素人目線の映画感想ブログ

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ブラックレイン リドリー・スコット×高倉健×マイケル・ダグラス 


 無題
 ブラックレイン
 (1989年 アメリカ映画)85/100点


現在公開中の「あなたへ」は高倉健の205本目の出演作だとか。
正直に言うと、私たち世代にはあまり馴染みのない俳優さんです。
網走番外地シリーズなどは生まれる前ですし…
だから「あなたへ」の映画の宣伝で、高倉健が「スマステ」に出ていた時、香取慎吾と草薙剛が「憧れてました!」って言ってることに、嘘くさーい感じがしたのですよね。かえって失礼なんじゃないかなあ。

さて、そんな中において、本作「ブラックレイン」は20年以上前のハリウッド映画ですが、私の中で唯一高倉健が印象に残っている映画なのです。
「ブレードランナー」「プロメテウス」のリドリースコット監督がメガホンをとり、高倉健に限らず、オーディションを勝ち抜いた松田優作、若山富三郎、内田裕也、安岡力也、神山繁といった蒼蒼たる日本人俳優達が、リドリースコットテイストの画面にその存在感をどっしりと植え付けているのです。
俳優陣は、その他、国村隼、ガッツ石松、島木譲二、小野みゆき。
刑事役の高倉健以外は、はっきりいって「アウトレイジ」がカワイ子ちゃんに見えるほど、「全員悪人」です。
  
アメリカ側の俳優は、マイケル・ダグラスにアンディ・ガルシアとこれまた豪華。
(何気に、撮影はヤン・デ・ボン、音楽はハンス・ジマー)
そりゃあ、公開当時は話題になってました。なにしろこのメンツですからね。
わくわくするでしょ。日本版アベンジャーズみたいなもんですよ。
そりゃあ、ほぼ「全員悪人」だけどさ!
「ハリウッドよ、これが悪人面だ」って感じでね!

その中でもひときわピカリと光るのは、やはり松田優作です。
ダークヒーローと言ってもいいくらいに、存在感のあるスタイリッシュな雰囲気の大ワルを演じています。
ご存知の方も多いと思いますが、これが彼の遺作となりました。癌に侵されながらも、最後の力を振り絞った狂気の芝居を見せつけます。
今、渡辺健がハリウッドで活躍していますが、松田優作が存命であれば一足も二足も先にハリウッド俳優として羽ばたいたに違いありません。(実際にロバート・デニーロとの共演企画があったようです)

さて、あらすじですが簡単に…
ニューヨークの刑事、ニック(マイケル・ダグラス)とチャーリー(アンディ・ガルシア)は、ニューヨークで殺人事件を犯した佐藤(松田優作)を日本へ護送するが、空港で逃げられてしまう。佐藤を追跡するために、日本の刑事・松本(高倉健)に協力を申し入れるが、日本流の和を重んじる松本やその上役(神山繁)と度々衝突し…」というお話。

本作の醍醐味は日米の文化衝突です。アウトローなニックと和を尊ぶ松本は、当初あまり理解し合えません…っていうか、やっぱり日本人から見ると、「ワガママな外人に振り回される高倉健」という構図に見えてしまいますな。
空港で佐藤を逃がしたニックは、上役の神山繁に「まずは、謝罪だろ」と怒られますが、「アンタラモ、ワルイダロ」と逆ギレします。いやいやいや、そこは確かに謝罪しないと。
おまけにニックは、松本の反対も押しきって勝手に事件現場に足を踏み入れ、好き放題にした上、代わりに松本が上役に怒られるという事態を引き起こします。
しかも、ニックはニューヨークで汚職に手を染めているくせに、松本にそれを咎められるとプンスカと不機嫌になる始末。
おいおいおい、こうなってくると話が変わっちゃうよ。「ワガママなメリケンVS日本強面連合」の対決でもおっぱじめよーじゃないの!
 

 無題2
 我らが高倉健を困らせ…

無題3
 我らがガッツ石松を饅頭のようにつまみ…

 無題3
 我らが内田裕也を撃ち抜き…

 無題3
 我らが若山富三郎にメンチぎり…

 無題3
 許せん! やっちめー、優作ー!

という映画ではありません。

(コホン…)というわけで、話は逸れましたが、この強面集団がほんとに怖いんです。ジャパニーズYAKUZA全開の、ニックにとっては相手にとって不足なしの面々なのでありました。なにより、みんながみんな、記憶に残るシーンにしてやるぜという野心を携えて気迫十分なのです。
松田優作以外では、神山繁と安岡力也が非常に印象的でした。
ニック、佐藤、YAKUZA組織の三つ巴の戦いという構図も面白いし、若山富三郎が重要な映画のタイトルでもある「黒い雨」についての恨み節を、ニックに憎々しげに語る場面も意外でした。
「黒い雨」とは、空襲後に降り落ちる、煤の付いた雨のことです。
かつての戦争の恨みを日本人に語らせるシーンというのは、なかなか外国映画では見当たらないものです。
 
まーしかし、警官の上役もやくざの親分も、突然英語をペラペラと喋りだすのはご都合主義でしたね。

 無題1
 (さすがと唸るほど、相当に作りこんで演じてます)

 無題3
 (本作は、絵になる、かっこいいショットが多いです)
 

ハードボイルドな雰囲気満載の本作は、アメリカが日本を描いたらめちゃくちゃになるというパターンを打ち破った傑作でもあります。
なおかつ日本人俳優をこんなにまで素晴らしく絵にしてみせたリドリー・スコット監督には、頭が下がる思いです。
ラスト。ニックの心に、松本の人情が通じたような別れ方も好きです。
笑顔のニックと、涙を堪える松本。テーマソングも素晴らしく圧巻のラストシーンでした。
 
あと、最後にこんな貴重なツーショットでお別れ。

 無題4
 高倉健とアンディ・ガルシアのデュエットシーン!

今見ると、ほんと貴重ですね。


 

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Posted on 2012/10/16 Tue. 22:03 [edit]

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コメント

健しんの時計 

このシーン、良かったですね~ アンディ・ガルシアさんが アメリカの映画かテレビで時計をゆすられているシーンが有りましたが、アメリカでも健さんの時計プレゼントは知られているようです。

URL | 匿名希望 #- | 2014/11/24 23:55 | edit

匿名希望  様 

コメントありがとうございます。

高倉健の偉大さって、実は僕らの世代はよく分かっていないのですが、「八甲田山」や「幸せの黄色いハンカチ」を見てみようと思います。

アンディ・ガルシアからお礼の時計がプレゼントされたそうですけど、受け取らなかったそうですね。
常に、自分が何かをしてあげたい、という想いでいる人なんだなあと思います。
決して見返りを期待しない優しさが、かっこいいです。

URL | タイチ #- | 2014/11/26 08:34 | edit

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