素人目線の映画感想ブログ

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ロボジー 頑張れ、もの作り大国ニッポン! 


 無題
 ロボジー
 (2012年 日本映画)75/100点


何も深く考えずに、安心してさっくりと楽しめる安定の面白さ。
さすが、「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖監督。
大爆笑はなくとも、全般にクスリと笑わせる要素がたっぷりと練りこまれ、見ていて本当に楽しかったです。

あらすじは、
木村電器のエンジニア3人は、社長命令である二足歩行ロボットの制作が行き詰まり、やむなく、73歳の老人をロボットに仕立てて、その場しのぎをしてしまうが、予想に反して偽ロボットが世間から注目を浴びてしまい…」というお話。

まず、役者陣がいい。味のある方々ばかりで素晴らしいです。
特にロボットの中身を演じる主人公・鈴木重光を演じるミッキーカーチス。
すみません、実はもの知らずなもので、「上手なじいちゃんだなあ、誰だ?」と思ってました。
有名なロック歌手兼俳優さんとはつゆ知らず、大変失礼をば。youtubeで「わが心のジョージア」を歌う姿を発見して、かっこ良くて驚きました。
しかし、本作では完璧にただのジジイでしたよ! (褒めてます)

  無題1
  (見事に、普通のじいちゃんです)

  
  (こちら、シンガーのミッキーカーチス)


木村電器のエンジニア・小林弘樹を演じる浜田岳も大変いい味出してます。
同じくエンジニアを演じるチャン・カワイ(惚れてまうやろーの人)も、予想通りのキャラですが楽しいです。
 
結構意外だったのが、ロボットオタクの女子大生・佐々木を演じる吉高由里子。
ちょっと変わった理系女子という設定ですが、リアルに大学にいそうな感じで好感が持てました。顔立ちが普通なんですよね、そこがいいです。(褒めてます…よ?)

老人・鈴木さんが、ロボットの中に入り込む事情には妙な説得力があります。エンジニア達の理想の体型である上に、腰痛の為、および腰でよちよちと歩く鈴木さんの姿が、まさにロボット歩行そのものだったわけです。鈴木さんは、注目されたがってる寂しがり屋な老人なもので、「目立ってやりたい」「孫に相手にされたい」という利害で、偽ロボットを演じることを承諾します。
ASIMO(ホンダの有名な二足歩行ロボット)の歩きに「じいちゃん歩き」を重ね合わせたこの発想は、実に見事です。
しかし、この偽ロボット、あまりに動きが自然過ぎなので、すぐにバレるだろうと思いましたが、最新のASIMOの映像を見てびっくり。本物のロボットも、人が入ってんじゃないかと思わせるくらい動きが自然なんです。
知らない間に、そんなに二足歩行ロボットって、進化していたのですね。

  
  (じいちゃん、入ってんじゃないの!?)


ただしこの鈴木さん、かなりの偏屈じいさんでした。常に周りに文句ばっかり言ってる割には、内心では「人に相手にされたがっている」という、かなり迷惑な性格なのです。
また欲深い面があって、偽ロボットをやる代わりに、エンジニア達になんやかんやと見返りを求めるので大変です。
しかし、内面に漂う哀愁は魅力があり、ここにも、多くを語らずに佇むロボットと重なる部分があるのです。
こんなにも、おじいちゃんとロボットって、似ているんだなあ。 

さて、物語が進むにつれ、エンジニアたちは女子大生・佐々木葉子の大学で講演を頼まれてしまいます。
質問攻め必至。
全て嘘なのに。
しかし、この窮地の脱し方が、実に見事なものです。
「どうやってこのロボットを作ったのか」という質問に対し、「どうしたと思いますか?」と逆に問い、優秀な理系の大学生たちから、逆に答えをもらってしまおうという周到さ。
やはり理系はかっこいいですなあ。次世代の日本を支えるであろう、理系大学生たちの優秀さをなかなか頼もしく思いました。
エンジニア達は、この大学生とのやり取りを綿密にメモし、それを元に実際の二足歩行ロボットの図面を作り上げていくのです。
結局は、映画の結末までに本物のロボットは完成に至らないのですが、いつの日か本物の「ロボジー」を完成させる日が来るのでは、と思わせるあたり、希望のある締めくくりで良かったと思います。 
 
そのほか、ものすごくアナログな原因でロボットが偽物だとバレてしまうなど、アイディアがよく練られていて好感が持てました。
 
エンジニア達がやったことは、完全な詐欺行為ですが、本作のラスト含め、「人生、その場しのぎの連続だ」という皮肉が込められていてちょっと共感してしまいます。
実際にも嘘の論文を発表したり、嘘の発見をでっちあげる学者がいますけど、いったい誰に彼らを責め立てる権利があるのでしょうか。
小説や絵画や楽曲のパクリ疑惑もさもあらん。
みんな追い詰められて追い詰められて、最後の手段で「その場しのぎ」の手に逃げ込んだわけです。
著作権の問題は当然ありますが、私には、彼らの「その場しのぎ」を完全に否定することはできません。「生きてくためにはエーンヤコラ。」ってことも、時にはあるでしょう…?
この詐欺行為に怒り心頭であった女子大生・佐々木葉子が、映画のラストで見せた心境の変化は、「ミイラ取りがミイラになった」ととるか、「社会的に成長したのだ」ととるか、まあ、それは、人それぞれの人生観ではありますが…。

そんな皮肉も楽しい本作。ま、そんな深く考える映画ではありませんので、軽い気持ちでどうぞ、ぜひ。


  

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Posted on 2012/10/07 Sun. 16:40 [edit]

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07

コメント

 

そうですよね だましだましでいかなければ!

URL | あs #- | 2014/09/17 18:57 | edit

あs 様 

コメントありがとうございます。
いやあ…そう全肯定されると…なんか躊躇しますね。
けど…世の中渡ってくには、ごまかしの技術ってのも、
時には必要なんでさー。

URL | タイチ #- | 2014/09/17 19:15 | edit

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