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ドライブ 「男気スイッチ」…ON! 


 無題
 ドライブ
 (20011年 アメリカ映画)75/100点


カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した本作。
あらすじは、
自動車修理屋兼カースタントマンの主人公(ライアン・ゴズリング)は、夜は強盗の逃がし屋という二つの顔を持っている。ひょんなことから、アパートの隣人、アイリーン(キャリー・マリガン)とその幼い息子と親しくなり、主人公とアイリーンは、お互いに好意を抱くが、服役中のアイリーンの夫が出所して…」というお話。

強盗の逃がし屋というと、ジェイソン・ステイサム主演の「トランスポーター」を思い出しますが、あちらよりもリアリティが濃く描かれている印象です。
冒頭のパトカーとのカーチェイスでも、車がひっくり返ったり爆発炎上したりすることなく、どこか淡々としています。
逃げては見つかり、逃げては見つかりを繰り返し、最後はスタジアムの駐車場に入り込み徒歩で逃走…って、これ、成功してるの? …と思ってしまうほど、地味にミッションを達成しているリアル感に、逆に感心したほどでした。

アパートの隣人である母子家庭のアイリーンやその息子と仲良くなるきっかけはベタですが、主人公の特性を生かしています。
かなり寡黙な主人公ですが、アイリーンたちとの交流はにこやかで見ていて爽やかです。
アイリーンはかなり可愛らしい感じなので、きっと旦那さんは実業家か何かだったけど死別したんだろうなーと思っていたら、超凶暴系で服役中だって!? そんな馬鹿な!? 
馴れ初めの説明がありますが、19歳の時に知り合ったとか…。
うーん、きっと若気の至りで火遊びしたら子供ができちゃってそのまま…、という勢い婚に違いない…うん、そうに違いない。

実際、アイリーンは夫の出所のことを、憂鬱そうに主人公に話します。
出所してきた夫はどこか「いい人」にも見えますが、主人公に向けるあからさまな敵意の目は、まさに野獣そのもの。ただの兄ちゃんではありません。

さて、本作は寡黙で地味な主人公の印象もあって淡々としていますが、突如訪れるバイオレンスシーンはかなり強烈です。
いったいどうしてそんなに強いのかわからない主人公ですが、敵の倒し方が尋常ではない徹底ぶり。頭を砕くまで踏みつけるなど、アイリーンでなくても引いてしまうこと間違いなしです。彼はやはり、決して表舞台には立てない裏側の人間なのだと思い知らされます。

また、照明の使い方が特徴的で、エレベーター内のキスシーンや敵を強襲する直前の主人公の登場シーンなどで、とても効果的に演出されます。
 
「自己犠牲」がテーマのこの映画は、例えば「容疑者Xの献身」「善き人のためのソナタ」を思い起こさせました。
彼女を手に入れたい、横恋慕したいという欲は決して見せず、ひたすらアイリーン親子を「幸せにしたい」と願うようになった主人公は、出所した夫の危機を救うことさえ志願し、献身的です。馬鹿みたいなのですが、かなりかっこいい。
ほんとだったら夫を無視して、「あいつさー、すげーやばいことに巻き込まれたから、とっとと逃げたほうがいいよー。なんならオレ、夜逃げに付き合ってやってもいいんだぜー」みたいな我欲に走りそうなものですよね(?)。
見事なほど「男気スイッチ」を押された主人公ですが、確かにアイリーンはかなり可愛らしいので説得力があります。
あれだなあ…なんであんな凶暴なのと結婚しちゃったのかなあ…きっと若気の至りで火遊びしたら子供ができちゃったんだよなあ…うん、そうだそうだ、やはり、そうに違いない。

とても丁寧に、そしてとことんハードな映像が展開する本作ですが、気になる点もちらほらあります。
ひとつは、主人公の設定が、逃がし屋、修理工員、カーレーサー、スタントマンと多岐に渡りすぎていること。もう少し、職業を絞って念入りに描いたほうが良かったのではないでしょうか。ちょっと散漫でした。
逃がし屋の設定などせず、「普通の男」の設定でも良かったように思います。
 
また、エレベーター内での主人公とアイリーンのキスシーンも少し驚きました。
だって、すぐそばに今にも襲いかかろうとしている刺客の存在を分かっている上での行為ですから。
スローモーションなので、実際はほんの数秒だし、この先に訪れるアイリーンとの別れを覚悟したロマンティックなシーンとも見られるのですが、それにしても長すぎるスローモーションに、「うみざルか!」と突っ込んでしまいました。(時間の切迫した難所で、恋人と悠長に会話することを「うみざル」といいます)

また、この手のバイオレンス映画に多いのですが、展開がすべて想像通りなのがちょっと…。
撃たれるだろうなあ。失敗するだろうなあ。死ぬだろうなあ。待ち伏せてるだろうなあ。この人、敵になるだろうなあ…全て予想を裏切りません。
タランティーノが昔、映画には「サプライズ」が必要だと言っていたように、何か一つでも裏切りの展開があってほしかったと思います。
敵側が時折神妙で憂鬱そうな表情を見せるものだから、何か思いがけない展開が起きるのではないか、と期待したのですけど…。  
映像表現やキャラ設定に相当のこだわりがあるのが分かるだけに、ちょっと惜しいなあと思った一品でした。


↓同映画のオススメ記事です。

その愛は、危険に加速する。昼はハリウッドのスタントマン、夜は犯罪者の“逃がし屋”として、都市の日陰で生きる孤独な男が、ふとした切っ掛けで知り合った隣家の母子を救うために、裏社会の大物相手に命懸けの戦いに挑む。まるで往年の西部劇の様なシンプルなプロットを、独特のムードのあるクライム・ムービーの佳作に仕立て上げたのは、ニコラス・ウィンディング・レフン監督。主人公の“ドライバー”に、このところ出演作が相次い...ドライヴ・・・・・評価額1650円


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Posted on 2012/10/02 Tue. 21:45 [edit]

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コメント

あの 

素人という前提があるのであまりキツいコメントは控えますが
最初に逃がした兄弟は
後にダイナーで兄と会ってますよね。
主人公の時は成功したと言ってます。
あと、ヒロインの旦那との出会いは17歳と訂正してますよね。
感想を述べるのは自由かと思いますが、内容をしっかり把握した上で書いて欲しいです。

URL | 匿名 #- | 2014/05/01 05:12 | edit

匿名 様 

コメントありがとうございます。

ご指摘感謝します。

もう一回見直してみます。

URL | タイチ #- | 2014/05/01 10:25 | edit

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