素人目線の映画感想ブログ

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 分からんが、面白い。 


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 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
 (2012年 日本映画)85/100点


ネブカドネザルの鍵? ロンギヌスの槍? カシウスの槍? 第13使途? ガフの扉?

分からん!

分からんが、こんなにも盛り上がるのはなぜだろう。
旧劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が1997年公開でした。
当時私は大学生。
そりゃあ、かなりのエヴァブームでしたよ。
謎が謎を呼ぶミステリアスなシナリオと、精神崩壊と性格異常を発揮し続けるメインキャラクター達の泥沼ドラマに、きっちりと演出されるカタルシスに、宮崎駿から「しばらく休んだ方がいいよ」と心配されるほど、自身の狂気を余すところなく発現させた庵野秀明の作家性に、気が付いたら、あっという間にテレビシリーズ全24話と二つの劇場版を鑑賞しきるほど、はまりこんでいました。
そして、最後の最後まで内容は難解で、ついていけない観客を置いてけぼりにしたものです。
当時から、製作者側さえも共通認識として内容を把握できていなかったというから、ある意味、内容の理解なんてのはそれほど重要ではないんだと思いました。

あれから15年経った今、「序」「破」に引き続き、新たに作られたシリーズ最新作「Q」を鑑賞。
実は「序」と「破」は、旧エヴァに比べると幾分内容がマイルドになっている感じがあり、分かりにくい話の中にも、観客迎合的な「エンタメで分かりやすい」楽しませ方をしている感じがしたものです。
うん、これなら金曜ロードショーで流せるわ、という…ね。(旧劇場版は無理でしょ? たぶん)
しかし、振り子が勢いを増して戻ってきたといいますか、本作「Q」は、再び、観客置いてけぼり炸裂で、懐かしさを感じるほどに難解なキーワードや展開が待ち構えていたのです。
昔いろいろと勉強したエヴァ知識が今や薄れたせいもあって、まー、さっぱりと意味わからんちんでしたな。
あれこれ分析・解析サイトを覗いてみると…んなことわかるかよ!ってくらいに、難解なワードを超読解している方が多くて、感心するやら、ほとほと自分には無理だわと諦めさせるやら。

私ははっきり言って、本作鑑賞に、「何が起きているのか」という正確な把握は必須ではないと思います。
もちろん、あーだこーだと推察するのが楽しいのはわかるので、それはそれで良いとしても、必ずしも「考察」が必要というわけではないと思います。
そうでなければ、ここまで大ヒットする映画にはなっていないでしょう。
理屈を考えず、起きている事象をただ傍観するだけでも、本作、というかエヴァシリーズは楽しめるのです。
それはなぜなら、ハリウッドアクション映画さえ凌ぐほどの超ド級のエンタメなアクション演出と、たたみかけられる美麗な構図による映像、わくわくさせるBGMに、わけわからなくてもドキドキする物語の崖っぷち感と絶望感などなど、全てが滅多に味わえるレベルのものではないからです。
前作「破」に比べると、爽快感に欠けるという批判もあるようですが、4部作の「転」にあたる3作目ですから、役割として十分に急展開させたもんだと感心しました。

ま、わけわからんちんだけどね!

さて、感想を書いていこうとは思うものの、本ブログでは「解析」「分析」は一切行いません。
謎解きもしません。
それをご希望の方は、他サイトに詳しいので(ほんとに)、そちらをご覧ください。
一番下にリンクしてみました。
心から感心するほど、様々の方が深々と読み解いていらっしゃいます。

(あと、エヴァ知識がある程度は持っている方に向けての感想です。そして、若干ネタバレします)

・オープニングから、素晴らしい演出。
真っ暗な画面に様々な通信音声が飛び交い、次第に画面中央に物体が現れ、カメラは徐々に近づいていきます。
始まりからずっとワンカットで全体を見せるダイナミックさ。
それは、宇宙空間での戦闘を可能にしたエヴァンゲリオン2号機。
その操縦者は、式波・アスカ・ラングレー。
途端に始まる戦闘ですが、初心者の方には何のために何と戦っているのか、さっぱり「?」なことでしょう。
これ実は、「シンジが取り込まれているエヴァ初号機の奪還中」なのですって。知らんかった!
にしても、戦闘BGMがとびきり秀逸。しかも、それを鳴らし始めるタイミングが絶妙にうまく、しかも予想の斜め上。
冒頭からちょっと心が震えます。

・シンジは観客と同じく途方に暮れる。
主人公は碇シンジ。
前作でエヴァンゲリオン初号機に取り込まれ、本作冒頭で救出されるわけです。
さて、目覚めたシンジは、次々に信じがたい出来事に遭遇します。
まず、仲間だった人たちを含め、みんなが冷たい態度を見せます。
冷たいというか、憎しみさえ感じます。
上官であり、一番の理解者であったはずの葛城ミサトさえ、シンジに冷ややかです。
しかも、シンジが一体何をしてそういう態度をとられてしまうのか、といった説明一切がなされません。ゆえに、シンジは混乱します。
全員がドSか、と思うくらいの仕打ちです。
この状況は、つらい。
「自分の何がダメなのか自分で考えなさい」と言われることほど、つらく苦しいことはないですよ、これ。
しかも14年の時が経っており、自分やアスカの姿は「エヴァの呪縛」により成長していないという…。
???????…わからん…。
この時、シンジの気持ちと観客の気持ちは見事にシンクロするのでした。(制作側の狙いでしょうけど)
後に出会う渚カヲルより、シンジ(そして観客)は、ようやく説明を受けますが、なんでもシンジの身勝手さによりサードインパクトに近いことが起き、人類はエヴァンゲリオンの出来そこないに中途半端に進化したため、人類のほとんどが死滅しちゃって…!?!?
わからんってば。
私たちはいいですから、どうかシンジ君にはきちんと説明してあげたらいいのに。
私は最初、シンジはパラレルワールドに入り込んだのかと思いました。
そこまで、周りの人々の反応が前作と違うからです。
前作ではミサトは、「行きなさい、シンジ君。自分のために!」とシンジの背中を押していたじゃありませんか。
怖い…。手のひらを返した女の顔を知ってしまったシンジ。

…と、思ったら、実際にパラレル説はあるようですね。

・謎と呼べるのか。不可解なストーリー爆走。
上記のように、次々と観客を置いてきぼりにする話が展開していきます。
ミサト率いる「ヴィレ」という新組織は、どうやらミサトが前作まで所属していた「ネルフ」に対抗するために結成されたみたいです。
前作から本作までの14年間に、いったいどんな経緯があり、やり取りがあったのか…?
本作劇中では一切語られません。
急(Q)展開にもほどがあるぞ…
シンジを助けようとする渚カヲル。
何がしたいのか…
前作で登場した新キャラクター「マリ」
何がしたいのか…
リリン…は「人」のことだから、その王と呼ばれる碇ゲンドウ。
何がしたいのか…
ゲンドウの側近、冬月。
将棋がしたいのか…
ゼーレと呼ばれる組織のみなさん。
何がしたいのか…

大ヒット上映中が続く本作ですが、見た人のいったいどれほどの人が内容を理解しているのでしょう。

・見落とすこと必至の「仕掛け」の数々。
解析サイトをのぞきながら、疑問を少しずつ潰していったり、頭をひねったり…思いがけない隠された秘密に気づかされたり…。
なるほど、こういう楽しみ方もあるのかと気付かされます。
ネット時代だからこその、新たな映画の楽しみ方だと言えます。
それだけ、映画内に隠された謎や仕掛け、思わせぶりなシーンが多いということです。
無数の驚きの仕掛けの中から、ほんの一つだけ抜粋してみます。
冬月がシンジと将棋を指すシーンで、「31手目で詰みだ」というシーン。ほんと感心するんですけど、このセリフの31分目に「OOがOOする」まさに罪(詰み)のシーンがあるとかなんとか言っている方がいて!
確認はしてませんけど、まー、よく気づく人がいるねー。

ちなみに最大に驚いたのは、
エヴァQ公開日の11月17日は「将棋の日」だってこと。
まさか、意図的か。つ、ついて行けんわ。

もちろん、こんなに細かく目を皿にして、耳をダンボにして鑑賞しなくても、ぽけーっと見てるだけでも十分に楽しいエヴァンゲリオンなのではありますが。


無題
(鑑賞後の観客の姿…ではなく、へこむシンジ)


・次回作に謎解きの期待せず。
はちゃめちゃに激闘されるラストバトルの後(まーこれも、いったい何のためにやってるのか、さっぱり分からん人の方が多いでしょうけれど)、多くの謎を残したまま本作は終幕します。
さて、次回「シン・エバンゲリオン劇場版:||」は、すべての謎を見事に回収してくれるのでしょうか。
タイトル後に着く「:||」のマークが、音符のリピートを意味するだとか、ただの終局の意味だとか、あえて論争を巻き起こすように、いちいち設定されている細かさに恐れ入るどころか、震え上がる思いです。
ただ旧エヴァから見ている者には、これだけは経験上身に染みていることがあります。
エヴァは「謎を解かない」ということ。
だから、そこに期待するものではありません。次回作に、本作以上にどえらい目に遭わされかねません。できれば、旧劇場版のような陰鬱としたラストより、今度の最終回は爽やかに終わってはどうかなあと、個人的には思っていますけど。

まー、いいじゃないか。とにかく分からんが、面白いんだから。


(あと少し幾つか…)
*EDテーマの宇多田ヒカル「桜流し」が素晴らしかった。映画の余韻をバッチリと残し、酔わせる、本当に綺麗な名曲。鳥肌ものでした。

*戦闘シーンそれぞれ、本当に何をしているのかが分からない。セリフ集を読んでみてさえ分からない。そもそも敵が何者なのかも分からない。

*ただそれにしても、一般市民というものが全く出てこないのは気になりました。
ニアサードインパクトやらで、人類はほとんど死滅しているような状態ですから、実は世界としては既に「終わってる」感が強く、そのため、「今さら」生き残りの数名がちょこまかと足掻いているだけのようで、何ともポツンと世界観がしぼんでしまったような気がします。
ゆえに、もう「終わってる世界」に近いため、緊張感がなかったのが痛いかな。「フォースインパクトをとめなきゃ!」って言われても、「いや、もう何が起きても起きなくても一緒じゃね?」という感じがします。

*そんなボロボロの世界で、たった14年であんな凄い飛空艇(ヴンダー)を創りあげられるなんて、どこにそんな人材と資金と叡智が残っているんだ…というのは野暮なツッコミですよね、やっぱり。

*同時上映「巨神兵、東京に現る」には驚いた。何がって、「宮崎駿」がきちんとクレジットされていることに。こりゃ…庵野監督の「風の谷のナウシカ続編」を、いつか3部作くらいでやるに違いない。だって、大ヒット間違いなしじゃないですか。かねてからジブリの鈴木さんは、「ナウシカ2 戦争編」を庵野監督でやり、「ナウシカ3 完結編」を宮崎駿でやりたいと言っていたし、庵野監督自身、「ナウシカ」のコミック第7巻を映画化したいと言っていますから、宮崎駿の許可待ちみたいなものですからね。


んー、さて、あまりに膨大な情報量の映画ですから、ちょっと中途半端な感想で終わったのが気にかかります。やはり、ちゃんとした「分析」を望まれる方に、幾つか下記にリンクしますので、どうぞご覧ください↓

・また、やりなおせるのか「エヴァンゲリオン新劇場版:Q/カゲヒナタのレビュー

・エヴァQ、雑な解説&考察/Rei in Cyberland明日できることは今日やらない

・エヴァQの考察と解説を自分なりにする【ネタバレ注意】犬と暮らすある男のブログ


 

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Posted on 2012/12/29 Sat. 21:44 [edit]

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