素人目線の映画感想ブログ

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ノマドランド/マクドーマンの老境は、格別。 

 ノマドランド
 ノマドランド
 (2021年 アメリカ映画)
 97/100点



自分が20代以下の頃だったら、たぶん分からなかったと思います。40半ばを迎えた今だからこそ、身に染みるように伝わってきた、この人生の重み。

淡々とした作風ですが、始終ジーーーーーーンとしてました。詩的な情感たっぷりの映画です。サントラのピアノにとても痺れました。



主演は、フランシス・マクドーマンド。『スリービルボード』でも印象的でした。ものすごく人生が刻まれた顔つきなんです、酸いも甘いも。この老境における絶対的信頼感は、『運び屋』のイーストウッドにも匹敵します。

本作は、「マクドーマンド演じる主人公:ファーンが、夫と仕事を失ったのち、車上生活を続けていく様子を描きます。」

本作に登場するノマド(車上生活者)は、マクドーマンド以外全員本物だと言います。素人役者…とは思えない芝居ぶりでした。つまり、本作にはドキュメンタリーのような様相もあります。「amazon」っていうリアルな職場も出てきますしね。もちろん、マクドーマンドのノマドへの溶け込みようもすごかった。

一瞬、こんな生活もいいなとか思ったんですよ。車上生活って、むしろ楽しそうな気がして。そう思った矢先、おなかを壊したファーンが車内の簡易トイレで用を足し始めたところで、青ざめましたけど。ウォシュレットないのお? 部屋中がたまらない匂いでいっぱいじゃないのお? 溜まったものは誰が捨ててくれるのお? …軟弱者はトイレから挫折します。特に日本人は綺麗なトイレにこだわるから、キツいかもしれません。

もちろん、過酷なのはそれだけじゃない。仕事は季節ごとに変わっていくため、生活は極めて不安定です。手厚い補償もありません。車が故障したら、一巻の終わり。  

しかし。
ファーンは、この生活に誇りがあります。「ホームレスか」と尋ねられ、即座に「いいえ、ハウスレスよ」と答えます。定住の場所(ホーム)がないだけ。また、彼女は極力、人に頼ろうとしません。ノマド仲間に声をかけられても、「一人になりたい」と誘いを断ったり、定住先を薦められても、受け入れることをしません。

もしかすると、ただの頑固かもしれません。いや、こんな生活に落とした「社会」に対する反骨心かもしれません。亡くなった夫への仁義かもしれません。意外に、根無し草の生き方を気に入ったのかも…。いろいろな理屈・心境を全て一つの芯に固め、すっと覚悟した表情を見せるマクドーマンのなんと清々しいこと。「アカデミー賞主演女優賞」の獲得には、何一つ文句なし。

人生とは、辛いものだ。

普段たらたら生活していると、そんな当たり前を忘れかける時があります。でも、一皮むけば、当たり前のように人生は辛い。…ということを、しっかりと思い知らせるような映画です。

でも。

ラストで、主人公はさらに芯を固め、再び旅に出ます。一片の迷いもなく。人の強さもまた、知らしめる映画です。


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Posted on 2021/05/15 Sat. 12:36 [edit]

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