素人目線の映画感想ブログ

素人による、素人のための映画感想・レビュー。 映画文法や方程式なんのその。

フロリダ・プロジェクト/子供にとっては住めば都…、でも。 

 フロリダプロジェクト
 フロリダ・プロジェクト
 (2019年 アメリカ映画) 
  90/100点


久しぶりの更新です。

大傑作です!
爽やかな家族ドラマを装いながら、アメリカの貧困層を鋭く描く物語。『万引き家族』や『パラサイト』と同じく経済格差がテーマです。物語の舞台が、「ディズニーランド」のある「フロリダ」ってところがミソです。すなわち、富裕層が遊興にやってくる「夢の国」のそばには、貧困層の住まう安モーテルも軒を連ねているのです。

フロリダプロジェクト1


といっても。
家賃もろくに払えない面々が巣くう、この古ぼけて老朽化したモーテルが…、実は結構、魅力的でした。

序盤は楽しかったんです。子供目線で物語が進むからでしょうね。どれだけ貧しい家屋でも、子供には「住めば都」なんですよ。子供にとってはディズニーランドに負けず劣らない「娯楽の城」だったと思います。面白い住人、探検したくなる雑多感、階下の友達、狭いけどプール付き。ついでに言うと、管理人がウィレム・デフォー。なんと、魅力的!

雇われ管理人のウィレム・デフォーがいい味なんです。厳しいこという割には、主人公親子の両方に手玉に取られている感じとかが素敵です。日暮れのモーテルで煙草をふかす背中の哀愁が、半端ないです。そんなんだから、子どもたちが管理人室に居座ってるの、居心地良さそーに。

フロリダプロジェクト2


『ルーム』でも、生まれてからずっと監禁されていた子供が、解放されてからも元の部屋に戻りたがっていましたよね。子供にとっては、そんなもんなんです。

定職に就けないお母さんと一緒に、高級ホテルの駐車場で富裕層を待ち構えて物売りするのも、子供にとっては、なんてことない日常なんです。

フロリダプロジェクト3


現実を知らない、ってのは最強です。まさに、彼らは「夢の中」にいるのです。もちろん…、いつかは覚めるのもまた「夢」です。大人になるにつれて、自分の置かれている過酷な境遇を知るのでしょう。部屋の窮屈さを思い知り、親への反抗心が芽生え、抜け出せない貧困の連鎖に頭を抱えるのです。

主人公の女の子の度を越したイタズラや口汚さも、子供の頃なら「可愛らしい」で済むけれど、大人になったら母親と同じ道筋をたどることは容易に想像できます。本作では、彼らの顛末は描かれませんけど。

その代わり。
結末は、強烈な皮肉で締めくくられます。ついに「現実の一端」を垣間見た彼らが逃げ込んだ「夢の国」こそ、まさに家族の絆を引き裂く「経済格差の象徴」だという、残酷。


フロリダプロジェクト4


話は変わるけど。
コロナの感染者数がアメリカと日本で大きく違うことが、謎だと言われています。なぜアメリカではあれほど蔓延しているのか。本作を観たら、少し理解できます。だって、生活が不衛生だもの。靴のままベッドに上がるもの。あと、子供たちのつば吐き競争って…何? 『タイタニック』でもジャックがやってたけど、アメリカの貧困層の伝統的な遊びなの? うーん、汚いのなんの。

実際、ニューヨークの感染拡大は、貧困地域に集中しているそうです。富裕層は、とっくに別荘へ避難しているんだとか。逃げ出すことも、病院に行くことも許されない「貧困」こそ、未知のウイルスがつけ入る絶好のスキだったというわけ。

経済格差をテーマにした映画がもてはやされた昨今。その締めくくりがこの事態ってのも、まるで計算されたようなオチで…、まあ笑えない。


 


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Posted on 2020/05/21 Thu. 21:31 [edit]

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