…ひねくれてるのかも…

ただね、アントニオの心が平穏でないのはよく分かります。
だからといって、家族の立場はどうなるんだろうと心配になるのです。
「自分の不満」が先行してしまい過ぎていると思いました。
家族をもうけてしまった以上、責任は生じます。
どんなに不本意であろうと、
家族を持った以上は全てを呑みこまねばならないと思っています。

って現実的過ぎ…?

URL | タイチ #- | 2014/12/26 11:49 | edit

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