素人目線の映画感想ブログ

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鬼滅の刃 無限列車編/炭治郎、その男無心につき。 

鬼滅
 (2020年 日本映画) 
  85/100点


『鬼滅の刃』に初めて触れたのは、TVシリーズ「19話 ヒノカミ」の噂を聞きつけたからです。何やら相当な「神回」であると。で、アマゾンプライムで観てみたんですよ、そしたら本当に凄くて。世界観もキャラクターも知りませんでしたけど、ラスト8分の素晴らしい作画と演出、音楽に鳥肌総立ちでした。凄いものを観た…と心底思ったものです。

無限列車3


そこから原作を読み漁って今回の映画に行き着きました。まずは映画の感想の前に、『鬼滅の刃』について書きたいと思います。

『鬼滅の刃』の格別の魅力は、大きく二つあると思っています。そして、どちらにも掛かるポイントは、「炭治郎の不幸」

1.「ハードすぎる戦闘」と「炭治郎の不幸」

毎回毎回、まさにイジメのような死闘が展開されます。もちろん、漫画はたいてい「ハードな戦闘」ですけど、『鬼滅』はちょっと様相が違う。主人公の炭治郎が「本当は闘いたくない」と思っているから、余計に過酷さが際立つのです。鬼にされた妹を助けるために、否応なく戦いに身を投じざるをえない。そう、彼は「仕方なく」闘っているわけ。それであの命ぎりぎりの戦闘は、とても可哀そうですよ。闘いたくてウズウズしている某漫画のG空さんとか、Rフィさんみたいに能天気じゃないんです。そのあまりの不幸な彼の境遇に、思わず応援したくなること必至。

敵側が容赦なく極悪であることも、物語の緊張感を膨らませます。ボスである鬼舞辻無惨は部下に対しても、あまりに非道。語られる理屈は、理不尽そのもの。無惨に操られた「鬼」たちのせつなさもまた、物語のさらなる深みとなっています。

余談:首が飛ぶような描写が残酷だと指摘されますが、首が飛ぶのは基本「人」じゃなくて「鬼」ですから。アラレちゃんの首がはずれるのと同じことじゃない?

2.「家族への想い」と「炭治郎の不幸」
『鬼滅』の最大の特徴は、コレだと思っています。キャラクターそれぞれの「家族」を描きます。親子や兄弟、時には子弟の過去と顛末を描きます。通常、回想はテンポを崩すので「うっとうしく」なりがちですが、『鬼滅』は短い時間で見事に印象を残すから秀逸です。その描写は敵側にも及びます。徹底して「家族」を描く物語だからこそ、幅広い年齢層に響くのではないでしょうか。

主人公の炭治郎は家族を鬼に殺されています。彼のそばには時折「家族」が姿を現します。幻なのか霊なのか分かりませんが、炭治郎が常に「家族」を想っているという表現です。それが、炭治郎の健気さを感じさせると同時に、その不幸な境遇が胸に迫ります。やっぱり、彼を応援したくなるのです。

余談:これほど「家族」を軸に描く漫画が、子供に受けるというのが結構不思議です。テレビなんかでは、「最近は家族関係が希薄」とかステレオタイプに報道されますけど、実は逆で、「家族の絆」が深い時代なんじゃないですか。だとすると、今の親世代である我々の功績じゃん?

無限列車2


「炭治郎の不幸」などと言ってますけど、「おしん」みたいに彼が可哀そうだから目が離せないんです。おまけに、彼はまるっきり「いい奴」です。まるで「男の欲」がない。常に「誰かの為」に働く炭治郎に比べると、G空さんの「宇宙一強くなりてぇ」だとか、Rフィさんの「海賊王にオレはなる!」なんて、まるっきり欲望まみれで、なんて身勝手なこと(言い過ぎ)。この設定は、作者が女性だから…かなあ。

これだけ「働き方改革」を求める声に溢れた世の中で、大ヒットアニメのテーマが「滅私奉公」「自己犠牲」だなんてね…。やはり人が「美しい」と思う行動ってのは、そうそう変わらないんだということ。

とはいえ。
『鬼滅』には既視感のある部分も多く、実はオリジナリティは低い方です。個人的には『Hunter×Hunter』の影響を強く感じます。鬼殺隊の柱たちとか「十二支ん」を思い出すし、無惨の攻撃方法ってまんま「ユピー」なんだよなあ。

無限列車


さて。

では、ここから映画の感想…。一言で言えば、いや泣くよ~、こんなの~。

序盤は普通にマンガアニメだなあ…というくらいの印象でしたけど、終盤にすべてを集約させたような熱量がもの凄かった。その一番の立役者である炭治郎の上司:煉獄杏寿郎は、炭治郎よりもさらにまっすぐです。死など一片も恐れずに強敵と対峙する姿が本当に美しい。

壮絶な戦いの果てに訪れる喪失感と、必死にあがらう炭治郎の想いがさく裂します。
この時点でもう涙腺がヤバい…。でも原作を読んでいたので、最後にもう1個でかい涙腺破壊爆弾があることを知っていたから、こりゃもう駄目だとスクリーンから目を離してしまった。これ以上はアカンて…(だからそのシーンを観てません)。

終盤の描写は、それほど凄いパワーでした。

それにしても。
中盤、炭治郎が(死んだ)家族の夢を見るのも、夢から目覚める方法も、とにかくとことん残酷です。炭治郎は、なにゆえそこまで追いつめられる人生なのか。夢の中で炭治郎はつぶやきます。「本当なら闘いたくない。こうやって家族と一緒に暮らしたい」 炭治郎は闘いたくない。それなのに、彼はこの先も幾多の死線をくぐらねばならない。やはり炭治郎は不幸です。可哀そうです。

無限列車4


一つ悪く言えば。
炭治郎があまりにも「いい人」なため、彼には人間味がありません。ライムスター宇多丸さんが映画評論で言っていたように、その人智を超えるほどの人の良さは、もはや逆に「異様」です。ただし、『鬼滅』が「教育的に良い」と言われる部分でもあります。炭治郎のような「良心的人間」にみな憧れるのは、頼もしいとさえ思った…

とか分析していたところ。
人気キャラクターランキングの1位が「善逸」だって知って驚いた! 炭治郎と正反対! 人間の欲望と弱さの塊じゃん! (言い過ぎ?)

人はやはり炭治郎のようには生きられないということか? けど、自分は「善逸」のように生きたいけど、大事な所は「炭治郎」みたいな人に押し付けたい…という無意識の願望だとしたら、そりゃ鬼だなー。


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Posted on 2020/11/23 Mon. 14:31 [edit]

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